「検閲のせいなのか…」走れロム 山の手ロックさんの映画レビュー(感想・評価)
検閲のせいなのか…
ベトナムのサイゴン(ホーチミンになる前の頃?)で、闇くじ「デー」の予想屋をしている少年ロムが、金を稼ぎ、生きていくため、走り回る姿を描く。
予告編や映評、タイトルから疾走感あふれる作品を期待したが、働きもせずに闇くじに財産を投げ打つ人々、ロムを含めて闇くじに関わる貧しい人々の姿が印象に残る。
ロムのライバル、フックの運動神経はすごいし、追っかけ、けんかのシーンも気合いが入っているが、肝心の人間関係が釈然としない。ロムと賭け屋のギーさんの関係も。
位置関係も、よくわからない。ギーさんのところに、最初はフックが漕ぐボロいかだで川を渡って行ったのに、後からロムはどうやって行き来したの?
それぞれのシーンは見所はあっても、ブツブツ切れた感じで、ドラマとして盛り上がっていかないのは残念。題材の問題から、相当の検閲が入ったそうなので、そのせいもあるのだろう。
ところで、今のベトナムでは、「デー」はどうなっているのだろうか。
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