「原作や昔のアニメをイメージしたらダメ」THE FIRST SLAM DUNK Tomoさんの映画レビュー(感想・評価)
原作や昔のアニメをイメージしたらダメ
スラムダンク以降の井上さんの作品の落ち着いた雰囲気になってる。
うちの旦那は今でもアニメを繰り返し視聴してるタイプなんだけど、流川と仙道のやりとりや、試合で三井にディフェンス専門の選手が張り付くシーンなど色々見たいシーンが無かったとガッカリしていた。
ほとんど記憶が無くなっている自分でも試合はダイジェスト気味というか割と起点になるようなとこしかないというのは感じた。
あと見た感じ、スポ根35%りょーちんのストーリー65%くらいの印象。スラムダンクじゃなくて、ピアスをメインタイトルでスラムダンクをサブタイトルくらいにした方が良かったんじゃないのかと。
昔のような熱いスポーツ漫画というよりヒューマンドラマと言う方が個人的にはしっくりくる気がする。
事前情報をあれだけ出さなかったら賛否分かれるのも納得。
昔のようなスポーツが主軸というのを期待すると肩透かしにあうのだろうなと思った。
そして結局映画の一番の見せ場は山王戦であって、流川と花道のハイタッチがピークになるわけだから、りょーちんの話がメインだとそこで熱くなりきれず。一番の見せ場が主人公であるりょーちんじゃないから、りょーちんの話もいまいち気持ちが上がりきらずに終わった感。
CGは悪くはなかったんだけど、やはり迫力不足に感じた。三井とりょーちんが喧嘩するシーンや、りょーちんが洞窟で泣いた後のシーンなど中盤以降に手描きみたいな良い感じの作画を挟んでるけどあの作画で最後もできなかったのかなと思った。
流川と花道のハイタッチもっとどうにかなんなかったのか…。
あと、過去回想などはあの彩度低めの白っぽい感じで良いとは思うけど、山王戦でそれだと試合の熱気が伝わりきれてない感じがした。
声優は花道以外はそこまで違和感無かったかな。
木村昴が悪いんじゃなくて、配役ミスだと思う。
花道のあの体格と性格であの声は物足りない。結局最後までキャラが声出してるのではなく、誰かがキャラに合わせて声をあててるという感じがいなめなかった。
作品として悪くは無いし、バスケのプレイにおっと思えるところはあったけど。スラムダンクというタイトルや全体のバランスを考えると高い評価はつけられないと思う。
ただ、長い年月を経て人気タイトルが今出た事自体は楽しませてくれてありがとうと思う。