劇場公開日 2021年9月17日

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「悲しみが美しい記憶を作る!」レミニセンス 三輪さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0悲しみが美しい記憶を作る!

2021年9月20日
iPhoneアプリから投稿

さながらプルーストの「失われた時を求めて」のようなニュアンスがある映画でした。人間は失いたくないものを記憶して執着しがちです。しかしとらわれすぎるとそれが害毒を及ぼします。この作品はそれでも最後に幸せな記憶の中で主人公は一生を終えます。観ている時にはそれほど感じなかったのですが、後からずしりと感動がやってきて、しばし回想の波に打たれました。まさに廃墟となりゆく世界での大人の純愛のなのでしょう。ヒロインの女性は数奇な運命に翻弄されますが、その美しさは睡蓮のように美しい。若干ベッキーに似たところもありますが(笑)。主人公は言います。「過去は記憶のビーズのネックレスだ」と。少々違和感がありますが、それでも名言だと思います。他にも珠玉の名言がたくさんありますが、もうひとつ気に入ったのがあります。「寂しさは悲しみの一部である。悲しみは幸せを感じるためにある」。言い得て妙です。主人公はメイを永遠に追いかけていきますが、きっと相棒の女性の方が本当はより近いソウルメイトだったのかもしれません。いずれにしても、記憶が犯罪の証拠になるため、その記憶のデータを隠滅するために事件は起こります。その不思議な設定の余韻がいつまでも残る傑作でした

三輪