「リョータ視点の山王戦」THE FIRST SLAM DUNK パンナコッタさんの映画レビュー(感想・評価)
リョータ視点の山王戦
まず、「もちろん原作読破してきたよね?(ニッコリ)」という井上氏の声が聞こえた気がしました。ぬかりないですとも。原作ファンは観に行くべし。だぴょん。
予備知識0でもそれなりに楽しめるとは思いますが、湘北メインメンバーの揃う9巻までの知識は最低限ほしいところ。
それはさておき、本作は原作で相対的に掘り下げの浅かった宮城リョータにフォーカスし、リョータ視点山王戦となっていました。
そのためゴリや流川の回想がカットされていますが、その分試合は息をのむスピーディーなものとなっています。
リョータにフォーカスしている分、ゾーンプレスを突破するシーンや決して得意ではないフリースローを決めるシーンが味わい深くなっていました。
次期キャプテン就任に繋げるためにリョータを主人公にしたのかと思いきや、もっと先に繋がっていて驚きました。
「あのシーンがカットされた…」とかで賛否はありそうですが、ある程度仕方がないので脳内で保管しましょう。(ゾーンプレスは疲れるとか、聞こえんのか?とか、お前は鰈だとか、沢北じゃねーかどあほうとか…)
映画にはめ込むにあたり、取捨選択を色々と考えたようで、その辺はパンフレットのインタビューでも触れられていますね。
・その他細かい感想
試合が現在の10分4Qではなく、原作通り前半後半20分ずつの試合となっていましたが、
その辺が気にならない構成となっていたのが地味に巧いと思いました。
そういや三井以外の視点だと「あきらめたらそこで試合終了ですよ」は山王戦が初なのね。
花道が「ただのお調子者な後輩」って感じに見えてなんか新鮮。実際そうなんだが。
観客席に海南のメンバーはいて欲しかった…。
「負けたことがあるというのがいつか大きな財産になる」って言葉、人生の中で1.2番目を争うくらいに好きなのですが、あれだと沢北が祈ったせいで負けたような…。そんなことはないから……。
こんにちは。
それでも沢北は「自分があんなことを願ったせいで、先輩達の最後に泥を付けた」と自分を責めたでしょう。
あの号泣で、生意気ながら先輩達のことが好きだったんだな、と感じました。
『人間』としての沢北が描かれていたのかな、と。