メタモルフォーゼの縁側のレビュー・感想・評価
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「ずるい」というセリフの重み
趣味、推し活等、好きなものに没頭する姿は美しく、人に勇気を与える。それがどんなジャンルであれそう思う。自分も没頭しているものがある一人だからそう思って当然かもしれない。好きなものを通して仲良くなった人とは、属している場所(学校、職場等)が同じってだけの友人とは違う関係性になるのもわかる。なんせ自分が好きな話題で盛り上がれるんだから。それこそ年齢性別なんか関係ない。
本作はBLを通して仲良くなった女子高校生と高齢女性のお話。2人がBLの話題を通して仲良くなっていくプロセスは微笑ましい。うららが雪さんにBL漫画を紹介するシーンなんて共感しかない。似たような雰囲気の作品、ちょっと過激な作品、一風変わっているけど面白い作品、同じ作者の前作とかデビュー作…。あんな感じで紹介してしまうんだよな。
さらにうららが抱えている心情を丁寧に描いているところもいい。個人的には、うららが同級生の女子に感じた「ずるい」ってセリフが響いた。いろんなものを持っていて、憧れや羨望や嫉妬を感じてしまう同級生が、自分が好きなもの(しかも少し卑屈に感じてしまっているもの)をいとも簡単に周りの友人たちに勧めらることができてしまう。卑屈に感じている自分をとてつもなく嫌悪してしまうあの感覚。
まだ何者でもないうららが自分の作品を人に見せることを怖がるあの感覚もいい。そんなマイナスの感情を乗り越えた先にはいろんなものが待っているって展開もよかった。別に好きだからといって作る側にまわる必要はないけど、1人で楽しんでいた時と比べてどれだけ日常が豊かになるんだろう。
ほら、やはり勇気をもらってしまうんだよ。あまり期待していなかったから後回しにしていたけど観ることができてよかった。
才能はなくても漫画は描ける
1人の少女の確かな成長
今年見た中で取り敢えずベストワンです
とにかく芦田愛菜が画面を走る。それだけで魅せる。
嬉しくても走り、哀しくても走り、時に逃げるために走る。
芦田愛菜って絶世の美人では無いけど、その豊かな表情とクルクル揺れ動く感情に、どんどん惹きつけられてしまう。
おそらく高校時代に芦田愛菜が同じクラスにいたら、絶対にオレは好きになるなぁ、ただ腐女子なんだけどさ(*^ω^*)
そして宮本信子が、ひたすら穏やかで優しい。
人生の終盤になって、ふとしたキッカケでBLに目覚めてしまうのだが、そのキッカケが不自然でないのが上手い。
何よりこの作品に出てくる登場人物に悪人は誰ひとりおらず、死や病気、貧困などの不穏な空気が漂うシーンは殆どなく、最後まで安らかな日常が続いて、そしてそのまま終わる。
こんな話はメルヘンだとかファンタジーだとか言われるかもしれないけど映画なんだから。見終わった後にこんなにホッコリする作品に出会えて良かった。
二人がハマったBLを描いている漫画家も優しくて、かつ親密になりすきないクールな関係性を最後までキープしたのもベタつかない展開になって良かった。
高齢者をテーマとする映画「PLAN75」とこの作品を同時期に続けて見たが、年寄りになっても、あんな所に行くよりコミケに向かう方が楽しいに決まってる!
いわゆるJKとはちょっと違うかなぁって言う愛菜ちゃん演じる女子高生...
凄く素敵な関係性の作品でした。原作は未読。 祖母と孫ほどの年齢差が...
BLサンド🥪 食べながら泣いて人は成長するのよ
本屋でアルバイトしている母子家庭の女子高校生うららと夫に2年前に先立たれた書道教室を営む高齢婦人の市野井雪。
お料理本を買いに来たのに、コミックコーナーに迷い込み、装丁の美しさから手にとって衝動買いしたのはボーイズラブの単行本。
雪の貸本屋のエピソード。
蕗谷虹兒の作品のようなきれいな装丁の古い貸本。
雪も乙女だったのね~
BLは少女からみたら禁断の異世界。
BLファンであることに後ろめたさを感じているうららと対照的に人前でも堂々と感想を語る雪。
メタモルフォーぜは生物学用語で、
変態。
いつの間にかうらら(芦田愛菜)が成長して、芋虫が蝶に変わる瞬間を見届ける気持ちになっている。
おばあちゃんは親を卒業しても、孫の世代のお世話をしてずっと輝ける。男からするとこれはちょっと羨ましい。
コンビーフとレタスのサンドイッチは青海のコミケ会場で食べられることはなかったが、市野井家の縁側で。
BLサンド。
ほぐれて混ざりあったビーフとシャキシャキレタス。
イカの大根煮もめっちゃ食べたくなった。カレーライスカレー🍛も。
宮本信子。
芦田愛菜。
女子高校生の芦田愛菜の膝の裏のぷよぷよ感も良かった。
最初の方の宮本信子の髪型。カツラ? ベルバラぽかったぞ。
品のいい綺麗なお婆ちゃんって素敵。
熟女(JJ)ばんざーい\(^-^)/
ブルージーなギター🎸サウンドや最後の主題歌も温かくてグー👍
岡田惠和の脚本って好きだなぁ。
青春を進む人、戻る人
この二人が出会う事によって、化学反応が起きましたね。うららは青春と言う物に違和感があった物が進み、雪は一人で寂しい暮らしが、青春を取り戻しました。最後のコメダ先生とうららが会った時にうららの存在を認識して欲しかったかな。愛菜ちゃんって足早く無いですか?
歳の差59歳の演技派女優
話の展開は面白い、が作者に二◯創◯物を見せる展開は大丈夫なのか
当初観る予定はなかったですが、各所で絶賛されていたため行ってきました。
個人的にキャストさんと映画全体の空気感は◎です。特に宮本信子氏が物凄く可愛い。大御所にこんなことを言って大変失礼ですが、台所で鼻歌歌いながらネギを刻む様子から「あら」と不意に出る呟きとか。全てが可愛い。腰痛に呻く様子すら可愛い。病気ですね、私。
ただしストーリーではいくつか気になったところがありました。それを以下に列挙してみます。
①うららがBLにハマった理由
言及なかったんですよね、確か。
雪(宮本氏)がハマる理由は冒頭に出てくるのでわかりやすいですが、うららの方は特になく。
しかもよくある『この作者が好きだから』とか『この人の絵が好き』もなく。中盤でしこたまBLマンガが積まれている場面が出てきますが、見たところこのジャンルのいろんな作品を読んでいるようなんですよね。
そこまでしてこのJKがBLにハマっている理由ってなんなんだ。
そしてその疑問については最後まで特に解消されず。
②結果として同人本が原作者の手に渡ってしまったことについて
二次創作物は作者や公式の目に触れぬように……と思っていました。実際に私は活動している人を横から見てるだけの立場なので、どこまでがそうなのかはわかりませんが。
理由については、公式に二次創作の影響を与えてしまうからとか、単純に目に触れさせたくない内容だからとか、なんかいろいろあるみたいですが。
あまり詳細を言うとネタバレになるので控えますが、この映画の場合、二次創作物が作者の手に渡ったことをポジティブに捉えているんですよね。
これって二次で活動している人達にとって、ある意味タブーな出来事であるはず。
その辺どうなんだ?という疑問。やはりこれもエンドロール以降も持ち越しで。
③幼馴染みについて
この手の話でなんのフラグも立てなかった奴初めて見たよ。
多分リアルを知らない方が単純に楽しめる作品かと思います。中途半端な知識しかないと、私のようになるか。
とりま一番印象深かったのは芦田さんの俊足と、謎の『ぐみ』と書かれた半紙でした。なんなんでしょう、あれ。
君といると僕は僕の形がわかる。僕も君にそれをあげたい。
うららは、自分のズルさに気づいていた。でも僕は、ズルいと自分のことがわかっている人間は、救いようがあると思っている。そこには自分が弱い人間であるという謙遜があり、向上心があるからだ。そんなうららが、自分の感情にまっすぐな雪に出会い、ゆっくりと変わっていく。人生の転換期は、嫉妬や挫折を養分として、誰かとの出会いから変化が始まるものかもしれない。予期せず巡り合った誰かの本気は、誰かの勇気になる。雪の本気に励まされ、うららの勇気が湧いてくる。それは、爆発的なものではなくて、湧き水のようにささやかでも途切れることのない勇気。そんな少女を、芦田愛菜が瑞々しく演じていた。正直、乙女の色気はまだ先のようだけど、清々しさは抜群だった。健気で愛らしかった。少しずつ小さな何かを得ながら成長していくうららが、眩しくもあった。
「メタモルフォーゼ」の意味を知らずに、帰宅後検索した。”変身”だった。うららは、あの縁側で雪さんと触れ合うことで変身する勇気をもらえたのだ、と気付いたらなんだかまた嬉しくなった。
満足の映画って、なかなかない😂
BLの映画?
色々な人たち、家族、青春、老い、関わり、交流・・・・😁👍❤️
人生、生活、ってステキですよね!
佐山うらら、17歳。みんなみたいにキラキラできない女子高生。唯一の楽しみは、毎日こっそりBL漫画を読むこと。
もうひとりの主人公・市野井雪、75歳。
60歳くらい離れた友達!素敵。
わー!いいなぁー。
17歳の人付き合いが苦手な女子高生・佐山うらら(芦田愛菜さん)。
夫に先立たれ孤独に暮らす75歳のおばあちゃん・市野井雪(宮本信子さん)。
脚本/岡田惠和さん。監督/狩山俊輔さん
👏👏👏👏👏👏👏
高齢化社会への目の向けかた。
色々あるけど、この視点を忘れないこと!
大切だと思います。
元気も、活力も、いただけました!
芦田愛菜ちゃん、宮本信子さん
ありがとうございます😊
宮本さんの演技はハンパなく最高です。
優しくなれる映画
推せるときに推す 伝えたいことは言葉にする
久々の映画館での映画鑑賞は平和そうなこちらに。くすっと笑ったり、うららと雪のセリフにうなずいていたりしてたら2時間過ぎてました。
ときめくものって人を支えてくれる!漫画、アイドルなどなど。ドキドキさせてくれるものでもいい。いくつになってもそんな対象があるといいなって思いました。あと、そのときめきを共有する相手がいるって素敵なこと!
いつまでもあると思うな親と金じゃないけど、推したいものや人はいつなくなってしまうかわからないから、今ちゃんと推しておこうと再確認しました。推しでなくて身近な人に対しても伝えたいことは伝えておきたいですよね。
うららの「あの子はあれもこれも手にしていてずるい」って気持ち、久々に思い出しました。最近やっとその気持ちならずに済むようになったな。
そして、漫画家、作家、脚本家などなど、物語を作るってすごいな、ありがたいな、と思いました。いい映画でした。制作されたみなさん、ありがとうございました。
BLっていうのが・・:
自分の"好き"がある全人類のための映画。
原作未読。
芦田愛菜と宮本信子だなんて観ないわけにいかないって感じでしたが、期待以上の傑作でした。
私にとっては今年一番かもしれない。
序盤、雪さんがウキウキしながら、仏壇に向かって「まだそっちには行けないわ」って言うところで、ポロポロ涙がこぼれてきちゃいました。
あんな風に軽やかに自分の"好き"を自分で認められることが、羨ましかった、のかな、たぶん。すごく、いいなぁって。
うららみたいに、"好き"を隠しちゃう方が、感覚的に理解できちゃうから。
でも、うららが隠したいと思ってることそれ自体には、雪さんはふれないんですよね、それが良かった。
「もっと堂々としていいのに」とか、説教くさく言っちゃいそうじゃないですか、大人って。そんなこと本人が一番良くわかってるのに。
そんな、上から目線で子供扱いすることが、雪さんは全くなくて、ただただ好きな漫画の話で盛り上がっていられたのが17歳のうららにとっても居心地良かっただろうなと思えるから、この歳の差の友人関係も納得できました。
全編通して、余計な説明をしない映画だったのが、すごく良かったな。
橋本さんが教室にBL漫画を持ってきてみんなで楽しんでるのを見たうららが、「ずるい」って思った、そのことも、雪さんに言おうとしてタイミング逃してそのまま、でしたね。
それもまた良かった。うん、説明も解決も、しなくていい。
だって、みんなもうわかってる。
みんなもうわかってることを、ちょうど良い距離と重さで観てるこちらに投げてよこす感じが、最高でした。
最高の脚本とお芝居と演出があってこそなんだろうけどそこはど素人の私が言葉にできる範疇じゃないので置いとくとして、とにかく、観ていてとても心地良かったです。
心地良いといえば、2人のお芝居がいちいちリアルで良かったなぁ。
宮本信子さんは背筋が伸びていて凛と立つ印象なんだけど、雪さんの歩き方はごく普通の75歳のおばあちゃんで、立ち上がるところとか階段を降りるところとか、60代でも80代でもない、75歳の速さと重力感がめっちゃリアルで。
芦田愛菜ちゃんは清楚でいて人当たりのいいふわっとした印象なんだけど、うららの、本屋で紡たちを見つけた時の隠れ方とか、雪さんと別れた直後に紡たちに会ってダッシュで逃げるその走り方とか、つっかえながら早口でしゃべるところとか、ちょっとダサいオタクな感じがカンペキでした。ポニーテールというよりただ一つに結んでるだけのボサボサな髪型まで含めて。
うららのことはほぼ母親目線で見てたから、頑張るところも頑張りきれないところもうるうるしちゃうし、雪さんのリアルな重さと思考の軽やかさにもなんだか泣けてきちゃうし、観終わった今もそんな泣ける映画だとは思わないのに結果的にずっとうるうるしながら観てました。
観ない選択肢はなかったけど、本当に観て良かったです。
終わらないうちにもう一回行きたいな。
パンフを買うことは滅多にないんだけど、次行ったら買おうかな。
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