「【”楽しかった時よ、永遠に・・・。” 記憶潜入捜査官が選択した哀しき”生き方”。この作品は一見難解であるが、レベッカ・ファーガソンのセピア調の色彩の中での美しさが“鍵”である作品でもある。】」レミニセンス NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”楽しかった時よ、永遠に・・・。” 記憶潜入捜査官が選択した哀しき”生き方”。この作品は一見難解であるが、レベッカ・ファーガソンのセピア調の色彩の中での美しさが“鍵”である作品でもある。】
ー 舞台は、温暖化が進み海水面が上昇した近未来のマイアミ。
富裕層は、水を遮る巨大な堀の中の、”ドライ・ランド”に住んでいる。
貧しき人々は・・・。ー
■感想
・舞台設定は、分かり易い。
そして、”記憶潜入エージェントのニック(ヒュー・ジャックマン)は、検察から瀕死の状態で見つかったギャングの記憶に入り込み、ギャング組織の正体や目的を探っていく・・。
・記憶なのか、現実なのか判然としないシーンが続くが、
ーここが鍵になる。ー
ニックの事務所「バニスター&アソシエイツ」に閉店間際に、謎めいた女性メイ(レベッカ・ファーガソン)”鍵を無くした・・。記憶を探って欲しい・・。”と言って訪れる。
共に働くワッツ(タンディ・ニュートン)は、断ろうとするが、ニックは頼みを引き受ける。
□今作は、記憶なのか、現実なのか、判然としないシーンをどう観るかが鍵になる。
描き方も、敢えて曖昧に映している気がする・・。
・メイと恋に落ちるニック。
ー メイは、本当にニックと恋に落ちたのか?ー
・ギャングを率いる麻薬の流通を取り仕切っているジョーは富裕層と繋がっており、富裕層の男の浮気の処理なども秘密裏に行っている。
ー メイは、且つては麻薬中毒者だったことも、明らかになる。彼女は、ギャング側なのか・・。ー
・突如、消えたメイ。彼女は何処にいったのか。彼女に恋したニックは、”悪徳捜査官”の記憶に潜入し、メイを探すが・・。
ー ”悪徳捜査官”の脳が”バーン”を起こしても、執拗に記憶を探るニック。彼の、メイに対する想いだけは、本当のようである。ー
<真実を知ったニックが選択した哀しき”生き方”
今作は、記憶潜入をキーにした、哀しき恋愛を描いた作品である。
暗く、フィルムノワール調で描かれる近未来の世界観に、複雑な時間軸構成の映像トリックが、巧妙に織り込まれた作品である。
レベッカ・ファーガソンのセピア色の中での美しさも印象的である。>