「いつ勉強してたの?!」かぐや様は告らせたい 天才たちの恋愛頭脳戦 ファイナル movie mammaさんの映画レビュー(感想・評価)
いつ勉強してたの?!
前作より、佐藤二郎の登場シーンが少なく、しらけずに済んだ。というより脚本内でも厄介なお方扱いをされていて、観ていて製作側との何を面白いとするかの認識違いに悩まずに済む。
ただただ主役が平野紫耀と橋本環奈だから成立する奇跡的な前作に、堀田真由ちゃんの出番が増えていて個人的に嬉しかった。ビジュアルも演技も、橋本環奈に負けず強すぎず印象に残る存在感で、クールも可愛いも古風もイマドキもなんでもできる素敵な女優さん。
今作は行事が目白押し。
それと同時に、驚き沢山だった。
①石上は、凶悪同級生に売られかねない彼女を守るために、口を閉ざし捻くれていたことが判明。青春ヘイトどころか、いじめ被害者ではないか!風紀悪すぎますってこの高校。
②藤原さんの扱いよ。コミュ障チックなかぐやも白銀も、藤原さんのナイスアシストのお陰で距離が縮まってきたと言っても過言ではない。なのに、文化祭では詮索されないよう、課題を与えて藤原さんをまき、恋愛成就のために邪魔者扱い?!当日の成功を1番分かち合って良いはずのチームメンバーやぞ。ひどすぎんか?
③かぐやが白銀に出会うまで、人を使えるか使えないかで分類していた最低キャラだったと判明。いやお育ちの良い才女設定はどこへ行った。なんでも早坂にお任せなのに、ミシンは使えることもびっくり。ハートが紛れた水玉生地は諦めて、和柄生地で裏地付き丸型巾着を製作してそこにハートのキーホルダーを入れるなんともおばちゃんぽいセンスで面白かった。
④かぐやが弓に火をつけて飛ばしてキャンプファイヤーに灯火する許可、よく降りたなぁ。管轄消防NGが出そう。キャンプファイヤーそのものは白銀が告白演出のためだけに、実行許可を取り、文化祭のっとり声明文が出ても放置のゆるゆるな私立校。
⑤サンフランシスコ工科大学?!マサチューセッツかカリフォルニアじゃなくて?!どちらにせよ思うのは、奨学金だとしてもお金足りる?節約しても一年に生活費だけで2-3百万はかかるはず。生徒会に運動会に文化祭に、行事が沢山あったのにアーリーで受けるなんていつの間にそんなに勉強を?!
⑥白銀のお見送りメンバー、藤原以外は後輩だけ?!平野紫耀と、良いとこしか見えない白銀会長のコラボなのにそんなわけなかろう。コンテナ船に座ってるけど、そこ直射日光でホットプレート状態かと。死ぬぞ。
⑥かぐや様、まさかのお父様に頼んで、ホール寄贈と引き換えの裏口じゃないよね??
平野紫耀は好青年だが、恐らくすごい大学であろうSFITに入るには、ちょっとイメージとの乖離があるかな。だけど、かぐやとのどうこうと無関係に進路を決める賢さが白銀の魅力。
白銀に誘われて一度は私は内部進学だからと話したかぐやも良かったのに、まさかの裏口なら萎える。
実力で合格した白銀に失礼極まりない。
というか応援団を見ても、極めてレベルが低そうな学校で、そんなところに苦学生の白銀がいるのはまだわかるが、かぐやは浮きまくるのがよくわかる。
なにより、平野紫耀と橋本環奈がいるのに、なんのキャーキャーシーンもない、静かに進展激遅な恋愛を育める学園と生徒会に、現実味が薄れて「これはフィクションです!」と逆に突きつけられる。普通、かぐやにとってライバルだらけの学園生活でしょうよ。
製作メンバーが、どれだけの経済効果を持つ平野紫耀なのか、その平野紫耀にどれだけ助けられたコロナ禍の興行収入と続編だったか、なのに傲慢にならずお人好しな平野紫耀をこれからも数字に利用するのではなく、俳優として大切にしてくださるといいなと思う。
もうすぐジャニーズを卒業し、役の幅が広がりそうな平野紫耀が、深みのある難しい演技が必要な役で映画に出るのが今から本当に楽しみ。