THE FIRST SLAM DUNKのレビュー・感想・評価
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スラダン初見でも楽しめる最高クオリティのアニメ映画
スラムダンクは漫画もアニメも見たことがありません。有名な作品ですので、ざっくりとあらすじを知っている程度の事前知識でした。未読の漫画の映画化作品なので、正直観るかどうか迷っていたのですが、あまりに評判が良いので公開から3カ月も経ってから、今更ながらの鑑賞です。
結論ですが、スラムダンク初見でも全く問題なく楽しめる傑作アニメ映画に仕上がっていました。
原作を知っていれば分かるような小ネタがあちこちに散りばめられていたらしいですが、それが分からなかったとしても面白さが減衰することはありません。もしも以前の私のように「スラムダンク読んだことないから映画も観ない」って方がいらっしゃるなら、その選択はあまりにも勿体ないと伝えてあげたいです。
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1990年から1996年まで「週刊少年ジャンプ」に連載された伝説のバスケ漫画のアニメ映画。沖縄で生まれ、優秀なバスケプレイヤーだった兄の影響でバスケを始めた宮城リョータ(仲村宗悟)。兄の死をきっかけに神奈川へと転校した彼は、バスケ弱小の湘北高校へと入学する。二年生に進学した彼と、入学時とは見違えるほどに成長した湘北高校バスケ部が、全国大会連覇の王者・山王工業に挑む。
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本来、主人公は赤髪坊主の桜木花道です。それはスラムダンク未読の私でも知ってます。しかしこの映画の主人公は、明らかに宮城リョータです。つまり本作は、「スラムダンクの映画化」というよりは、「スラムダンクを別視点から描いた映画」と呼べるかもしれません。原作ファンの方々のレビューも拝見したのですが、皆さんここに驚いていましたね。原作での宮城リョータはキャラクターの掘り下げがあまりされていない人物だそうですが、この映画では紛うことなき主人公でした。
そういえば、野球漫画の『MAJOR』でも、主人公の吾郎が野球部のない高校に転校して、野球素人たちを集めて野球名門高校に戦いを挑むというシーズンがありましたね。本作の宮城リョータは『MAJOR』の主人公の吾郎と全く同じことをしています。弱小高校に入学して、王者に挑む。めちゃくちゃアツい展開ですね。バスケの師匠でもある兄のソータが掲げた「山王を倒す」という目標に、弟のリョータが挑む。過去の因縁に決着をつける最高のストーリー。話の概観は同じでも、原作とは違う目線で描くことで新鮮さがあり、尚且つ初見でも楽しめる作品になっていました。多分原作通りに花道を主人公にして、特訓のシーンとか流川との因縁とかを描いていたら、映画の尺に収まりきらなかったでしょうから。
また、多くのレビュアーさんがおっしゃるように、映像も素晴らしかったですね。
本作は3Dアニメーションによって製作された作品ですが、私が今まで観てきた3Dアニメ作品って、なんだか観ていて違和感を感じることが多かったように感じます。しかし本作では、そういう3Dアニメ特有の違和感が全くと言っていいほどありませんでした。映画のどの瞬間を切り取っても、井上先生の描いた漫画から飛び出してきたような映像になっていました。
とあるCGクリエイターさんがおっしゃっていたんですが、よくできたキャラクターフィギュアでも角度によっては違和感を感じる(そのキャラクターに見えない)ことがあるように、3Dアニメでは一つの3Dモデルを作ってそれを動かしただけだと、キャラクターの角度によって観客が違和感を抱いてしまうそうです。そのため、おそらく本作では色々な角度ごとに3Dモデルを何種類も作成して、シーンごとに使い分けしているようです。これは非常に地道で骨が折れる作業でしょうし、おそらく原作者であり本作の監督も務めた井上雄彦先生が強くこだわった部分でもあると思います。
声優の交代に関してファンの中で賛否両論あるらしいですが、私は過去のアニメシリーズを鑑賞していないので全く違和感なく鑑賞することができましたね。私も声優オタクの一人として、批判している方の気持ちも理解できます。しかしながら、30年も前のアニメと同じ声優を用意して同じ役をやらせるというのは、年齢による声質の変化もあるでしょうから難しいんじゃないかなというのが正直な見解です。スラダン初見の私から見れば、声優変更はプラスに働いているように感じました。
非常に素晴らしいアニメ映画でした。公開から4カ月が経過し、間もなく上映も終わりそうな雰囲気がありますので、観たことない方は早めに劇場での鑑賞をお勧めします。
すまん音楽が好みじゃなかったわ
3D部分に関しては流川の顔だけアレ?こんなんだっけ?って印象がつきまとったが概ね原作の雰囲気のままだったと思う。試合に関しては最後の展開の時以外にはエフェクトと呼べるエフェクトがなくて非常に淡泊というか言い方を変えるとリアルというか。映画の内容としては途中に何度もリョータの回想が入るのは正直邪魔でしか無かった。はよ試合の続きみせろよって。今いいとこだろって。みんなクライマックスの展開で高得点つけてるだけなんじゃないのかって思う。ラストを除くクライマックスの展開は良いと思う。
ただ、音響施設のせいなのか客席の場所が後ろだったせいなのか分からんけどセリフをクソどうでもいい音楽でかき消すようなシーン多すぎませんか?今しゃべってるんだからバックの音楽抑えろよって。あとはOPの演出に流れる曲もスタッフロールで流れる曲も好みじゃなかった。これは個人の好みで最近の音楽を聴いてないオッサンだからってことで良いとは思う。自分の耳だと雑音に聞こえるってだけで。
不自然な間延びした映像が皆無
漫画と違ってアニメは台詞をリアルタイムで聞かせるので、スポーツものやバトルものは不自然な間延びした映像がありがちなんですが(某鬼退治アニメとか)、この作品には皆無です。
試合中は安易にスローモーションを使いすぎず、トップレベルの試合の臨場感そのままに必要最低限に台詞をバンバン絡ませてきます。
試合シーンが凄かったんですが、主人公である宮城リョータを中心とした回想シーンは良い話ではあるんですが、今となっては色んな作品でよく見る葛藤シーンって感じで、あくまで作品全体のバランスを取る箸休め的な印象でした。とはいえ一級品の作画・演出です。
とにかくどんな形でもいいので、山王戦を映像化し、ラストのハイタッチの音を実現してくれたことに感謝です。
想像を遥かに上回る名作
正直、観ようか迷った。
私にとってスラムダンクは青春。
最高のカタチで記憶に保管され色褪せないものが、一歩間違えれば汚されてしまう可能性を感じていた。
しかし友人たちの圧倒的な推薦により観に行った。
結果、本当に素晴らしすぎた!!!
ストーリーは原作クライマックスの山王戦だが、
宮城の背景を中心に描かれていた。
原作を、そしてキャラクターの格を下げるどころか、自然なカタチでより深みをもたらすストーリーは感動。
映像の美しさと音楽の迫力、
そして描写も最近流行りの解説的なセリフなどなく、表情や慣性で描かれている。。。
最近の映画では、ダントツの作品でした!
かっこいい
ストーリーとしては、バスケではなく、個人のストーリーですね。だから仕方がないのですが、回想シーンが凄く多いです。
似たようなシーンが繰り返されるのが、チョットくどい感じはありますが、逆にそこがバスケのシーンを面白くしているのかもしれません。
バスケ自体はアニメでは珍しく凄く臨場感があります。
花道の「オヤジの1番輝いてた時」のセリフは震えます!
1番遠い観客だと思われましたが、面白かったです
(ネタバレですので鑑賞後にお読み下さい)
個人的には、漫画「SLAM DUNK」も通ってないですし、バスケットボールにもほとんど興味がないので、観客としては1番遠い人間で、全く良い観客ではなかったとは思われます。
しかし結果的には大絶賛の周りの評価に違わない、大変面白い映画だと思われました。
勝手に自分の解釈に引き寄せて感想を書くと、
1.問題が解明されなければ人は救われない
2.現実で己の存在が実現証明されなければ人は救われない
との2つの考えがあると思われます。
情報過多の現在では、必然的に日々現実で起こっている様々な問題があらゆる角度から検証され解明されて行っていると思われます。
つまり、現在では前者の1「問題が解明されなければ人は救われない」を避けて作品を作るのはかなり困難だとは言えます。
ところがこの映画『THE FIRST SLAM DUNK』は、2「現実で己の存在が実現証明されなければ人は救われない」にある意味振り切った作品だと思われました。
もちろんこの映画での主人公・宮城リョータの家族関係や、他登場人物の人物背景もきちんんと描かれてはいます。
しかしあくまでそれは人物背景であって、彼ら彼女ら自身がそれぞれの内面の問題に言及し共有し解明することで内面の問題を解決することをこの映画は拒否しているとさえ言えます。
あくまで漫画「SLAM DUNK」の原作者で映画『THE FIRST SLAM DUNK』の井上雄彦監督は、2「現実で己の存在が実現証明されなければ人は救われない」との考えに振り切ってこの映画の表現をやり切っていたのだと思われました。
これが、情報過多であらゆる事が食い荒らされているかの如く様々言及解明されている現在に於いて、映画『THE FIRST SLAM DUNK』が作品として特異に存在している理由だと思われます。
あくまで自身にフォーカスしてやり切るこのような作品は、実は現在ではかなり困難だとも思えるのです。
私個人は、”漫画の絵がそのまま動き出せば理想なのに”、を歴代で初めて実現させた映画だとも思われました。
おそらく井上雄彦監督自身も、映画作りの中で己にフォーカスし続けて、漫画原作としての理想の作品実現としても完成に漕ぎ着けたのだと思われます。
己にフォーカスし続けている人達を、様々な場面で足を引っ掛けて無効化しようとしている情報過多の現在の中で、己にフォーカスし続けて良いんだという、井上雄彦監督による観客人々への応援歌にもなっているようにも思われました。
映画『THE FIRST SLAM DUNK』は現在に現れた特異で振り切った力ある作品だと思われました。
バスケットボールに何ら興味を持てない私としても、これは評価されるのは当たり前だと思われる理想の傑作だと思われました。
攻めまくった意欲作
原作は何度も読み返したがアニメは見てない原作ファンとしては、ほぼ最高の出来。CGのヌルヌル感はないですが、山王戦の頃の作者のタッチをほぼ完全に再現した作画は映像表現として必見。
一方でかなり独特な作りをしており、試合は体感で半分ほど、原作の名シーンのダイジェストに新しく宮城を中心とした各キャラの回想を挟んで構成していて、スラムダンク初見の人ははてなマークがかなりつくのではないか?スラムダンク程のコンテンツなら原作未読の人を切り捨ても問題ないと判断したのか?私の同世代でスラムダンクを読んだことのない人は聞いたことがないくらいの作品なので間違いではないと思うが、経緯や流れをかなり大胆に切り捨てており、未読者はかなりの脳内補完が必要なはず。
総じて、置きにいかずかなり攻めた作りをしており、少し方向がずれたら大批判されるところを絶妙に着地させていて、自分がクリエイターならこんな冒険は出来ないな、と思わせる作品でした。
試合だけで観たい
まずは山王戦を映像化してくれたことに感謝。
リョーちんパートは良いお話としてまとまってたとは思う。
しかし山王戦として観ると…、いかんせん試合シーンが良すぎて、間に挟まる回想が邪魔なCMのように感じられる。
試合シーンはテンポも描写も、本物の試合をさらに映像としてかっこよく編集したという感じで、手に汗握るし臨場感が凄かった。ゴールすると思わず拍手したくなるくらい。
映画館で見る価値があるし、出来るなら音響の良いところで見るほうが良いと思う。
ただ、山王戦はみんなのこれまでの積み重ねの試合なわけだから、原作履修は必須。花道と流川の掘り下げがほとんどないから、最後のゴールのカタルシスが、映画単体では「ただの逆転ゴール」に見えてしまうのはもったいなかったな。
試合シーンだけにした企画映像があったらぜひ欲しい。
スラムダンクはリアルに“試合”を描いても魅せられる作品だった。
宮城のパスや切り込むスピード感、沢北や流川の格の違いが分かる動き…最っ高でした。何より興奮したのは「試合」そのものです。
原作ではモノローグと共に動いていたボール。映画ではバスケットの試合が真っ向勝負で描かれた。これらが非現実的な動きで楽しませるアニメ描写ではなく、極めてリアルな動きの中でアニメーションが活きている。
「リアルに“試合”を描いても魅せられる作品だった」ことにもっと賞賛の声が上がってもいいのではと思いました。あと純粋に、単純に、彼らが実写のような凄まじいクオリティーで動いている山王戦が見れて凄く嬉しいです。
裏を返せば、積み重ねてきた「意味を持つ」ボールの動きに付随していたモノローグは自分で補完しなければならならない。また漫画を読まなければと自然に思わせる構造と捉えると、上手いなと思います。こっちで補完さえできれば何の問題もないし、むしろ楽しかったです。
表現したいことが明確で、いさぎがよく、この作品は「原作の映像化」を目的とした映画ではない。その決断含めかっこいいと思える作品の作り方でした。
初見層は、山王戦だけを観てもここへ至る過程を知らないため感情移入できません。
「宮城の過去を振り返る物語」と交互にすることで、少なくとも宮城に気持ちを乗せて「試合」を描いた山王戦に入り込むことができる。試合と回想がぶつ切りになり白けない絶妙なタイミングでの切り替わりも、凡人にできる技ではなかったと思います。
ここも賛否あると認識しつつ、ピアスが存在するので裏設定は元々あった中で、明かされることがなかった宮城のバスケットをする理由が描かれるという面では、既存ファンへのサプライズでありプレゼントでもあった。
強いて挙げるのであれば、スラダンは「徐々に覚醒する流川のプレー」の描写が凄まじい魅力があると思っているので、その点がもっと際立っていてもよかったのになと思いました。
その代わり沢北がNo.1プレーヤーたる描かれ方をしていて、アニメーションとして物凄くかっこよかったです。お調子者っぽい人格も出てこないので、より凄さが際立っていて尚よかった。
「09年に東映アニメーション内に正式にプロジェクトチームができた」のだそうです。実に13年。
途中で諦めや妥協が生まれても不思議でない年月を経て制作されていること、心を動かしてもらった一人として重く受け止めたいし、この熱量の作品を観ることができる文化を守るためにも、作品へのリスペクトは必要なことで、批評には品性を持ちたいなと思います。
試合のシーンはいい‼️
アニメをネトフリでみてから鑑賞
漫画もアニメも当時見ていたが
結構忘れていたので
山王戦が舞台のため
復習していないとではだいぶちがうと思います。
映画オリジナルのリョータストーリーは
悪くは無いけどだるいとも思いました。
やっぱり桜木花道とかのストーリーが
薄いが復習しておけば
泣けること間違いないから
それ込みでみるのが正しいのか?
試合のシーンは
バスケ経験者も納得のかっこよさでした。
音楽も良い。
スラダンという作品
学生の頃から大好きだったスラムダンクで心残りだった、山王戦の映像化が観れた点について満足です。
ただ映画公開前に炎上したことが、大変残念。。。
色々と複雑です。。
ヤヴァイ!!サイコー!!
自分、実は今までスラムダンクを見たことが無く周りが話してるのをなんとなく聞いてた程度の知識でした。
そんで何故かこの映画を観てきました(笑)。
けど思わず「ウォーー‼︎」と館内で叫びそうになってしまうくらいアツク見入ってしまいました😭
舞台は山王戦で所々に宮城のエピソードが出てくる…と、文に書くとシンプルなストーリーなんですが(ネタバレすみません)。
けどもうみんなカッコよすぎ!試合アツ過ぎ!
宮城の切ない過去とバスケへの特別な想いに感動!今回やや控えめな登場ながらしっかりキャプテンやってるゴリ!流川はもう説明不要のカッコ良さ!けど単にスマートなだけでなく…アツいんだよね(語彙力失礼💦)。ここぞという時に出てくる桜木のミラクルと根性がヤバイ!ただ個人的に一番シビれたのは三井なんです。本人は勿論チームもヘトヘトな時に見せるあの底力!特に連続3Pを決めた時にゼロ感のイントロが流れた時はもう失禁しそうな程のシビレ具合‼︎反則級のカッコ良さ‼︎
…かなりネタバレしてしまったか😅とにかく予想の遥か上をいく最高傑作でした💪
控えめに言って最高
思えば連載開始から見ていた漫画で何十回と見返した作品
ちょうどアメリカではジョーダンが席巻していて個人的にはバスケが熱い時期だった
あの時知れなかった、見れなかった生い立ち
あの時知りたかった、見たかった感情
全部のキャラクターがお気に入りだが宮城リョータは1番の推しだった
これは単なるスラムダンクの映画ではない
あれから数十年経ってやっと観れた紛れもないスラムダンクの新作だ
FIRSTと冠が付いているが個人的には
SECONDで赤木と三井を
THIRDで桜木と流川を
FINALで山王戦の後を作ってほしい
かつての原作と同じく何度でも観たくなり何度も心を揺さぶられる名作だと思う
あの時漫画を読みながら想像した試合がまさに展開されていた
100回は観よう
裏テーマは、母と子の物語
オープニングかっこよかったっすねー。
バースデイ好きなんで、テンション上がりました。
試合の運びもリアリズムがあって好きでした。
試合作りをするポイントガードである、りょうちんを主軸に物語を進める事で、すごく物語に入りやすくてよかったです。
主役でありながら、コート上では我々と同じ客観的な視点なので、原作知らなくてもキャラクターが理解しやすかったんじゃないかな、と。
更に観客と同じ目線に立たせる事で、説明臭くならないっていうのがよかったです。
表のテーマは、山王戦でのチームの絆なんすよね。
5人の主人公の見せ場がそれぞれあってカッコよかったすよね。
やっぱり、みっちゃん好きですわ。桜木は漢ですわ。
さてさて、ここからは裏テーマの話です。
今作はこの裏テーマこそが肝なんじゃないかと。
回想シーンが裏テーマなんすよ。
りょうちんのバックボーン。
暗くて賛否あるみたいですが、私は良かったと。
母と子の物語なんすよね。
ある事件がきっかけで壊れていく家族。しかも2回も。
絶望的…
りょうちんがケーキのネームプレート砕くとこ。
胸が苦しくなりますって。
りょうちん自身、『ああ、壊れてんだな。俺には何も出来ないんだな』
いや、違うんですよ。
りょうちんの諦めない心が、家族を修復するんです。
母ちゃんがホームビデオを見ているシーン。
母ちゃんは何があっても子供が大好きなんです。
兄から渡されたタスキ。
そのタスキにすがりつかなくても、前に進める。
過去に囚われてちゃ駄目なんすよ。
だから、タスキを母ちゃんに渡したんすよね。
もう大丈夫って。
今作は、マジでお母ちゃんと見にいってください。
お母ちゃんにありがとうって言ってあげてください。
そんな映画でした。
原作ファンの私は面白かったけど、、、、
あくまで原作ファン向けです。
私の価値観ですが残念ながら一本の映画、芸術作品としては成立しているかどうかが微妙なところ。
原作漫画やアニメと連動したシリーズ物としてとらえればもう少し評価は高いと思いますが、あくまで一本の自立した映画として評価すると全体的にかなりチグハグな上に不完全な印象が強いです。
もしスラムダンクを知らない方に観るべきか聞かれたら「スラムダンクは素晴らしい作品です。しかしせっかく興味を持ったならば、是非先に原作を読んでそれから映画を観て下さい」と伝えると思います。感動も興奮も全て、原作を読んだ下地ありきで制作されているからです。この作品を先に観てしまうのはかなり雑なネタバレになりますので非常に勿体ない。
〈以下ネタバレ含む〉
宮城リョータを主人公にした仕掛け自体は見始めは悪く無かったのですが、本来が(名)脇役で、試合展開自体は完璧に原作をなぞっていますので終盤に行くにつれて無理が出て来ます。リョータ主人公の設定は破綻。やはり主人公は桜木花道。試合を決めるのも花道。何も知らずに観た人は「ん?主人公、誰??」て確実になると思います。
また、リョータの生い立ちを含むプライベートの新ストーリーがこの映画版の一つの見どころだと思うのですが、そこが少々ベタな上に雑に感じてしまいました。「兄ちゃんにはコテンパンにやられたけど、弟のお前は大した事ないな」と相手チームの選手に言われた事を考えると、兄のソータとの歳の差が3つはおかしい。そしてそもそも死んでしまう事が見ていてすぐに想像出来てしまった。お母さんは暗すぎだし普通に結構酷い親。あまり感情移入出来ませんでした。その辺りは私にとっては映画としての重大な欠陥でした。
リョータ主人公設定は最後のアメリカ行きで何とか取り戻しますが、このくだりもかなり唐突で微妙に感じました。何故なら原作で安西先生が試合中に「見てるか谷沢?」と感動していたのは花道と流川に対してなのですから。それはつまり花道と流川のアメリカ行き(はたまたNBA入り?)の可能性を示唆する描写でした。あのシーンが素敵なだけに、その2人の山王戦後を全く描かずにリョータがアメリカと言うのは、原作の持つ良さに惹かれている人間としては「??リョータが???」となりました。
スラムダンクの作品の特徴は「スポーツにおける体格を含む才能の残酷さ」を全く隠さずに赤裸々に描いている点です。自身を「天才」と連呼する桜木花道は実際に体格や身体能力の点で紛れもなく「天才」で完全なるド素人から数ヶ月でインターハイの舞台ですら突出した選手に成長します。子供の頃からずっと地道な努力を続けてきた選手達を簡単に追い抜いてしまうのです。
しかし映画版スラムダンクはリョータを主人公にした為か「小さくても諦める事はない。信じて努力すれば夢は叶う」という全く別の方向性にブレてしまった様な気がします。実際に連載終了後に田臥選手の快挙がありましたので、その辺りに影響を受けたのでしょう。でも原作の本筋は貫いて欲しかったなー、というのはイチファンの感想です。
スラムダンクは絶頂のところで突然ストーリーが終わるという異質な作品でした。その為に伝説的な作品となったのかも知れません。
しかしだからこそファンは様々な想像をしたのです。湘北はあの後どうなったのか?バスケ強豪校に変わっていったのか?花道と流川は?アメリカやNBAに挑戦したのか?どこまで行けたんだ?と。
「原作者が監修するスラムダンクの映画が出来る」と聞いた時に、その辺りに対する井上先生のアンサーが少しはあるのではないかと、期待したのは私だけでは無いハズ、、、、
エンドロールが終わる瞬間までその期待は持ち続けましたが、最後までそこは描かれませんでしたね。
やはり流川と花道の可能性は読者の想像にお任せのスタンスの様です。それはそれで井上先生らしいのですが、、、何か少しでも見たかったな、、、
とは言えリョータのアメリカ行きは、初めてのインターハイ後の彼の急成長を意味しますよね。弱点だったシュート力を克服し、一気に攻撃型PGの才能が開花したのかも知れません。(そうじゃないとアメリカは多分厳しい)
チームとしても、高1にして全日本入りした流川と怪我から復帰した花道もいる。あれだけ感動的な試合をしたチームです。ディアボーイズ的な書き方をすると、きっと新一年生にも才能ある選手が入って層も厚くなったハズ。湘北はもしかしたら翌年のインターハイでは全国制覇を成し遂げて赤木に捧げたのかも知れません。
そうじゃないと、アメリカで沢北のマッチアップは務まらないでしょう。
とまあ新たな妄想も膨らんだところで、やはり一つ言いたいのは井上雄彦先生への感謝ですね。
最初に書いた様に一本の映画としての完成度がどうかはともかくとして、イチスラムダンクファンとしてはとても楽しませて頂きました。
特にあのクオリティでの山王戦のバスケシーンのアニメーションは感動しました。三井寿の美しいシュートフォームがオフボールの動きからフォロースルーまで完璧に再現されています。震えました。
更に花道の安西先生へのタプタプは最高でしたね。笑
井上先生、ありがとうございました!
はじめてのスラムダンク
2023年映画館鑑賞7作品目
2月12日(日)イオンシネマ石巻
ACチケット1000円
原作未読
アニメ未鑑賞
原作脚本監督井上雄彦
過激な原作原理主義者は原作者にも噛みつくのか
正直驚いている
報道によれば大ヒットした要因は徹底した原作主義が多くのファンに好意的に受け入れたからだという
しかし一部だが読者のおかげで生活できるのに偉くなったもんだなどという不満タラタラのレビューがあったがファンではなかった自分でさえそれには不愉快な気持ちになった
そういえばモンキーパンチがルパン三世の監督をやったときルパンのある行為にスタッフから「ルパンはそんなことしません」と反対されたそうだ
考え方は様々だが作品は作者のものであり読者のものではないと自分は断言する
いくら漫画に感銘を受けても作者をリスペクトできない人は嫌いだ
ハリーポッターの作者のようなケースならまだわかるが
原作もアニメも全く思い入れはない
声当てがガラッと変わっても元を殆ど知らないので気づかない
バスケットボールというスポーツそのものが興味ない
ボールが硬すぎて小学生のとき突き指して嫌いになった
当初は映画館で観る予定ではなかったがいろいろあり仕方がなく観ることにした
絵が綺麗
そこだけに限れば宮﨑駿や新海誠を凌ぐ出来
BGMも良い
神奈川県代表湘北高校対秋田県代表山王興行高校の対戦がメイン
劣勢から追いつき逆転さらに逆転
赤毛が主人公だったと思うが今回なぜか沖縄出身で神奈川に引っ越してきた宮城が主人公
彼は父と兄を亡くしている
全く詳しくないので太ったメガネのおじいさんは校長だと勘違いしていた
監督だったのね
バスケットはヘッドコーチっていうのかな
生ダラのキーパーの人みたいに随分と太ったね
山王工業の4番が無表情で気持ち悪かった
市役所の寄生獣っぽい
スポーツ漫画にヤンキーを絡めるのは昔からよくあるがあまりにも安易だ
エンドロールのあとに1カット
スラムダンクは特に興味はなかったがそんな自分でもまずまずの出来だと思う
【スポーツアニメ、全部これでいいじゃん】※超長文
まず前提として、全国公開している映画である以上は一見さんお断りの単なるファンムービーではなく、大衆が楽しめる映画なのかという観点で考えている。
また私自身原作ファンではあるが、一部のファンの“原作漫画との間違い探しをしているだけ”的な感想は、映画レビューとしてはほとんど無意味だと思っている。
そもそも公開前から井上監督は「新たな視点で描いたスラムダンク」と明言していたし、原作と同じであることと映画が面白いかどうかは全く関係が無いし、原作漫画と違う点があったら駄目というのはあまりにも原理主義的または懐古主義的だと思うからである。
“1本の映画としてどうだったか”という観点で語っていく。
とにかく題名の通りなのだが、そう思ってしまうほど圧倒的な映像表現だった。
線画がアニメーションに変わっていくあのオープニングが示す通り、井上雄彦の漫画がそのまま動き出す。
それも平面的に絵が動くのではなく、奥行きのあるコートで選手達がリアルにバスケの試合をしている。
それをフィクションでしか撮れないようなカメラアングル、音響、演出で見せてくれる。
今まではどんなに有名なスポーツアニメでも選手の動きがカクついたり、メイン以外の周りの選手の動きが止まっていたり、腕や脚がムチのように異常にしなったり、そういう表現も「まあ、アニメだし」という妥協込みで楽しんでいた。
しかし今作はそういう妥協を一切感じずに観ることができた。
モーションキャプチャを使い、バスケ選手達が実際に湘北vs山王戦を再現し、その動きをアニメーションに落とし込んでいる。
しかしそのままでは使い物にならなかったため、井上監督本人が恐らくほぼ全てのカット手描きで細かい修正の指示を出し、それを元にアニメーターが手直しをしている。
そうした作業を何度も繰り返して完成した試合シーンは、まさに2Dと3Dの良いところ取りをしたハイブリッドなアニメーションである。
リアルなバスケの動き、アニメ的なタメやツメ、漫画的な効果線、それらが絶妙なバランスで組み合わさり迫力と臨場感を生み出している。
特にそれらの表現が凝縮された試合終盤、徐々に音が無くなっていくシーンは思わず呼吸を止めて見入ってしまう。
満員の劇場で誰1人として呼吸音すら漏らさず、皆が固唾を飲んで見守っているという感覚が味わえたのは人生で初めてだった。
一方観客の描き込みはコート内に比べると薄めだが、観客は薄めないと画面がごちゃついて肝心のコート内にピントが合わない。
わざわざコストをかけて選手の動きを見辛くする必要はないだろう。
他の有名なスポーツアニメでも、それほど観客を描き込まないのには同じような理由があるのだと思う。
次にストーリーについて。
湘北と山王のメンバーそれぞれの活躍を描きつつも、宮城リョータのストーリーという1本の軸を通すことで映画としてのまとまりが良くなり、スラムダンク初見の人でも理解しやすい内容になっているのが素晴らしい。
単行本31巻かけて描いた桜木花道の物語を映画の尺にまとめるのは無理があるため、どのような脚本になるのか興味深かったが、潔く主人公を変更し映画用に物語を再構築したことで1本の映画として完成度を増している。
背が低く、言ってしまえば凡才である青年が壁を乗り越えようともがくストーリーは単純明快であり、2時間という限られた尺の中でまとめやすい。
また、原作で宮城は湘北スタメンで唯一その背景を描かれてこなかった人物のため、彼を深掘りするということが理にかなっている。
周りを常によく見ているポイントガード(司令塔)の視点から、周りのメンバーを同時に描きやすいという利点もある。
試合と回想を交互に描いていく構成については、試合の盛り上がりのブレーキになるという意見も少しわかる。
しかし個人的にはあれで良かったと思う。
ただ1試合を描いて終わりではなく合間に回想を入れることで、登場人物達の人間性やドラマを知ることができるため、徐々に彼らに感情移入していく。
「挫折や喪失の痛みを乗り越える」という意味が試合に加わり、1つ1つのプレーがよりドラマチックになる。
特筆すべきは、試合の時間軸と回想の時間軸が重なり、10-FEETの劇伴とともに宮城がプレスを突破するプレーだろう。
心の壁をぶち破ると同時にプレスをぶち破るという演出に、大きなカタルシスを感じて身震いした。
そういったものを感じられるかは映画やアニメに期待している1つの要素なのだが、今作は構成の妙によってそれを実現していた。
原作からの取捨選択も上手い。
山王戦前半は控えめに描き重要な後半をガッツリ描いていること、ファン以外が理解できないシーンは削られていること、
例えば
・魚住のかつらむき
・桜木「大好きです。今度は嘘じゃないっす。」
などは削られている。
いち原作ファンとしてそれらは非常に好きなシーンだが、今作ではそこに至るまでの前フリ自体がなく、初見では訳がわからないシーンになってしまうので削って正解だろう。
その代わり、魚住がかつらむきをしたであろうシーンの前後でしっかり席を移動していたり、海南、愛和、大栄、テツ沢北などが観戦していたり、ファンだけが気付くカットは散りばめられている。
初見勢のノイズにならない範囲でファンサービス的なカットを入れているのがスマートである。
一方、桜木が怪我を押して試合に出るという部分は現代の倫理観に反しているから変えてほしかったという意見も稀にあるようで、なるほどそういう考えもあるのかと思った。
しかし私はその部分については2つの理由で許容できている。
1つは、安西先生が桜木を出し続けていたことを懺悔し「指導者失格です。」と言っていること。(おまけに最終盤でもう1度桜木を交代させようとしている。)
その行為自体は否定的に描いているためだ。
もう1つは、競技としてスポーツに本気で打ち込む人なら、絶対に勝ちたい試合があれば怪我をしようが体が動く限りプレーするのがリアルだと思うからだ。
NBAファイナルでマイケルジョーダンが高熱を出しながらプレーしたり、スコッティピッペンが腰痛に顔を歪めながらプレーしたりして、シカゴ・ブルズを優勝に導いたように。
それらは現代でも名シーンとして語り継がれているし、時代関係なく人々を感動させるものなのではないだろうか。
ここではたまたま私が詳しい領域であるNBAを例に挙げたが、アマチュア選手であっても同様だと思う。
映像、脚本、構成などの話は終わり。
最後に、原作にはない映画だけの要素について個人的に印象深かったものをザッと書き出していきたい。
・宮城が試合残り1分でスタメン達に円陣を促し指示を出すシーン
・宮城が最後のオフェンスで赤木→流川へのスローインを誘導するカット
宮城が司令塔として成長したことを実感できるシーンだし、たった1カット足しただけで彼が最後までオフェンスの起点となっていたことが分かる。
ラストプレーでもしっかりと主人公としての存在感を放っていた。
・沢北が神社でのお参りを思い出して泣くシーン
必要な経験が“敗北”だったという伏線回収。
堂本監督の「負けたことがあるというのがいつか大きな財産になる」というセリフにも繋がる。
また、沢北が涙を流す前に一瞬鼻を震わせる表情の描き方が上手い。
このシーンに限らずではあるが、今作はキャラが思っていることを逐一口頭で喋るような説明過剰なところがない。
身体動作や表情で人物の感情を表現するのが上手い。
・声優の演技
2次元のキャラクター的な演技ではなく、井上雄彦が描く写実的な登場人物に合った演技なのが良かった。
・ソータのバッシュとボールの色
黄と紫の2色はNBAのロサンゼルス・レイカーズのチームカラーと同様である。
わざわざこの配色にしたのには何かしら理由があると思う。
これは2020年にレイカーズのレジェンド、コービーブライアントが事故で亡くなったことに対して、さりげなく追悼の意を示しているのではないだろうか。
バスケファンとしては、ソータとコービーを重ね合わせてよりグッときてしまう。
・ラスト
アメリカのプレップスクール(もしくは大学)でプレーしている沢北、その視線の先には兄が亡くなった海を越えアメリカに挑戦しにきた宮城がいる。
これ以上ない締め方だった。
現実でも田臥選手がNBAでプレーしているし、スラムダンク奨学金によって低身長の選手などが渡米し日本人対決も実現している。
現実でも起こっていることだからこそ納得感があるし、山王戦を乗り越えた宮城がその舞台に立っていることが感慨深い。
現実でいう八村選手や渡邊選手、スラムダンクでいう桜木や流川のような逸材はほんの一握りだが、宮城のような言わば普通の選手でも努力すればアメリカに挑戦できるチャンスがあるから頑張れ…という監督なりのエールが込められているように思えた。
連載当時、アメリカ挑戦を否定的に描いてしまったことを後悔していたという監督が施したアップデート。
連載終了から25年以上経った今だからこそ描けたものだし、わざわざ映画を作った意味がこのシーンに詰まっているように感じた。
総括
「バガボンド」や「リアル」を経た監督が描く人間ドラマと、世界一のスポーツアニメーションをまとめて観ることができる最高傑作。
間違いなく人生ベスト級。
今作を生み出してくれた井上雄彦さんはじめ制作陣の皆様、ありがとうございました。
その他、好きなオリジナルシーン雑メモ
・宮城と三井の1on1
・宮城から桜木へ「待ってたぜ問題児」
・赤木が目を開けると湘北スタメンが覗き込んでいるところ
・秘密基地でリョータがソータを思い出してひとしきり泣き奮起するところ
・彩子「手のひらを見るとか」
・ユニフォーム姿のリョータがソータよりも歩を進め母を抱きしめるところ(兄を超え山王を倒すことの比喩)
・手紙「母上様」
・過去と現在がリンクしていき宮城母と彩子の「行け!」が重なり「ドリブルこそチビの生きる道なんだよ」に繋がるところ
・ずっとゲームをいじってた少年が終盤で試合を見ているところ
・ソータの死を受け入れた宮城母がリョータから赤いリストバンドを渡され海を見渡すところ
試合シーンはめっちゃよかったけど暗い過去パート多すぎてキツイ
試合のシーンとかオープニングの演出とかはクオリティ高くてなんの不満もないです。
ただ頻繁に挿入される宮城の過去シーンは、最初はみてられるんだけど後半も頻繁に出てきて、正直原作のギャグのノリとかカラッとしたのが好きな自分としては「またか…」ってなって過去パート入るたびに萎えてました。
大人になって沖縄に帰ってお兄ちゃんのリストバンド見つけて立ち直るところまでかいたらもう母親パートとかいらんかな。と思う…
陰湿としてるのは車椅子バスケの「リアル」のほうだけにしてスラムダンクはスラムダンクでわけてほしかったですね
試合シーン5点で宮城の過去パートウンザリ減点1.5点で3.5点かとおもいます。原作通りにこのクオリティでやってたら五点満点でした
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