クライ・マッチョのレビュー・感想・評価
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今週(1/14)の週にどれ観に行くか?となると本命
今年13本目(合計286本目/今月13本目)。
内容は他の方も大半書かれているので大きなところは省略します。一般的な映画というより、出演者等に「特別な思い入れがあるサービス映画」なのかなというところはありました。とはいえ、映画自体としては単体としても成立しています。
流れも非常に単純で、その「流れ」を阻害する「悪い人たち・変なことを考えている人たち」もだいたい想定がついてしまうので、「ストーリーのわかりにくさ」という点はほぼないのではないか、と思います。
今週は作品がどれも可もなく不可もなく多く、しかもオミクロン(大阪市、4000人超えとか言っているけど大丈夫なの?)という中でどれ観に行くか…となれば本作品が本命・対抗になるのでは、と思います。
なお、いわゆる「(アメリカから見た)外国人問題」という内容を多大に含んでいるので(とくに、中南米に関する国)、それらに関してはある程度知識があると良いかなと思います。
採点は下記が気になったものの、大きな傷なしとして5.0にしています。
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(減点0.2)この映画、要は英語とスペイン語の両方で会話が進みます。登場人物の1人が「両方の言語を話せる」という設定で通訳をやっているシーンもありますが、看板など(ストーリーの大半はアメリカ国外)に何の翻訳もないので「何が書いているのかわからない」ところはありますし、そもそもスペイン語訳が完全につけられていないので「何を言っているんだろう?」という部分はあります。
ただ、この映画は後半(それも、ラスト)こそカーチェイスな内容もありますが、スペイン語の看板が読めるだの理解できるだのは本質論ではない(あれば有利、程度の扱い)ことから、この程度にしました。
(やや配慮は足りないといえるが、まるで理解不可能でもないし、ストーリーが単純なのでわかりやすい)
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イーストウッドファンムービー
俺の居場所はわかってるよな
良く言えば王道
俳優としての集大成
大地にそびえ立つ見事な老木の姿
作品の印象は、91歳のクリントイーストウッドと同じく、広大な大地に静かにそびえ立つ老木、といった感じ。 非常にいい意味で、枯れた作品となっている。 ストーリーテラーとしての腕は健在で、 たっぷりと間を使ったゆったりとした演出。 劇的なクライマックスへと昇り詰めるわけではない。 小さなスリルと心温まるエピソードが巧に配置され、 物語の中に惹きこまれていく。 まさに老練な技。
何より、 老いたイーストウッド自身が、この作品に重みと説得力を与えている。 演技派ではないが、 老いた自分をさらけ出せる彼だからこその演技が、とにかく素晴らしい。 若い頃は自分を強く見せようとしていたーすべてを手に入れた気になるが、ある日その無意味さを知る―という主人公のセリフは、イーストウッドが語るからこそ説得力がある。
半世紀以上も前から無類のカッコよさと強さをスクリーンで魅せてきた男が、平気で老体を晒しているのだ。 監督と主演だから当然といえば当然かもしれないが、 ここまでヨレヨレの爺ちゃんになった自分を客観的な立場で冷静に演出し、演技し、しかも結果的には見事な作品に仕上げているのだから恐れ入る。 老境に達してますます、映画創作に喜びと生きがいを感じているに違いない。 羨ましい限りだ。
いくつになっても人生は美しく温かい
クリント・イーストウッド演じる主人公マイクと少年の交流を大自然を背景に描いた本作は、とても奥深くて温かく、じわ〜っと心に沁み渡る作品でした。
予告編から想像していた「半ば誘拐に等しい少年との出会いから、危険な帰路を走る」ような作品ではなく、多少の危機はあれど、基本的にはマイクとラフォとマッチョ(雄鶏)の旅の過程を映し出す、比較的平坦な物語。エモーショナルな感情表現も全然ありません。
でもだからこそ、砂漠の広大さや自然光の美しさ、そこに暮らす人々や動物たち、そしてマイクの心情の変化やラフォの成長が際立ち、胸に響きます。一つ一つの情景が心に染みて、噛み締めたくなるのです。
そして、クリント・イーストウッドの佇まいにより作品の説得力と深みが増し、91歳の存在感を見せつけられました。マイクが醸し出す大人の余裕と哀愁、懐の大きさ、そして優しさと強さ。とんでもなくカッコ良い!流石です。
年齢を重ねることを悲観するのではなく、受け入れ、楽しみ、居場所を見つければ、温かく生きていける。そんなイーストウッドからのメッセージであり、まだまだ人生謳歌しますよという彼の相変わらずさに笑ってほっこりしました。
良い映画でした。
何歳になっても人生を楽しもう
MVPは間違いなくマッチョ🐓
クリントイーストウッドが主演でなければ「許されざる映画」
クリントイーストウッドが主演だから許される映画でしょう。
あまりフィクション作品に対し現実的に突っ込むのは良くないですが、誘拐を依頼した父親は善人なのか悪人なのかはっきりせず終わってしまったし、助けてくれた女性が警察に追われて初めて街にやってきた二人を何故すんなり受け入れたのか、母親の手下のヘタレっぷり等々、、、、。時間的にもう少し尺をとって父親がやはり悪人で最後にあの息子も合流する所までやって欲しかったですね。
しかしながら、1979年が舞台ですが、現代版の西部劇みたいで絵面は良かった。ガンマンの撃ち合いはないですが旅人が悪人から追われて訪れたとある街の女性と恋に落ちるが、また行かなくてはならない主人公が悪と対決し、またその女性の所に戻る。良くありがちな西部劇の物語、イーストウッドだからこの映画は許されるのです、きっと!そういう事にしておきましょう!
紛れもない最後のカウボーイ映画
イーストウッドは老いさえ楽しんでいる
・ピアノのつぶやくような調べ
・古いシボレーのピックアップトラックでの老いぼれた登場
・運転席の横顔
・ひょろりとした長身の体はより細く骨ばって、足取りもおぼつかない
・昼寝のシーンをはさみ、老いを強調さえする
・元々声量は少なく吐き捨てるようなセリフが一層際立つ
・これら一連の表現で、老いを認め受容する潔さ
オープニングで「あぁ、こういうことか」と思い知る。
しかしイーストウッドは老いさえ楽しんでいた。
本作は、我々がイーストウッドに期待する強さには肩透かしを食うが、
・大地を俯瞰するカメラ
・人間関係を築き信頼していく過程
・優しさや本当の強さ
といったものは十分に描かれている。
また、登場人物が少ないために、相手役に多弁させることでストーリーを補完していく簡潔さで変化のない風景にテンポを持たせた。
ただし、ラファと母親の演技がありきたりでやや鼻白む。
反抗期の少年があまりに素直で拍子抜けするし、ステレオタイプな母親とその取り巻きも月並み。
一方、光っているのはカフェの女主人マルタ。大きな口、くっきりした目元と存在感で、老人イーストウッドに息を吹き込んだ。本当のマッチョはマルタなのかもしれない。
また、いつもながら怪しげな男を演らせるとピカイチのヨーカムもいい仕事をした。
イーストウッド作品に一貫する「本当の強さ」「信頼」といったものはあますことなく現れており、陳腐なストーリーではあるが、ファンとしては見ておくべきだろう。子どもの未来と世代交代を匂わせる佳作だ。
これを最後の作品にしてほしくない。
予想外に凄く良かった‼️
クリント・イーストウッドは、まだ頑張ってる
チキンとマッチョ
イーストウッド過去作のエッセンスを集約
デニムシャツ、ウエスタンブーツ、テンガロンハットを着こなし、女にモテまくる91歳なんて存在するわけない。でもクリント・イーストウッドが演じると違和感がない。背筋は曲がり足元もおぼつかなくなったけど、彼が演じると様式美の域に達してしまっている。
「イーストウッドの集大成」とキャッチコピーがあるけど、これが言い得て妙なのは、これまで彼が撮ってきた作品のエッセンスが盛り込まれているからだ。
そもそも(元)カウボーイという役柄が『ローハイド』だし、老人と少年の交流というテーマが『グラン・トリノ』であり、境遇こそ違えど、老齢の男女が恋に落ちるのは『マディソン郡の橋』を思わせる。動物と仲良くなれるという能力(?)に至っては、相棒がオランウータンだった『ダーティーファイター』ですでに身に付けている。何よりロードムービーという形式そのものは、『ガントレット』や『センチメンタル・アドベンチャー』などなど、何度も描いている。
そして、何度も何度も演じてきたマッチョ(男らしさ)を、本作では少年に“伝承”する。『グラン・トリノ』では自己犠牲でそれを伝承していたが、本作では生きながらにして行う。真のマッチョとは内面の弱さを伴う事で得られると諭し、イーストウッドは安住の地へと戻っていく。
ストーリー自体はありきたりかもしれないが、イーストウッドというフィルターを通してしまうとどうしても許容してしまう。新作が発表される度に繰り返し言うが、彼には時間の許す限り、気力の続く限り映画を撮り続けてほしい。
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