メタモルフォーゼの縁側のレビュー・感想・評価
全247件中、221~240件目を表示
孫ほど年の離れた二人のゆるく微笑ましい友情
偶然立ち寄った本屋にあった表紙の美しい本を取り、BLにハマった老婦人の雪と書店アルバイト店員のうらら。
愛するBL漫画を通して交流を深める二人をゆるく描き、ついつい微笑んでしまうような作品。
否定されることを恐れ、自分の好きなものを素直に表現できないもどかしさ、辛さ。好きなのに大事にできず感じる自己嫌悪。
うららの心情にかなり共感した。
好きなものを気兼ねなく話せる相手がいること、これがどれだけ幸せなことか。雪と出会えて本当によかったねと思った。
やっぱり好きなこと、やりたいことを一生懸命やるのが大事だし、その姿は素敵。
自分はやりたいことやってないなぁ。まずはやりたいことを見つけなくちゃと思った。
ほのぼのといたしました、申し述べておきます‼️❓
【”自分の大事なモノを大切にする。”BL好きな(けれど、人に言えない・・)女子高生とBLに嵌った老婦人との素敵な交流。壁が幾ら高くても、目標に向かって努力する大切さを軽やかに描いた作品。】
ー 芦田愛菜さんが、目標をナカナカ持てずに日々過ごす女子高生うららを自然な演技で魅せ、偶然BLに嵌った老婦人雪を、宮本信子さんが熟練の演技で魅せる。
二人がふとしたきっかけで、交流していく姿を、自然に描き出している。-
◆感想
・「君のことだけみていたい」というBL漫画を”絵が綺麗・・・”と偶々書店で手に取った雪がドンドン、BLに嵌って行く姿。
自らもBLが大好きなのに、隠しつつ書店でアルバイトするうららが後押しし・・。
芦田愛菜さんの控えめながら、優しき心が滲み出る姿や、宮本信子さんが、邪気の無い笑顔でBLの楽しさを語るシーン。好きなモノが同じであれば、歳の差なんて関係ないよね。
ー 好きな本や漫画の新刊を待つ楽しさ、漸く手元に届いた時の嬉しさは、良く分かるなあ。数年前から本や本屋で、CDはCD店で買うようにしてから、その思いは強くなったからである。-
・雪がうららに、”漫画書いたら?”と促すも、”才能がないから・・。”と寂し気に呟くうらら。
だが、幼馴染の男の子(良い奴である。)のガールフレンドが、アメリカ留学をする事を聞き、勇気をもって漫画をコミケで売るために、自ら漫画キットを取り寄せ、漫画を描き始める姿。
ー この作品では、雪は書道の先生をやっているが、そこの生徒が書く言葉が、各シーンを的確に表している。ちなみに最初は「憂鬱」である。ー
・コミケサイトを勇気を出して、予約したうららが、独り会場に来て遅れてしまった雪が来ない事もあり、必死に書き上げた「遠くからきた人」を売る勇気が薄れ、店を出せずに肩を落としているシーン。
ー けれども、雪は会場近くで、”ある人”と偶然会っていた。”宇宙人の配慮”だろうか・・。上手い脚本である。-
・「君のことだけみていたい」の漫画家、コメダ優も、実はスランプに陥っている姿が、さりげなく描かれる。
ー 漫画界の熾烈さは、幾つかの本と、映画で言えば「バクマン。」で知った。-
・コメダ優のサイン会で書いて貰った「君のことだけみていたい」の二人のWキャスト、咲良と佑真の絵を嬉しそうに、見せ合う二人。
ー うららは押しが弱い咲良を。雪は押しが強い佑真を書いて貰っている。成程。-
・この作品には彼女達をサポートする善なる人々が多数登場する。
これが、この作品の爽快感の醸成に寄与している。
<今作は、やや内気で自分の未来に自信が無かった女子高生うららが、不思議な縁で老婦人雪に出会ったことで、自らの内面を少しづつメタモルフォーゼしていく様を、芦田愛菜さんと宮本信子さんが流石の演技で魅せる。
壁が幾ら高くても、目標を持って、それに向かって努力する大切さを描いた作品でもある。
芦田愛菜って足が速っ~!
やわらかな日差しに満ちた縁側
ゆるくて
あたたかくて
やさしくて
さりげなくて
もどかしくて
なつかしい
この映画を語るのには、画数の多い難しい漢字よりもひらがなのほうがよく似合います。
※そうは言っても、〝うっくつ〟はやはり〝鬱屈〟でないと感じがでませんね😅
宮本信子さんが信号待ちしていたのは、たぶん京浜東北線の王子駅前で、私が初めて一人暮らしをしたマンションの最寄駅。
サイン会場の池袋ジュンク堂とその近くのマルゼンのカフェは、今でも本を買うときによく辿るコースで、物語世界にどっぷりと浸かることができました。
若者(うらら)と高齢者(雪)を同時に描くことでとてもうまく描かれていたのが、人生の持ち時間の違い。
うららの人生には、まだたっぷり未来の時間があります。だからこそ早く自分の好きなことを見つけたいと焦ってしまうことがあります。クラスメイトなどの視線も気になり、〝好きなことを見つけてそこに向かう自分〟を演じることが最優先となってしまい、そのことに気がつけないまま、もっと大事なことを見逃してしまうことも。
人生は長くて人それぞれのステージがあるのに、今(他人から見た自分が)輝いて見えることにこだわってしまう。
若い時って、道の先が遠くて見えないから却って目先のスタートダッシュに気を奪われてしまうのですね。
雪に残された人生の時間はそんなに長くはありません。体のあちこちにガタがきているから、今自分が好きなことがあれば、他人の目なんか気にせずに、すぐに始めることができます。いい意味で、厚かましくなれます。
映画って本当にいいな、と思います。
深刻な問題を扱うことも、社会的な危機感を訴えることもできるし、誰にでも思い当たるような小さな世界のちょっとした奇跡を描くこともできる。
欣喜雀躍、捲土重来、艱難辛苦…みたいなことを気宇壮大に描くのは他の映画に任せて、ほんわか、ほんのり、ほのぼの…そんな世界を染み入るように描いてくれたこの映画、私は大好きです。
二人の女優の存在感が、小さな奇跡に血を通わせる
内向的な女子高生と、好奇心旺盛な老婦人の友情物語には、違和感どころか、説得力さえ感じられる。それは、自分にないものを補い合えるという居心地の良さを、二人の女優が、しっかりと体現しているからだろう。何よりも、二人が、好きなことを夢中で語り合うシーンには、この上もない幸福感が満ち溢れている。
自分で漫画本を作るという無謀な挑戦や、憧れの漫画家との偶然の出逢いなど、小さな冒険や、小さな奇跡が、小さな出来事のままで終わるのも良い。これが、「漫画家のアシスタントになれました」みたいな話になっていたら、ご都合主義に興ざめするしかないだろう。
メタモルフォーゼといいながら、漫画家を目指すとか、大学に合格するとか、恋人ができるとかいった、見た目の変化は何もない。だが、かけがえのない人との出逢いが、人生の宝物となり、それによって内面が豊かに変化したのだということは、はっきりと感じ取ることができる。
エンドロールのデュエットを聴きながら、ほのぼのとした余韻に浸ることができた。
一生アオハル
原作の漫画が好きで、実写化を楽しみにしていました。漫画もそうですが、BLという少し特殊なジャンルに目を奪われがちですが、この物語から伝わってくるのは、夢中になれるものを見つけて一生懸命になるのに年齢も性別も国籍も関係ない!ということです。
私も趣味がたくさんあり、推しもいる生活なのですが、親にはいつまでそんな生活をしているのか?とよく小言を言われています。
だけど、この映画を見て、確信しました。
推しがいるから、人生をガンバレるって、素敵なことじゃないか??と。
推しがいるからこそ、行ったこともない場所に行ってみたり、友達が増えたり、興味のないことにもチャレンジしてみたり、、、自分の世界がどんどん広がっていく。
そしてそれは、何歳になって始めても楽しいんです!
雪さんが、推しを見つけて、友達ができて、世界が広がって、、、キラキラの笑顔がどんどん増えていくのを見ていて、涙を堪えられませんでした。
人は、いつからでも輝けるし、一生アオハルできる!そっと背中を押してくれるような作品でした。
誰かが誰かを応援している
芦田愛菜演じる女子高生と宮本信子演じる書道を教える老婦人がBLコミックを通じて友情を深めていく。
大きな展開があるわけでなく、もう少しテンポよくしてもいいかなと思うところもあったけど、いつまでも観ていられる。
(芦田愛菜じゃなかったら見ていられなかったかも)
幼なじみの男の子との関係性やBLコミック作者との絡みも、さらりとしていてよかったのかな。
芦田愛菜ちゃんは、表情、姿勢、歩き方、走り方、佇まいがすべて、見てるだけでこっちの口元が緩んでしまう。きっといいコメディエンヌになるだろうな。
ならないんだろうけど。
大きく変わることはないけど、いつだって誰かが誰かを応援してくれる。優しい気持ちになれる作品でした。
ふたりが歌う主題歌もヒットしてほしいな。
自分も縁側でお茶を飲んでるような
ほんわかほっこり心が温まる部分と。
背中の痒さに身悶えしてしまう部分と。
(多少の省略や改変はしつつも)原作の持ち味を生かしつつ、実にいい「日常もの」な映画に落とし込んでいました。
芦田愛菜ちゃんが、BLに恥じらってる「クラスメイトと打ち解けられない、自分に自信のない陰キャ」女子高校生・うららを見事に演じていて、これがよかったですね。
自分にとっては隠していた秘密の趣味のBLなのに、クラスの陽キャの子が同じBLコミックスを友達と教室で回し読みしてるのを見て「ずるい」って思うあたりとか。
急に「自分とは違う陽キャ」に話しかけられたらドギマギしてうまく話せず走り出しちゃう(しかも走り方が変)なあたりが、おたくあるあるすぎて、背中の痒さがすごかった。
原作通りとはいえ、一度も漫画を描いたことのない女子高生が突然同人誌即売会(コミティア)にサークルで申し込んじゃうあたりの勢いのよさは、実写で観ると無謀さが倍増しでした。
原作では陰キャというより、不器用で自分に素直な子、というイメージを抱いたのですが、これはこれでありかと。
同じ趣味だと年齢を超える、というところで雪(宮本信子)と対等な友達関係になるのが尊く。
タイトルの「縁側」は、作中では雪の家の縁側だったけれども、ああゆう陽だまりのような同好の士の集まる場所って貴重ですよね。
ふと、自分の趣味関係の先輩・年上の仲間たちの優しさと、年齢を気にしないお付き合いに助けられてきたな…なんてのを思い出してほっこりと。
部室、喫茶店、ネットの掲示板、イベント……
そしてなにより宮本信子さんが可愛らしい。
歳をとっても乙女、というのを体現されていて。
大きな事件が起こるような作品ではないのですが、なんだかこちらも縁側でお茶を飲んでるような気にさせられました。
僕が欲しかった友達は雪さんのような方
BLにはまったく興味ありませんが・・・
仕事終わりが遅くナイトショーで観てきました。
今日は気温も高く仕事の疲れがかなりあり着席してから上映までは眠気とたたかっていましたが始まってからは芦田愛菜ちゃんと宮本信子さんコンビの可愛いさと時折ある雑踏のボリュームアップや無音での孤独感の表現が気持ちよかったです。
あとは進行につれて張られた伏線をやたらに回収しないのもこの映画では後味の良さにつながっていると思いました。
観に行ってよかったです。
走る芦田愛菜
心地よかった
老婦人と女子高生の友情物語!
75歳の老婦人が女子高生とBLを通じて友情を深めていくお話。
好きな事を誰かと語りたい、知りたい、挑戦したい!好奇心や挑戦に遅すぎることはなく!
特に主人公の75歳の主人公。雪さんの行動力と新しい出会いに一喜一憂する姿は可愛らしく、BLの概念を知らなく女子高生のうららとのファミレスで嬉しそうに話す時のギャップに笑ってしまった!
思うような学生生活とBLの世界観に憧れを思い詰める、うらら思春期ということもありクラスメートとも距離を取るなどする彼女の親友になる雪さんとの友情も丁寧に描かれ、やりたい事への初めての挑戦や関係性が好きなBLの世界とリンクする場面ではグッと目頭が熱くなり、好きな事を語る愛らしい2人の友情をいつまでも見守り応援したくなった!!
同じ趣味がある2人
この作品に⭐️5 はつけられません 絶対に
面白みも工夫もないストーリーを芦田愛菜の頑張りと演技でなんとか映画の体裁に保てた1本。
極々普通の高校生をそれ以上でも以下でもなく達者に演じる芦田愛菜の芝居に敬服するばかり。 今頃の子が着ない服でダサい走り方まで愛おしくピカピカに魅力ある。
見事です。
2人の会話をもっと聞いていたい位、ほのぼのしている
変化変貌の縁側
#46 芦田愛菜ちゃんが上手い
さすが主役を務めるだけあって自虐的セリフや、クラスの地味キャラなど何をやらせても上手い。しかもエンディングテーマの歌まで上手い。
幼馴染にほのかな恋心を抱きつつも、その彼が自分の彼女を大好きなのを応援する姿が愛しい。
君といるから自分の形になれるって良い言葉だよね。
実際は60歳も年齢が離れた人との友情は生まれづらいだろうけど御伽噺として心が癒される一作。
全247件中、221~240件目を表示