ショコラの魔法のレビュー・感想・評価
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依存心
舞台は学園、チョコレートに魔法にホラーとくれば女子学生の大好物、かまってくれる優しい男子も登場させて、まさに王道のジュブナイル映画。
黒猫のカカオはショコラの飼い猫のように映るがショコラに魔力を授けた悪魔ということらしい。原作は魔界の親族関係などハリポタ寄りだが映画は只管、悩みを抱え、ショコラの餌食になる人間側のドロドロ模様がメイン。
可愛い女の子が余りにも酷い話と思いがちだが個人的には妙に納得。
昔、会社のアルバイトの美大出身の女子が同級生にキャンバスを切り裂かれた話をしていたのを思い出した。「表からは解らないでしょうが女子校って結構陰湿よ・・・」だったかな。
願いを叶える代わりに悪魔に魂を奪われるのはゲーテの「ファウスト」以来の古典的プロット、また、マルクスの唱えた「宗教はアヘンである」も人間の弱さ、愚かさを言い得ているでしょう。
コミックホラーだが依存心は深遠なテーマでもありますので、お子供衆には良いお勉強になるかも知れませんね。
お芝居は、おじさんには学芸会にしか映らなかったが、端から蚊帳の外でしょうから感想など無用かも知れませんね、失礼いたしました。
なかなか楽しめた
この映画は人気少女漫画ちゃおに連載中である原作漫画の実写映画化として話題となった作品である。また、女優・山口真帆の初主演作としても話題になった。
ジャンルとしてはダークファンタジーであり、原作よりもかなりホラー色が強い。大人からすれば少しビックリするシーンがある程度であるが、少なくとも読者層である小学生女子が震え上がるくらいの恐怖感はある。
ストーリーは、新聞部の部員である高校生・飯田直(岡田結実)が校内で起こった行方不明事件を追っていくうち、何でも願いが叶うチョコを売っている魔女・哀川ショコラ(山口真帆)に出会い、事件解決のためにチョコレートを食べる。このチョコレートは本当に願いが叶う力があるが、その代わり大きな代償を払わなければならず、そこから一波乱あり…という感じの話である。
高校生特有の甘酸っぱいシーンや、この年ごろにありがちな「しょうもない嫉妬心」が事件の核となっている点を見て、なんだか懐かしい気持ちになり、ホラー色が強いのに思いがけず暖かい気持ちになってしまった。
私は原作漫画も読んだことがあるが、原作の世界観はかなり高いレベルで再現されている。特にショコラノワールはショコラ役の山口の衣装と合わせてかなり忠実に再現されており、原作のイメージをひどくねじ曲げているということはない。
一部で酷評されている山口の演技であるが、そこまで悪くは感じなかった。確かに山口は怪演ともいえる異彩を放った演技をしているが、哀川ショコラが現実にいたらこのような感じなのだろうと概ねは思えた。ただ、クライマックスの重要なシーンにおける解釈が原作とは少し違うので、その点で違和感を覚える原作ファンもいるかもしれない。(山口が悪いのではなく脚本と演出の問題であろう)
脇を固める岡田や桜田はさすがベテランだけあって安定感のある演技をしていた。特に桜田は圧巻である。ネタバレになるため詳細は控えるが、この映画のMVPを1人決めるとしたら桜田になるだろう。私は桜田の演技は今まであまりちゃんと見たことがなく「明日ママがいない」ぐらいでしか見たことがないが、あの頃の演技とは比較にならないほど上達していて驚いた。当時の桜田は14歳ぐらいだったから上達していて当たり前なのであるが立派な女優になって感慨深い思いである。
演出面においては予算が足りなかったのか、かなり荒いと言わざるを得ない。特にCGの質があまり高くない。特にカカオ・テオブロマ(綱啓永)という猫に化けた悪魔が出てくるのだが、この人物が猫から人間に変身するときに「猫が物陰に隠れて人間(綱)が出てくる」といった間接的な描写をしており、CGを使ってもっと直接的な描写はできなかったのかと少し残念である。
とまあ細かい難癖はいくらでも付けられるのだが、全体的には大いに楽しめたため、見て満足であった。円盤が出たら買いたい。また、続編にも大いに期待している。
細かいところにもこだわりが
原作A~Fのみ読んだ状態で試写会、
本筋の原案N巻S巻を読んで劇場で見ました!
まったく異なる二つのエピソードを違和感なく混ぜ込んだストーリーになっています。
ちょっと怖いシーンもありますが、現行ファンもOGも楽しめる怖さではないでしょうか。
カカオのシーンが一番のお気に入りでもあります。
原作にはないシーン(笑ゥせぇるすまんのドーン!!的なやつ)は
映画ならではの演出だと思っていますが、
店内の食器や書物が散乱する中、チョコはノーダメージ(舞わない)でした!
これもこだわりの一つでしょうか。
ショコラノワールがかわいい館な点はもちろん、
部室に面白いメモがあったり、セットも細部にこだわって作りこまれています。
全国のショコラキッズに見てもらいたいので何度も劇場に足を運んでいます!
全国展開しますように!
世界観に入れなかったなあ
そもそも、願いが叶う代わりに大きな代償(多くが行方不明?)になるチョコ食うやつの気がしれない。
しかも、主人公の新聞記者に至っては学園の謎を寸前で別の人に解かれるのが悔しいからと言う理由で食べちゃう。
探偵ならともかく、記者なら別に他人が謎を説いたところで、それも含めて報道すればいいだけの話。
そして、当たり前だが、彼女は行方不明にはならない、謎のお目こぼしで。
森のチョコレート屋に行くには招待状がいるようだが、ということはそういう素養、欲望のある人をショコラ(チョコ屋)が選別してるのか、
まあ、ここらは原作にはあるんだろうが、映画では描かれない。
あと、ショコラが舌足らずなのが最後まで気になった。
もしかして面白いのかなと思ってみたけど、残念な一品でした。
面白かった!続編希望ッッッ!!!
私の自慢の推し「山口真帆」さんが主演との事で、新潟南、板橋、横浜の計3箇所で行われた舞台挨拶(もちろん全て山口真帆さん参加)とともに観させて頂きました。
ですが、ここではあくまでも映画の内容についてお話します。
まず驚いたのは舞台となった建物やセット、小道具のゴージャスさ!
建物の外観はまるで日本で無いかの様なバリバリの洋風で、作品の雰囲気を上手く演出しています。
(原作自体はもう少しオープンで現代日本的な建物も多い気はしますが、今回のストーリーの舞台は学園とショコラ・ノワールだけですのでこれで全く問題は無いでしょう。)
更に劇中のショコラ(チョコ)も、Toshi Yoroizukaオーナーシェフの鎧塚俊彦さんが実際に作られたものとの事、これが何とも美味そうで、何の前情報も無く食べたとしても何か魔法の力が得られそうな錯覚すら覚えます。
うーん、是非是非是非是非食べてみたい!
次に、役者さんの演技について。
まずはやはり主役・哀川ショコラ役の山口真帆さんを挙げますが、無機質とさえ表現出来そうな抑揚を抑えた演技が中々様になっていたと思います。
哀川ショコラは普通の人間では無く魔女ショコラノワールなので、下手に人間っぽい部分を出してしまうと違和感が生じると思います。
なので普段の演技は全く違和感が無く、「なるほど、哀川ショコラを三次元にするとこんな感じか、納得!」と言えるでしょう。
また、ラストに悪人に対し「黒き闇に堕ちていきなさい」と言い罰を与えるシーンに関して、原作では通常とあまり変わらず感情の起伏が殆ど認められない事が多いのですが、映画ではそうでは無く明らかに感情を爆発させた演技・演出になっています。
山口真帆さんはまだまだ若手ですが、現時点での彼女の役者としての持ち味は2つあり、「平常時のおっとりとした、見ていて癒やされる優しい表情・演技(ドラマ「DIVER-特殊潜入班 第2話」ではそれを逆手に取った役があてがわれたと思われます)」と「感情を爆発させた時の強烈なギャップ」が挙げられます。
前述のシーンでは後者を効果的に用いたと思われ、原作とは異なりますが悪人を罰するシーンとしてはこちらの方がより雰囲気が出ていたのではないかと思います。
極論してしまうと、山口真帆さんを哀川ショコラ役に抜擢したのは、この強烈なギャップが存在する実写版での「哀川ショコラ」を表現したかったからではないかとすら邪推してしまいます。
(ちなみに、実写で原作通りに感情の起伏を全く出さずにこのシーンを演ずるのは相当難しいのではないかと思います。恐らく、悪人に絶望感を感じさせるのに説得力のある演技には中々ならないのでは、と思います。)
あと、ショコラの紫色の髪のかつらに関してはやや作り物感は抜けませんが、非現実的な存在を演出し他の人物との明確な差別化を示すのには良いアイテムだったと思います。
かつらについては、山口真帆さんがインタビューで話していた様に結構扱いに苦労した様で、実はお恥ずかしい話紫色のフェルトで荒く似せたかつらを作って実際に被ったものとしては、確かに重くて凄く動き辛く、「なるほどこれに似た物を付けて何十日も撮影していたのか、凄いな!」と感心してしまいました。
他の役者さんに関しては、いわゆる悪役のお二方の演技がかなり凄く、欲に塗れて醜い行動に走った女子を上手く表現出来ていたと思います。
特に後者の桜田ひよりさん扮する仁科愛利のあのエゲツナサには思わず引いてしまいましたが、同時に作品のテーマの一つと思しき「身の丈を超えた醜い願いを無理矢理叶える事により破滅していく」と言うある種残酷ではあるが実は現実世界でも普遍的な法則の存在を強烈に感じ、作品の世界観に思わず引き込まれてしまいました。
岡田結実さん扮する飯田直と中島健さん扮する西尾猛は、いかにも思春期の素直になれない2人と言った感じで良いですよね。
ああー、私もこんな高校生活を送りたかったです(涙)
最後に流れるmzsrzさん+山口真帆さんの主題歌も良いですね~。
ああいうテンポ良く明るい目の曲は大好きなので、音源が手に入ったら是非リピートしたいです。
点数は続編に期待を込めての5点!!!
この作品自体が現在も連載中で一話完結型の作品であり、まだ登場していない凄い残酷な白き魔女ブランシェ、傀儡等のキャラの登場や、哀川ショコラが何故魔女になったのかの謎など、幾らでも続編を作れる余地があると思います。
また、今回は見せなかったのですが、原作で時折見せているショコラのカカオへの仄かな恋心を我らが山口真帆さんがどう演技するのかも期待できます。
それらを是非全て観てみたいです!
ほら〜
原作は分からないです。ただ予告編を見たときになんだかグッと心を掴まれました。
物語は少女漫画だな〜という感じのメルヘンチックな世界観にホラーを継ぎ足したようなものでした。可もなく不可もなくって感じです。絵画が目を見開くドッキリ要素や、桜田ひよりさん・中島健さんの演技、突然の袴田さんやアズマックスあたりは良かったと思います。
ただ大方の演者の演技が…山口真帆さんは予告の時点で、モゴモゴしてるなと思ったんですが、全編見てみれば何か印象が変わるかもしれない!と思いましたが、想像以上にひどかったです。滑舌が悪いのか台詞が全く分からず、その上棒読み、気迫迫るシーンのはずなのに全然怖くない、むしろ面白いというホラーテイストな作品にはとても致命的なことが起きてしまいました。なぜ監督はこれでGOサインをしてしまったのか…はたまた諦めたのか…世に出せるレベルでは到底無いと思いました。ショコラも魅力的ではなかったです。
岡田結実さんも心に訴えかけるシーンのはずなのに、不思議と全然響かないし、棒読みとまではいきませんが、あまり上手ではなかったです。モブキャラの演者の方々も棒読みの方や、感情がない演技が続け様に繰り広げられ、笑わせにきてんのかな?と思いました。
事件が割とあっさり解決するので、物語が簡素な状態で終わり、W主演の意味はないかなーと思ってしまいました。次に何かに出演される際は、最低限見れるものになっていてほしいです。
鑑賞日 6/20
鑑賞時間 14:15〜15:50
座席 H-9
見てきました。
主演さん目的で見にいきましたが、その他の俳優さんたちの演技もとても良かったです。
ヒッ!となってしまうほど怖い場面もありました。
ショコラノアールの建物内、お店の中の豪華さも圧巻でした。原作も見てるので「ショコラだ」と思いました。
ぜひ続編をお願いしたいです。
シリーズ化されても面白いと思います。
原作ファンが見た結果
もともとは単発のショートストーリーが多く、アニメ化のときもコンパクトな構成だったため、そういう意味では実写化という面だけでなく、一つの物語がやや長めである点、新鮮でした。
話のアウトラインも無駄がなく、相応の評価に値すると思います。
ただ、ターゲットがいまいちよくわからない映画でした。
お子様連れもいらっしゃいましたが、話の内容的に存分に楽しめたかどうかは甚だ疑問です。今回はショコラの中でも王道ジャンルのホラー寄りであったため、演出を楽しむ意味ではお子様にもよいかもしれませんが、場合によっては飽きてしまったりする可能性もあります。
私は原作ファンとして見に行きましたが、もしかすると役者さんのファンの方で見に行かれた方も多いかもしれません。そういった方々の感想というのもやや気になるところではあります。
私が一番気になったのは、ショコラ本人の描写です。ショコラは機械的で無機質に見えるかもしれませんが、まったくそんなことはありません。実に人間味にあふれ、豊かな感情を持つ魅力的な内面を持っています。それは、ショコラがショコラノワールでチョコレートを作るという意思決定をした事実からも明らかにされています。しかし、今回の映画だけでは、人間の情は、あたかも外界の世界の話で、ショコラの領域とは別次元のものを見るような、そんな印象を受けました。そもそもたった一時間強でショコラを語るのは無理な話ですが、ショコラの印象のフォーカスの仕方くらいは調整できたのではないでしょうか。役者さんの演技がどうこう言うつもりはありません。ショコラの魅力をもう少しうまく、脚本から役者さんに伝えることはできなかったのでしょうか。そもそもが、脚本の方向性が今回の映画で出し切れていたのであれば、原作とは異なった表現を目指していたことになり、それはそれで完結してそうな感じもしますが。
以上です。全体的な構成に大きな不満はありませんでしたが、細部の表現やショコラ本人の魅力が、私が原作で感じていたそれとは異なるものであった。という感想で締めたいと思います。
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