「「 ”はい”か”いいえ”で答えてくれますか?」 「はい」 「BL苦手な人は観ない方がいい?」 =>「いいえ」。 そんな事はありません。心が暖かくなるハートフルなお話です。」メタモルフォーゼの縁側 もりのいぶきさんの映画レビュー(感想・評価)
「 ”はい”か”いいえ”で答えてくれますか?」 「はい」 「BL苦手な人は観ない方がいい?」 =>「いいえ」。 そんな事はありません。心が暖かくなるハートフルなお話です。
何となく観るのを躊躇っていたのですが
気になるなぁ な感じも無くならず… で
結局鑑賞することにしました。
この作品
観る前に思っていたイメージと
観た後に感じたモノがだいぶ違うなぁ
というのが正直な感想です。
(良い方にブレました)
BLという題材や
年齢差のある二人の女性の交流
それがどんな風に描かれるのだろう と
ストーリー展開に一抹の不安があったからなのですが
要らぬ心配だったようです。
時に優しく、時には力を込めて。
人が人の背中を押す。
そんな暖かさに溢れた世界での
BL好きな女子高校生と
夫に先立たれひとり暮らしの老婦人との
心の交流を描いたお話です。
観て良かった。
◇
夫の三回忌の帰り道
本屋に立ち寄った老婦人が一冊の本を手につぶやく
「綺麗な絵だわ」
ページをめくる。 手が止まる。
「これは… キッス? しているの?」
「あらあら」
「まあまあ あらあら」
購入。
帰宅。
読書。
…。
「あらまあ。 続きは?」
再び本屋。
近くの店員に声をかける。
「この本の続きは あるかしら?」
アルバイト店員の女子高校生
(BLだわ それも私の好きな本!)
続きの本は在庫切れだったが
「取り寄せ出来ますけど」
「ぜひ お願いしますわ」
こうして
女子高校生(うららちゃん)の働く書店に
BL本に目覚めた老婦人(市野井さん)が
頻繁に買いにくるようになる
書棚のBL本を色々と紹介したりしたいる内に
いつの間にか交流が始まり
市野井さんの自宅まで自分のおすすめ本を持って
訪ねていくようにまでなるのでした。
そして ある日
「うららさんは 自分で漫画を書かないの ?」
「へっ ?」
これだけBLが好きなのなら
自分でお話を描いてみてはどうなの と市野井さん
才能がなければ描いちゃダメだなんて
そんなコト無いでしょ? …
そして
作品を書き始める うららちゃん
絵がヘタでもいい
自分の書きたいお話を作品にするんだ
そして出来た本
コミケに申し込んではみたものの
販売のブースに気後れして行けなかったり …と。
売れたのは結局2冊だけだったけど
その中の1冊を買った人が 実は…
と、まあ (長いなぁ すいません…)
こんな感じで進むわけですが
登場する人物に悪い奴がいない というか
みんな優しい良い人ばかり。
不思議な余韻の残る作品です。
ハートが暖かくなります。
重ねて書きますが、観て良かった。
満足です。
◇あれこれ
南瓜
カボチャを切ろうと
必死に包丁の刃を立てる市野井さん
固くてなかなか歯が立たない
…
そして食事の場面
市野井さんの後ろには
包丁が刺さったまんまのカボチャ (うわ)
カボチャが人の頭に見えて
ホラー感いっぱいの絵面でした… 怖い
芦田愛菜さん
演技はもちろん良かったのですが
走ると速いのにびっくり。
リズミカルに疾走する姿は、まるでペンギンのよう。
(フォームが可愛いのです)
走るシーンが出るたび注目して見てました。
何か体育会系の部活でもやっているのかな?
☆映画の感想は人さまざまかとは思いますが、このように感じた映画ファンもいるということで。
包丁が刺さったカボチャの横に金づちが置いてありましたね。大きい硬いカボチャは包丁を金づちで叩いても無理だったんでしょうね。すごく印象的。こうゆう細かな描写がとても好きです。BLの漫画は非常にマイルドなので、BLは嫌いという女子に敬遠されないで、たくさんの女子に見てもらいたいと思います。老婆心ならぬ、老爺心です。