「前作は壮大な前フリ」かぐや様は告らせたい 天才たちの恋愛頭脳戦 ファイナル サプライズさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0前作は壮大な前フリ

2021年8月20日
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鑑賞方法:映画館

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かぐや様は告らせたい実写映画版第2弾。
前作は正直言うとめちゃくちゃ酷かった。何を血迷ったのか、原作&平野紫耀×橋本環奈が好きすぎるせいで現実を受け止めたくなかったのか、私のレビューでは★3.5にしていましたが、恐らく今前作を見たら★2.0に違いありません。魅力はただ1つ、あの2人の存在。そんなこんなで、続編にあたる本作も期待はゼロに近しい。本当に何も考えずに劇場へ...。

あ、え?ん?え?お?マジで?
普通に面白かったんですけど。え?おもろいやん。
どうせ面白くないだろうとこの映画のレビュータイトルは「監督はかぐやファンを怒らせたい」にしようと勢い込んでたのに。やったー!!!当たりだァ!!!

私立秀知院学園。貴族制が廃止された今なお、政治家の娘やおもちゃメーカー社長の息子など多種多様な名家生まれが通うエリート学校。そんな学園を支えるのが生徒会。生徒会長・白銀御行(平野紫耀)、生徒副会長・四宮かぐや(橋本環奈)は今日も互いに思いあっていた...。

前作と比較しながら本作で圧倒的にパワーアップした3つをお伝えしていきたいと思います。

まず1つ目はコメディ要素。
前作を振り返ってみると、気まずくなりかねないシラケる下ネタや暴れまくる佐藤二朗。これが悪い意味で印象的。誰を笑わせたいのかサッパリで、原作の知的でテンポのいい不意をつかれるような笑いはゼロでした。
そして本作。確かに滑っているところはあるし、安っぽい演出&クソダサいフォントは健在で笑わかせようとしている感は伝わってくるけど、前作と比べるとめちゃくちゃ面白くて普通に笑えた。橋本環奈好きにはたまらない演出や原作らしく時事ネタを取り入れる笑いなど、これこれこれ!の連続で最高に楽しかった。1回の笑いが長くないのもまたいい感じ。まぁ、見ていただければ分かるんですけどね、橋本環奈好きにはたまらない演出がめちゃくちゃテンション上がって、オープニングなのにこの映画の成功の確定演出が鳴りました。サム来ました。(わかる人にはわかる...)

そして2つ目は役者の良さ。
前作は白銀御行演じる平野紫耀、四宮かぐや演じる橋本環奈しか魅力がなく、藤原書記や石上は酷いものだった。全然良さが出ていない!と怒りマックス。
本作もどうせキッつい演技を見せられるんだろうと思っていたが、伊井野ミコが初登場したおかげか非常にバランスが良くなっていて、生徒会全体の絡みは少なくなったものの個性が生かされており、早坂含め全員が魅力的なキャラクターとなっていた。

最後に3つ目は感動シーン。
前作の感動シーンのメインは花火。雰囲気は良かったし会長に惚れるかぐやの気持ちも分かった。だけど、感動はしなかったのが正直のところ。もうベタもベタでぎっとぎと。原作の良さゼロだったし。
打って変わって本作の感動シーンは2つ。体育祭と文化祭。原作を見ているので、どんな展開になるのか、どんな結末を迎えるかなどは知っているのだけど、普通に感動したしめちゃくちゃ面白かった。多分これ2回目見た方が泣ける。いいじゃないですか...2つとも。

気になるのはラスト。
結構テンポよく話が進んでいたのに歯止めをかけるような話で、別にそこまでする必要はなかったんじゃないかなと。ここまでするならもう一味欲しかった。そういう面では前作の方が好きだったかな?

総じて原作への愛が感じられた本作。
エンドロールも流石!役者への愛もありました。
ファイナルとか言っときながらリターンとか言って続編作られることだろうとは思うけど、続きがみたい!とそんな気持ちのまま終わるのが1番いいのかもね。
面白くないと思ったらめっちゃ面白い。想像をいい意味で裏切る。これだから映画はやめられない。もう、とても良かったです。

サプライズ