「今や貴重な歴史の証言」Style Wars Boncompagno da Tacaocaさんの映画レビュー(感想・評価)
今や貴重な歴史の証言
私はニューヨークに行ったことはないが、留学先のイタリアでもよくローカル線の車体にグラフィティが描かれていて、アメリカから世界に広がった現象の始まりを見るようで、全編が興味深かった。ラップやブレイクダンスと並行してヒップホップを作っていったことも分かり、面白い。
グラフィティのライターだけでなく、グラフィティを嫌う市長や交通当局、市民の声も出てきて、客観的な歴史の証言になっている。
グラフィティが何よりも自分のニックネームを大書するもので、秩序への挑戦であり、貧しい生活の中で彼らのアイデンティティの確立に役立ったのだと思う。こういうものを完全に排除する国より、奨励はしなくとも許容したり共存できる国のほうがよいのではないか。結局、彼らから多くのアーチストが出た訳だし。
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