「少女と老婆」メタモルフォーゼの縁側 Don-chanさんの映画レビュー(感想・評価)
少女と老婆
宮本信子さんが演じた”雪”の上品さと知性と積極的なところが素敵。
”うらら”も読者から作者へ、ラストの描写は明るい未来の世界線にメタモルフォーゼしたようにも感じる。
”コメダ先生”も何か変わった。
登場人物が皆、僅かかもしれないが確かにメタモルフォーゼしている。
個人的に、漫画を読んだり描くのが好きだった自分の思春期を思い出した。
今作の見どころは、雪が住む年季の入った庭付き縁側付きの一戸建て(の内装や装飾品)、それとは対称的な団地の雰囲気(とオブジェ等の置物)。
また、対称的なものが沢山登場する。
①貧富
②若者と老人
③学校におけるオシャレグループと孤立しているオタク
④本屋と同人誌即売会
⑤プロと素人
⑥漫画の中では男同士の愛の物語で
現実世界では女性同士の友情物語
少女漫画文化も丁寧に描いている。
「きょうは完璧な1日でした」「私も」というセリフで、爽やかに締めくくった雨の夜が印象深い。
最後、風に乗ってくるカレーの匂いに言及するシーンが好き。
コメントする