メタモルフォーゼの縁側のレビュー・感想・評価
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演出にうるさい人には微妙だと思う、原作ありきの商業映画って感じ
歳の離れた友情のきっかけがBLというコンセプトは面白い。映画は微妙だったが、原作には興味を持てた。(原作は未読)漫画原作のものは映画化すればとりあえず売れはするし、原作に忠実ならファンには喜ばれる。でも私のような映画演出にこだわりや意味を求めてしまう人は、この映画に芸術としての完成度は求めちゃいけないな〜と思った。
下記ネタバレありの感想。
・いまいちなところ
コメディならもう少しコメディに振って欲しかった。途中の雪さんが腰悪かったりホームに入れるか?の話題などが不安を煽る演出に見えて、コメディなのかガチなのか、中途半端に感じた。
芦田愛菜さんの泣きの演技が微妙だった。
演出のせいかもしれないが、ぎゅっと目をつぶってうわーんみたいなのが子役時代の印象が強くて若干引いてしまった。私が演出するなら子役のイメージを拭いたいので、目はつぶらせずに静かに泣かせたいなあと思った。
雪さん素敵だったが、髪の毛がカツラ感凄いのが気になった。
マンガ家がとってつけたような印象でマンガ家っぽくないのも気になる。モデル感強い。役者が悪いのではなく、キャスティングの問題と思う。
演出がクサい。間延びしていて気になる。
わかりやすい演出をするドラマの制作やスタッフだからだとは思うが、個人的に好みじゃなかった。具体的には、序盤の漫画を見せるシーンは2度もいらない。漫画を見せるシーンが全体的に長い。芦田愛菜さんのセリフに「あのッ」が多すぎて気にかかる。セリフも全体的にありきたりな感じ。漫画を見せるところの音楽やテーマとなる曲が変なコメディっぽくてダサい。そんなん説明しなくてもわかるって!てことをセリフでわざわざ言ったりベタな表現は見てて全く面白くない。こんな表現ばかりだから日本人は芸術に対する目を養えないのではと不安になる。もっと高度な表現に挑戦して欲しい。
・良かったところ
娘とおばあちゃんと芦田愛菜さんが一緒にいるところ。昔はみんな10代だったと懐かしんでいてほっこりできた。
漫画の感想を書いても作者に送れなかった雪さんが今回は手紙を渡せたり、うららさんからマンガ家へ作品が渡ったことで、作り手に受け手の想いが伝わったところ。受け手の感想や意見はすごく励みになるし、お互いに相乗効果がある関係が素敵で好き。
うららさんの葛藤と挑戦は10代のリアルを感じて等身大の青春で良い。雪さんや幼馴染がいたからこそうららさんは次もがんばるのではないか。サポートしてくれる人って大事。若い頃の挑戦って素敵だなと思えた。
エンディングの曲が素晴らしかった。特に芦田愛菜さんの歌に魅力を感じた。個性と透明感があってもっと聴いてみたいと思わせる声だった。歌手とはではいかなくても、何かの形で歌声をもっと聴きたい。
・まとめ
総じて演出と脚本にがっかりなところが多く、序盤の10分でもう観るのが辛く感じてしまったが、エンディングの芦田さんの歌声がとても素敵なので良かった。役者さんはみんな悪くなかったが、演出や脚本がどうなの?って印象。無駄が多く、もっと省いたら完結で面白くなったと思う。きっと誰かよくわからない人があーだこーだ言ってつまんなくなったんじゃないかと予想。もしそうならそういうの本当に辞めて欲しい。作品にとってベストな演出や脚本にして、スポンサーやら誰かは余計な口出ししないで欲しい。売れたいのはわかるが、もっと作品に対して敬意を持って接してくれる人が増えてくれると良い。(まああくまでも想像ですが)
愛菜ちゃんの魅力が爆裂した
芦田愛菜ちゃん × 宮本信子さん
BLつながりで始まった女子高生と老婦人のふれあい。お互いかけがえのない存在になった。
これは一点の濁りもないピュアな作品。
先回観た『神は見返りを求める』と対岸にあった。
愛菜ちゃんの存在が奇跡。
愛菜ちゃんに5.0👏 👏 👏
しかし何故か作品としては自分に届かなかった。
それが残念🫤
輝きたいひと眩しいひと
意図は無いと思うのですが本編上映前、PLAN75の予告編。寅さんのさくらも75歳を迎えて安楽死を選べる宣告を受けていました。予告に衝撃と不安をあおられ、モヤモヤをかかえているところで本編がはじまりました。
同じくお年を召したマルタイの女が汗を拭きながらBLに目を輝かせていてなんだか、思わぬところで対照的なものをみさせていただいているような気がしましたね。
私も一時期かなりBLにハマっていたので、あの
ハマる瞬間が懐かしく、どんどん沼に落ちてゆく過程や同志達に対する気持ちに共感してしまいました。そこには世代を超えた共感があり、好きなものは好きだという勢いがあります。それが映画から伝わってきました。楽しかったなー、今はだいぶ落ち着きましたが。
また別のベクトルでうららちゃんの好きだ好きじゃない、ズルい、うらやましい、やりたい…やれない、みたいなアオハルの感じも懐かしく眩しくて良かったです。そして雪さんのきらきらした気持ちの勢いや、気持ちに追いつかないカラダのもどかしいさを受け入れる哀しみもダイレクトに伝わってきました。
PLAN75の予告編を観たあとだったからか、
生きるってきらきらもどんよりもハレの日も雨の日もあって、誰かの1ミリの優しさが知らないところで明日に繋げてるんだよ、といわれているように感じました。
原作へのアンサー映画だと思いました。
うらっちの、
「君といると僕は僕の形がわかる」の、君は雪さんだし、
雪さんの、
「僕も君にそれをあげたい」の、君はうらっちじゃん!!!!
って思ったら、ドバドバに泣いた。
泣きました。
うらっちにとって、
雪さんは、
「遠くから来た人」で、
あの日は、うらっちにとって、
「完璧な一日」だったんだよなぁぁぁぁ
って泣いてたら、
雪さんのあのセリフ!!!!!!!!!!!!
雪さんのあのセリフ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
監督、スタッフの皆さん、この映画を作ってくれた全ての人にありがとうございます。
泣きました。
うらっちを演じてくれたのが、芦田愛菜さんで、
本当に嬉しい。
うらっちを、丁寧にすくいとってくれて、ありがとうございます。
宮本信子さんの、雪さん
凄く魅力的でした。
皆大好きになっちゃう。って、思いました。
ありがとうございます。
この映画が公開されて、嬉しいです。
今日はカレー、食べます。人参、じゃがいも、ゴロゴロいれます。
おばあちゃんかわいい
BLを通じて芦田愛菜と友達になった宮本信子のイキイキした笑顔のかわいらしさ、チャーミングさと、それからパワーをもらった芦田愛菜のまっすぐで自然なかわいさと成長が素敵。ほっこり。古川琴音も好き。
めちゃくちゃキュートな二人
この作品を観る前にキネマ旬報を読んで批評家からは高評価な映画でしたが、個人的にはそこそこ。高齢者と若者がBL漫画をきっかけに友情を育む内容でしたが、一番グッときたのが主人公うららが一人で同人即売会に行った部分が胸に突き刺さった。孤独と不安が一人の少女に降りかかった瞬間はつい同情してしまった。プロ級と素人の画を比較したワンシーンはうららの恥ずかしさがこちら側まで伝わった瞬間でした。
でも、画が上手いかどうかよりも台詞やストーリーが良かったら、それでいいのではと思えた。あと、おばあさんが死ななくてよかった。
「 ”はい”か”いいえ”で答えてくれますか?」 「はい」 「BL苦手な人は観ない方がいい?」 =>「いいえ」。 そんな事はありません。心が暖かくなるハートフルなお話です。
何となく観るのを躊躇っていたのですが
気になるなぁ な感じも無くならず… で
結局鑑賞することにしました。
この作品
観る前に思っていたイメージと
観た後に感じたモノがだいぶ違うなぁ
というのが正直な感想です。
(良い方にブレました)
BLという題材や
年齢差のある二人の女性の交流
それがどんな風に描かれるのだろう と
ストーリー展開に一抹の不安があったからなのですが
要らぬ心配だったようです。
時に優しく、時には力を込めて。
人が人の背中を押す。
そんな暖かさに溢れた世界での
BL好きな女子高校生と
夫に先立たれひとり暮らしの老婦人との
心の交流を描いたお話です。
観て良かった。
◇
夫の三回忌の帰り道
本屋に立ち寄った老婦人が一冊の本を手につぶやく
「綺麗な絵だわ」
ページをめくる。 手が止まる。
「これは… キッス? しているの?」
「あらあら」
「まあまあ あらあら」
購入。
帰宅。
読書。
…。
「あらまあ。 続きは?」
再び本屋。
近くの店員に声をかける。
「この本の続きは あるかしら?」
アルバイト店員の女子高校生
(BLだわ それも私の好きな本!)
続きの本は在庫切れだったが
「取り寄せ出来ますけど」
「ぜひ お願いしますわ」
こうして
女子高校生(うららちゃん)の働く書店に
BL本に目覚めた老婦人(市野井さん)が
頻繁に買いにくるようになる
書棚のBL本を色々と紹介したりしたいる内に
いつの間にか交流が始まり
市野井さんの自宅まで自分のおすすめ本を持って
訪ねていくようにまでなるのでした。
そして ある日
「うららさんは 自分で漫画を書かないの ?」
「へっ ?」
これだけBLが好きなのなら
自分でお話を描いてみてはどうなの と市野井さん
才能がなければ描いちゃダメだなんて
そんなコト無いでしょ? …
そして
作品を書き始める うららちゃん
絵がヘタでもいい
自分の書きたいお話を作品にするんだ
そして出来た本
コミケに申し込んではみたものの
販売のブースに気後れして行けなかったり …と。
売れたのは結局2冊だけだったけど
その中の1冊を買った人が 実は…
と、まあ (長いなぁ すいません…)
こんな感じで進むわけですが
登場する人物に悪い奴がいない というか
みんな優しい良い人ばかり。
不思議な余韻の残る作品です。
ハートが暖かくなります。
重ねて書きますが、観て良かった。
満足です。
◇あれこれ
南瓜
カボチャを切ろうと
必死に包丁の刃を立てる市野井さん
固くてなかなか歯が立たない
…
そして食事の場面
市野井さんの後ろには
包丁が刺さったまんまのカボチャ (うわ)
カボチャが人の頭に見えて
ホラー感いっぱいの絵面でした… 怖い
芦田愛菜さん
演技はもちろん良かったのですが
走ると速いのにびっくり。
リズミカルに疾走する姿は、まるでペンギンのよう。
(フォームが可愛いのです)
走るシーンが出るたび注目して見てました。
何か体育会系の部活でもやっているのかな?
☆映画の感想は人さまざまかとは思いますが、このように感じた映画ファンもいるということで。
揺めき
上半期ラストの一本。とてもほっこりしてきました。
宮本信子さん演じる幸がBLにハマっていく瞬間がとても愛らしいですし、芦田愛菜さん演じるうららの純朴な感じも等身大の女子高生って感じで素敵でした。
BLを通じた友情という一見ぶっ飛んでいるように思える展開も、物語と画面の柔らかさと時折出てくるご飯やおやつをを美味しく食べる姿、BLの内容で一喜一憂する姿、ほとんど殺伐としていない、優しさで包み込んでくれる作品でした。登場人物全員が優しすぎて若干疑いをかけてしまう自分がいましたが、それを覆い隠してくれるレベルで楽しめました。芦田愛菜さんにはこれからも女優を続けてほしいなぁ。
鑑賞日 6/29
鑑賞時間 18:40〜20:50
座席 G-3
誰かの好きが誰かを元気にしている!
鑑賞後は縁側を爽やかな風が吹き抜けて行くような、心地の良い充実感に包まれる優しい作品。
BLと女子高生と老婦人と言う異色の組み合わせではありますが、和やかな雰囲気の中それぞれがそれぞれの好きを持ち寄って縁側でお茶をしながら語らうというシュチュエーションが最高にしっくりくる。
見ていて、こちらも応援したくなる。
情熱や好きを表現していく、好きを発信していく楽しさを一緒に体験していくようなストーリー運びが良かったです。
主演の芦田愛菜さんは言わずもがな。
おそらく原作をご存知なのでは?
等身大の高校生役がピタリとハマっていました。
中でも、自分が趣味として嗜んできた、人目に晒されないように楽しんできたBLを幼馴染の美人の彼女が仲間と教室で楽しんで読み回しているシーンが印象的でした。
それを見て「ズルい」と発するうらら。
美貌も教養も友達も恋人も風になびくサラサラの髪も持っている同級生。
BLと言う自分の趣味の場を荒らされたような、そこの場所まで侵食してこなくたって良いじゃない。と怒りにも似た同担拒否ならぬ、同ジャンル拒否をしたくなる気持ちに激しく共感してしまいました。
また、自分の「好き」を素直に「好きだ!」と発信せず少しずつ距離を縮めて同志を得るうららと雪さんの関係も良いなぁと感じました。
好きな作品を語れる相手がいるって最高に楽しいですよね。
レビューを描くのだって、この作品を観た、観たい誰かと繋がりたい!と言う思いから文字を書いているので、好きを共有できる嬉しさは分かります。
劇中に登場するBL漫画の絵柄が綺麗で、話も巻数を重ねる毎に変化しているので、うららや雪さんと一緒に次の展開は?!とワクワクしながら観ていました。
良い作品に出会い、刺激を受けて自分も作り手になってみたいと言う情熱やイベント参加までの流れも良かったです。
コミケは混むからなぁ。
コミティアくらいが丁度良くない?と思っていたらコミティアに申し込んでいて、だよなぁ!と思わずうんうんと頷いてしまいました。
いや、実際に物を書いて売るってとてもバイタリティのいることなので、うららの行動力がすごいなぁと感心してしまいました。
サークル参加でオフセット印刷で値段が100円って申込料の回収も出来ないから、次回参加が危ぶまれるなとか考えてしまうのは野暮ですよね。
ただ、全国から本当に自分の作品を届けたいクリエイターが集結する場なので、当日空席にするくらいなら申し込むなや!落ちたサークルもいたかもしれないんだぞ?!と謎の怒りを覚えてしまいました。
とは言ってもフィクションなので、あんなコミケ会場で幼馴染に会えたらそれはもう奇跡だよ。
幼馴染の紡はイケメンなのに距離感バグってるのかってくらいうららと距離が近い。
この2人は幼馴染の距離感のままお互いの好きやピンチを助け合える良いコンビだなと思いました。
劇中、走る駆けるうらら。
逃げ足、スキップ、上機嫌、などなど走る表現にこれほどバリエーションを求められることも少ないだろうな。
走る演技って後ろ姿や走り方で感情を伝えられるって、やっぱり芦田愛菜ちゃんは天才だなと感じました。
主役だけど、他の役者さんと喧嘩せず。
でしゃばりすぎず、かと言って存在感のある演技がストーリーを邪魔しない。これを計算ではできまい。
BLに初めて触れる雪役の宮本信子さんも、偏見よりも好奇心が勝る、純粋に自分の心が躍る楽しさをはつらつと演じていらっしゃって、とても好きでした。
男同士?気持ち悪い、悪趣味だって時代は終わったんだなぁ。
私はBLって女性が性対象にされないジャンルなのが観ていて安心できるポイントなんだなと感じています。
自分が性対象になる恋愛ものではなく、あくまで外野の立ち位置から頑張れ!いけいけ!と応援できるジャンルなのかなと。
女は生まれてから少し経つとすぐに自身が性対象に見られることを意識せざるを得ないので、自分が搾取されない恋愛劇を安心して楽しむことができるのかなと感じました。
ラストの着地が良ければ傑作だったとは‥
(完全ネタバレなので必ず映画を見てから読んで下さい)
個人的にはBL漫画には抵抗があって題材的にどうなんだろうとは思われましたが、すごく良かったです。
秀作だったと思われました。
特に主人公の佐山うららを演じる芦田愛菜さんの演技が素晴らしく、雪を演じる大ベテラン宮本信子さんの演技と全く遜色なく、2人の関係性を見ているだけで成り立つ映画だと思われました。
岡田惠和さんの脚本だからか劇的なことはなるだけ廃されていました。
淡々とした映画になりかねないストーリーをここまで芳醇な映画にしたのは、特に芦田愛菜さんの深くも自然な演技と宮本信子さんの広い存在があったからだと思われました。
ところで個人的に惜しいと思ったのは、うららが「完璧な1日でした」という終盤のシーンでした。
うららはやはりラストでコメダ優先生(古川琴音さん)と会話は交わした方が良かったのではないでしょうか?
この映画の主人公のうららが描いた同人誌のBL漫画が、うららの視点からコメダ先生に届く必要があったと思われました。
うららが描いた同人誌のBL漫画は、雪の説明によりうららが描いたことはコメダ先生に伝わります。
しかし、雪がコメダ先生に伝えた会話の中心は、コメダ先生のBL漫画によって雪がうららと友達になれた、という感謝の言葉でした。
この雪の感謝の言葉はコメダ先生にも伝わり、観客である私にも感動を持って伝わりましたし、素晴らしいシーンだったと思われます。
しかしうららは、雪と友達になれたのは本当に良かったと思ってはいても、一方でうららは、雪と友達になることで自身の心情の問題は全て解消していないとこの映画で伝わっていました。
そのうららの心情の問題とは、母子家庭にいる自分であり、幼馴染の河村紡(高橋恭平さん)と付き合っているうららからは何でも手に入れているように見える「ずるい」橋本英莉(汐谷友希さん)に対してであり、高校卒業後の進路についてだったと思われます。
これらのうららの心情の問題は、うららが雪と友達関係になっても解消することはなかったと思われます。
そのうららの心情の問題の空白を埋めるのに、うららはコメダ先生のBL漫画が必要だったと思われました。
そしてうららが描いた同人誌のBL漫画が、うららが作者本人としてうららから見た視点でコメダ先生に届く必要があったと思われます。
終盤でうららとコメダ先生とが会話できなかったことで、残念ながら、うららの心情の問題は映画としては解消されずに宙に浮いた状態で終わってしまったと、観客の私からは思われてしまいました。
ただ、このうららとコメダ先生が会話できないのは、どうやら原作通りのようです。
原作者の鶴谷香央理さんは「願いはわかりやすくは叶わない」をその場面に込めたそうです。
すると映画としては、原作者の鶴谷香央理さんの原作意図通りにこの場面を描くなら、うららの心情問題の解決を別の方法で取る必要が出てくると思われました。
それは、うららの幼馴染の紡が、海外留学するので別れた橋本英莉の、海外留学の見送りに行く場面で可能だったと思われます。
うららの心情の問題には、幼馴染の紡や、自身が大切にしていたBL漫画まで奪って行くように思えていた「ずるい」橋本英莉との関係性もあったと思われます。
その橋本英莉を追いかける幼馴染の紡との(映画として)最後の決着が(うららがコメダ先生と会話できないのであれば)必要だったと思われます。
しかしうららは、幼馴染の紡とも「ずるい」と思っていた橋本英莉とも、しっかりとした対峙解決をしないまま紡とは途中で別れてコメダ先生のサイン会に戻って行きます。
つまりうららはこの映画では、自身の心情の問題である紡や橋本英莉(加えて母子家庭や卒業進路など)との関係性の解決も、その苦しさから生き延びる為に読んで来たBL漫画の作者であるコメダ先生との会話も、そこから自分の力で生き延びようとして描いた自身の同人誌のBL漫画の評価も、得られないまま宙ぶらりんの状態で物語は閉じられることになったと思われます。
観客の私からは、とてもうららにとって「完璧な1日」とは伝わらず、映画の感動という点では食い足らなさがあったのも事実です。
しかし、もしかしたらうららにとって映画終盤の宙ぶらりん状態の先に(私には伺い知れなかった)解決の光を見たからこそ「完璧な1日でした」の言葉が出たのかもしれません。
映画は宙ぶらりんの状態で閉じられましたが、本当の物語のエンディングは映画のずっと先にうららにとっての未来に待っているのかもしれません。
個人的にはなので、傑作まであと一歩の感想は持ちました。
しかし作為性を限界まで廃して、だからこそそれぞれの登場人物の演技が突出しているから成り立ったこの映画は、やはり素晴らしかったとは思われました。
「ずるい」というセリフの重み
趣味、推し活等、好きなものに没頭する姿は美しく、人に勇気を与える。それがどんなジャンルであれそう思う。自分も没頭しているものがある一人だからそう思って当然かもしれない。好きなものを通して仲良くなった人とは、属している場所(学校、職場等)が同じってだけの友人とは違う関係性になるのもわかる。なんせ自分が好きな話題で盛り上がれるんだから。それこそ年齢性別なんか関係ない。
本作はBLを通して仲良くなった女子高校生と高齢女性のお話。2人がBLの話題を通して仲良くなっていくプロセスは微笑ましい。うららが雪さんにBL漫画を紹介するシーンなんて共感しかない。似たような雰囲気の作品、ちょっと過激な作品、一風変わっているけど面白い作品、同じ作者の前作とかデビュー作…。あんな感じで紹介してしまうんだよな。
さらにうららが抱えている心情を丁寧に描いているところもいい。個人的には、うららが同級生の女子に感じた「ずるい」ってセリフが響いた。いろんなものを持っていて、憧れや羨望や嫉妬を感じてしまう同級生が、自分が好きなもの(しかも少し卑屈に感じてしまっているもの)をいとも簡単に周りの友人たちに勧めらることができてしまう。卑屈に感じている自分をとてつもなく嫌悪してしまうあの感覚。
まだ何者でもないうららが自分の作品を人に見せることを怖がるあの感覚もいい。そんなマイナスの感情を乗り越えた先にはいろんなものが待っているって展開もよかった。別に好きだからといって作る側にまわる必要はないけど、1人で楽しんでいた時と比べてどれだけ日常が豊かになるんだろう。
ほら、やはり勇気をもらってしまうんだよ。あまり期待していなかったから後回しにしていたけど観ることができてよかった。
才能はなくても漫画は描ける
芦田愛菜ちゃん
宮本信子さん
ふたりの関係がとても良い✨
宮本信子さんのユキさんが
とっても可愛いおばあちゃんで好き。
地味で派手さのないBL好きな女の子を良く演じている芦田愛菜ちゃんのうらら。
挿入される漫画も効果的に見せてるし
二人のそれぞれの心情を表している
バックミュージックも、とても良く
約2時間飽きさせない
とても良く出来ている
優しい映画でした🎬
光石研さんと孫の二人も良い笑
追記
BLの漫画家さんは本当に絵が綺麗✨
あながち間違えて手に取る方はいるかもしれない☺️
1人の少女の確かな成長
頑張るって難しいよね
人と関わるのもめんどくさいし、やらないでも責められない
頑張ってる人を見ると羨ましいし妬んでしまう
そんな中で理解してくれる人が現れて、背中を押してくれて出来た事は確実に成長したって事
あなたの行動はきっとどこかで少なからず何かしら影響しているんだよ
それが巡り巡って自分に返ってくる事もある、知らないところでね
そんな私もこの映画を見て元気をもらいました
とても良い映画でした
まずメインキャストのお二方が最高で、 おばあちゃんと高校生の女の子...
まずメインキャストのお二方が最高で、
おばあちゃんと高校生の女の子がBLマンガきっかけで、
仲良くなる感じも面白かった。ちょっとした人間の成長を丁寧に、やさしく描いているのも良かった!
今年見た中で取り敢えずベストワンです
とにかく芦田愛菜が画面を走る。それだけで魅せる。
嬉しくても走り、哀しくても走り、時に逃げるために走る。
芦田愛菜って絶世の美人では無いけど、その豊かな表情とクルクル揺れ動く感情に、どんどん惹きつけられてしまう。
おそらく高校時代に芦田愛菜が同じクラスにいたら、絶対にオレは好きになるなぁ、ただ腐女子なんだけどさ(*^ω^*)
そして宮本信子が、ひたすら穏やかで優しい。
人生の終盤になって、ふとしたキッカケでBLに目覚めてしまうのだが、そのキッカケが不自然でないのが上手い。
何よりこの作品に出てくる登場人物に悪人は誰ひとりおらず、死や病気、貧困などの不穏な空気が漂うシーンは殆どなく、最後まで安らかな日常が続いて、そしてそのまま終わる。
こんな話はメルヘンだとかファンタジーだとか言われるかもしれないけど映画なんだから。見終わった後にこんなにホッコリする作品に出会えて良かった。
二人がハマったBLを描いている漫画家も優しくて、かつ親密になりすきないクールな関係性を最後までキープしたのもベタつかない展開になって良かった。
高齢者をテーマとする映画「PLAN75」とこの作品を同時期に続けて見たが、年寄りになっても、あんな所に行くよりコミケに向かう方が楽しいに決まってる!
いわゆるJKとはちょっと違うかなぁって言う愛菜ちゃん演じる女子高生...
いわゆるJKとはちょっと違うかなぁって言う愛菜ちゃん演じる女子高生が良かった
昔はかなり乙女な女子高生だったんだろうなぁって言う宮本信子さんのおばあちゃんもとても良かった
好きなものを共感し合える誰かがいてくれるってとても幸せなんだなぁ
いつまでもそう言う気持ちを持ち続けたい
観て良かった~♪
凄く素敵な関係性の作品でした。原作は未読。 祖母と孫ほどの年齢差が...
凄く素敵な関係性の作品でした。原作は未読。
祖母と孫ほどの年齢差がある2人が”BL漫画”で繋がり交流を深めていく過程が2人を取り巻く環境と過ぎ去る季節によってゆっくりと表現されていて良かった。
出てくる登場人物も嫌な人が居なくて、でもちょっとしたハラハラもあって良かった。
“好き”を隠すうららと隠さない雪の対比も良く、新たな好きを得た雪が終わりを感じつつ人生を楽しんでいる様子や、やるべき事として漫画を描いているうららの現状への不満とこれからの未来への不安、淡い恋愛模様など主演のお二人の芝居がとてもリアルでした。
全239件中、121~140件目を表示