劇場公開日 2021年9月17日

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「セオリー通りに丁寧に作られた駄作」レミニセンス tabletapさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5セオリー通りに丁寧に作られた駄作

2023年12月26日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

演者、脚本、映像、音楽、演出どれをとってもセオリー通りで、ひどくお行儀がいい
個別に100点満点中80点以上をつけてもいいが、
しかし「映画」を理解していない駄作という希有な作品
映画の技法集でも見ているようだ、金もかかっているし、教材として使うのはいいのではないだろうか

広告ではジョナサンノーランを前面に押しているが、その実、監督はリサジョイ
『インセプション』の素晴らしさには足下にも及ばない。
SFチックではあるが主題がSFではない。

私立探偵もの、それも割とシンプルな筋書きでつまらない
話が別に『記憶』を使わなくても成立してしまう

SFとして重要な描写が不足してる
記憶の誤りや、妄想との違いは?その判断はどうしている?
隠そうとしている内容を暴くための方法は?

過去と未来に別れて舞台装置として使いたいのはよくわかる
電車や、水面はメタファーとして機能させたいのだろう
衰退する世界で70年代チックなインテリアと近未来技術が同居しているのはよい
人物の顔の向き、進行方向についてはよくある映画の技法だ

しかし、それを「面白い」と感じるための要素は何処においてきたのだろうか
記憶のどこかに置いてきたのではないだろうか

またどこかで見たようなネタのオンパレードだ
『デジャヴ』のような過去の解析作業
『フリンジ』のような水槽
『マトリックス』のような脳が焼ける拷問シーン
目新しさが欠けている。

本作の設定なら
・他人の記憶を脳に書き込む
・記憶喪失で記憶の断片を探す
・記憶に値段がつけられていて売買されている
・断片化した記憶から死んだ人間の人格を復元する
などなど素人がざっと思いつくだけでも面白いネタ、展開ができる

私立探偵ものとして成立させるなら
安楽椅子探偵として記憶を追跡する人間
現場で記憶をたどるための材料を調査する人間に分かれていても良かった
現場に行って装置に戻って、では話のテンポが悪い。

オチも今ひとつ。うーん...駄作

tabletap