ファーザーのレビュー・感想・評価
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伏線の回収かと思いきやそのまま認知症の記憶へ。 ついていこうと思っ...
伏線の回収かと思いきやそのまま認知症の記憶へ。 ついていこうと思ったがついていけず。 みなさんアンソニーホプキンスに触れているので触れず。
実はこの映画。
実はアンソニーは痴呆でなくて、周りの人間が悪だったら、と言う展開であって欲しかったが、最後まで病気だろう展開が続く。
娘に首を絞められて死んだあとの夢という設定はどうだろう。
鑑賞者の翻弄がまさに製作者の意図するところ。
その翻弄こそが患者の主観であると伝えたいのだと受け取りました さまざま媒体から自分から欲せずとも介護という現実の厳しさ、認知症の絶望を知った気分になっていました。そうこの映画も含めてです。私は介護の問題にことさらに興味があってこの映画を鑑賞したわけではありません。しかしこの映画は最もその現実に肉薄してそれをこちらに伝えてきたと感じます。重く、厳しく、とても当事者ではない自分が語れる問題ではありません。そうこの安っぽい逃げの感想を読んでお分かりの通り、この映画を鑑賞した後に至っても私のこの問題への理解はあくまで頭での理解であり、真なる心からの「理解」ではありません。例えば私が個人的に当事者意識のあるアルコール依存症問題とは全く別次元にある理解です。 しかしそれでもこの映画は胸を打ちました。不幸な映画を観た時は、ただ幸せを祈ることしか出来ませんがこの映画においては幸せというものがどういう状態か分からず、苦しく混乱しました。フィクションですら迷い苦悩します。ましてや現実においては…。祖母の葬儀での親父の涙をほんの少しだけ理解できたような気がします。 伝えるべき主題はもちろん凄いものですが、映画としてのレベルが非常に高くとても面白かったです。ここまで素晴らしい映画だからこそ難しい問題を多くの人に届けられていることに深い感銘を受けました。素晴らしかったです。
バーチャル体験できちゃう
なんだかわからん幕引きだった2021年のアカデミー賞授賞式。作品賞のあとに主演男優賞が発表されるという異例の順番変更があったにも関わらず、当の受賞者アンソニー・ホプキンスは不在のためコメントもなくあっさり番組終了。とにかくナンダコレだったと記憶してる。 その後思ったほど話題にも上らなかったけど、気付いたら上映してる!ならば観に行ってみよう!!(と思って観に行ったのに感想を投稿するの下書き保存したまま今の今まで忘れてた💦) 「さすがです……」の一言。 上手いとか下手とかなんかそーゆー感じぢゃない。どっかの家で起きてることをのぞき見した感じ。そして認知症の人には世界がどー見えているのかを(想像も含まれるんだろうけど)教えてくれる作品。 予定外にお勉強できた「タメになる」作品でした✨✨✨
顔や名前を忘れていくってこういう事なのかも……
毎日、知らない人と知らない場所にいるなんて、気持ちが落ち着かないのも当たり前。でも、端からは錯乱と受け取られる。認知症がこの映画の様な視点で表現すると、ホラー映画に見えてくる。
日常の音楽と建築のなかの悲劇
この映画をただボケ老人の悲哀として読み取るだけでは面白くない。そうか描かれているのは我々の日常的な日々の悲劇、それを「音楽と建築」により表現している。 ビゼーの「真珠採り」にはじまり、マリア・カラスが歌う、ベリーニのノルマの「清き女神」、たぶん監督が聴かせたいメインはイタリアのエイナウディの「My Journey」かもしれない。しかし、ボクはそのバラエティに興味深々、まだ解けない監督のメッセージはその組み合わせにあるようだ。 ドラマは認知症のアンソニーを演じるアカデミー賞のアンソニー・ホプキンスの独演劇。彼はロンドンの自身の高級フラットと娘であるアン夫婦のフラット、そして、痛ましい老人ホームの小さな個室に取り残される。どの部屋も決して惨めではなく、エスタブリッシュされニートなのだが、気がついてみるとそこはたった一人の迷宮空間。 そして最後のシーンはアンが一人歩くパリの広場の頭部が欠落したイゴールの彫像「月の光」。その彫像はアンソニーの象徴だ。 彼のニートなフラットの窓の外の広場の子供の自由が彼と空間、その迷宮を一層強調する。 彼の迷宮空間は認知症にあるのだろうか。 いや、この映画を建築批判とするならば、テーマは認知症ではない。 「去年マリエンバート」と全く同じ、現代社会の建築的迷宮にあるのだ。
ファーザー
認知症をテーマにした作品。 認知症をテーマにした作品はいろいろあるが、この作品は認知症が進んでく本人目線で描かれているのでリアリティがすごいあった。 誰しもが起きるであろう認知症と、経験するであろう親の介護。 認知症、本人は真面目にやってる行動が他人からしたら異端。特に初めの頃なんかは家族も本人も認知症を患ってる事わからないでしょう。 友達の名前忘れることはあっても家族の名前を忘れる事はない。 家族に「あんた、誰?」って真顔で聞かれた時に耐えられるか?受け入れられるか? 私は多分厳しいかなぁ… 誰しもが、経験するであろうとてもリアリティのある番組でした。 ※批評には個人の価値観が含まれています。ご了承ください。
んー何か淡白で中途半端感が
昔からホラーやサスペンスでお化けだと思ったら自分がそうだった怪事件が多発したら自分が犯人だったみたいな物はあったが大抵そう言った作品には最後におさらい的な解説があったと これどこまでが現実でどこが架空なのか不明確でアンソニーの様な一流人が出演作品にしては短編ですっきりしない結末
(原題) The Father
名優アンソニー・ホプキンスが認知症の父親役を演じ、「羊たちの沈黙」以来2度目のアカデミー主演男優賞を受賞した作品。 アンソニー・ホプキンスの圧倒的名演技。 単なる認知症の話ではなかったし、映画全体が認知症目線で進むけど記憶と展開が崩壊して辛かった。
認知症、外から見るか中から見るか
ホプキンスの一挙手一投足を見逃さないで一言一句を聞き逃さないでほしい! 知的で見事な密室劇!しかし心象的にはどんどん拡がり深くなり無重力に吊るされます。そして誰もが途方にくれる。
認知症を体験する
●モザイク画の様に時間軸や登場人物がバラバラに出てくるので混乱する。 何が正しくて、何が間違いなのか分からなくなる。 この感覚で生きていたら、気が狂うなと、認知症の怖さを味わえる。 ●アンソニー・ホプキンスの演技が凄すぎて号泣する。 猟奇サイコパス殺人鬼が印象深い俳優さんなのに、殺気がない。虚空の彼方を見つめている表情が、認知症の人の表情そのものでゾクっとする。 頬を平手打ちされるシーンでは、「やめて!その人が本気を出したら、あなたは豚の餌になるわよ!」と相手の心配をしてしまう。 ●周りを固める俳優陣の演技力が凄まじい。 忘却される娘を演じたオリヴィア・コールマン。 はぁ。とため息を吐いたり、悲しさで震えて嗚咽して泣く姿に共感して号泣した。 気持ちだけで側にいることは難しい。 ●とにかく終盤はずっと泣いていた。 未だかつてないほど不安顔をするアンソニー・ホプキンス。
しんどかった
認知や記憶に障害がある人は、 人も、時間も、場所も、記憶も こんがらがってしまって、 こんな風に感じながら 生きているんだな ということがよく分かりました。 本作では 不安、怖さ、さみしさ、怒り、悲しみばかり感じられて あまり救いがなく 観続けるのがしんどい時間もありました。 人間誰しも歳をとるけれど 歳をとることは 嫌なこと、だめなことだけでは あってはいけない。 歳をとるのが楽しみな 先輩方の人生の閉じ方も たくさんあるはずです。
自分を見失っていく、という、ある意味ホラー。
今年のアカデミー賞主演男優賞を、うっかり受賞してしまった、アンソニー・ホプキンス。
誰もがチャドウィック・ボーズマンが受賞し、追悼の厳かな気持ちで幕を閉じるであろうと予測していた授賞式、図らずも世界中の観客を唖然とさせてしまった形になった。
鑑賞中も、安定の名演技なんだし、ここはチャドウィックにあげても良かったんじゃ?って、途中まで思っていたけど、残り5分くらいのところで、やっぱりアンソニー・ホプキンスは偉大だ、と、泣きながら思った。
もちろん、ホラーじゃないんだけど、ハラハラするし、何が本当か分からない、自分も他人も信じられない状況、とても怖い。
本当に存在しているのか分からない人が突然現れて、いなくなる。
知ってるはずの人の顔が違う。
シュールなホラー映画みたいな、ゾッとする怖さがあった。
両親のことを考えて怖くなった。
さらに、自分。
私って、誰が面倒見てくれるんだろう?
いずれ旅に出るのに、時計は大切だから、見失っては探し、見つけては見失い、ずっと時計に執着していたのか、と、分かった時、号泣。
人は等しく、旅に出るのを避けられない。
そして、やっぱり母に会いたいんだなー。
介護に従事される方達って、本当に尊い。
認知症目線という斬新、かつ涙目。
今年の アカデミー主演男優賞 受賞した アンソニーホプキンス 主演 名演技というカテゴリーを完全に超えた。 単なる 認知症 の話ではない。 映画全体が “認知症目線” で進む。 だから記憶と展開が崩壊。 体験した事ありますか? 一歩間違えばタイムリープSFですよ。 誰にも話が伝わらなく 聞いた事と違うんです。 こんな辛さは無い。 私の父も6年前に亡くなり最後は認知症だった。 伝わらない地獄だったんだなと。 父を思い出して泣いたがそれは悲しさではなく辛さの涙。
「さ迷い、失い行く」を体験する
正直、和解と許しの物語か、と勝手に想像していた。 だが期待を裏切るストーリーは、 ヘタなホラーよりも格段に恐ろしく、 ヘタなサスペンスよりも格段にハラハラさせられる。仕上がりだ おかげで何が事実で何が虚構か。 誰が誰で、いつ、どこなのか。 ときおり見せつけられる現実に、観客は主人公と同じ体験を強いられ、 恐怖と混乱と絶望に陥れられる。 唐突に始まる物語は舞台劇のようで、さほどシーンに切り変わりもなく、 派手さなどもってのほかだ。 だが上記のようなミスリードでたたみかけられると、もう勘弁してください というほかない。 主人公のような人物像はよく、第三者目線で描かれるが、 これは当事者目線の物語である。 物語として一貫性を欠くにもかかわらず、起承転結が整い 観客を置いてゆくことのないシナリオ構成は圧巻。 もちろん主演、アンソニー・ホプキンズの演技も抜群で、 まだ見たことのなかった世界観があったのか、と唸らされる仕上がりだった。 そしてそこはかとなく切ない。 正しく認知できなくなった時の、人の「尊厳」についても痛いほど考えさせられる。 ラストもあそこで切れるなどと、魂レベルでえぐられた。
老いの不安、悲しみを描いた名作
認知症の父親と、彼の世話をする娘のやり取りを中心に、老いの不安と悲しみ、周囲の困惑と辛さを丁寧な展開で描く。脚本がとても良くできていて、それを演技力の非常に高い俳優さんが演じているので、リアリティーがあり過ぎて、観ている方も双方に感情移入してしまって辛くなってしまいました。 年齢をとって、身体だけでなく記憶力や判断力も衰えてしまい、自分が自分でないように感じられ、周囲からも邪魔にされ、重荷に感じられているのだろう、見捨てられてしまうのじゃないかと不安になって、疑心暗鬼になり、悪い妄想に苛まれる気持ち、とてもよくわかりました。自分の親や自分自身にも、いつかそういう時が訪れるのだろうと思うと、誰にとっても他人事とは思えない映画だと思います。 私の父も認知症だったので、最後の方は娘の私のことも誰なのかわからなくなってしまったけれど、性格的にすごく素直で穏やかで、人を疑うようなことは全くなかったので、幸い映画の娘のような苦労は私にはありませんでした。 4回目の緊急事態宣言が発表された週末の日曜午後に、池袋のシネマロサという昭和レトロ感漂う映画館で観ましたが、映画を観に来ていた観客の多くが、20-30代ぐらいの若者だったことに、少し驚きました。
認知症側の世界
何よりアンソニーホプキンスの演技が素晴らしかった。 認知症の世界がよく描かれており、観ながら自分もそれを体験しているかのようだった。 派手なアクションもなく、単調なシーンも多そうなのに、飽きることなくあっという間に終わった。 観て良かったと思う。
メンタルにきた
予告編やパンフレットのイメージで、認知症を患う父と娘の感動大作かと思って観てしまい、衝撃を受けました。素晴らしい映画体験だったけれどメンタルがやられました。そして、高齢の両親に見せたくないと思ってしまった…。
頑固でお茶目
この数年少しずつ認知障害が出てきていて、5分おきに「お前太ったんじゃないの?」と聞いてきたり(ええ、太りましたとも)、今の自分や家族の年齢を聞いてビックリしたり、自分でも自覚していたようなことを口にしたりと、それでもまあしょうがないかと思える程度で済んでいたからかもしれないが、コロナのせいもあって1年以上会えないままこの春亡くなった父親がいたりすると、また違う感想があるのだろうか。願わくばアンソニーのような恐怖と孤独を感じずに済んでいれば良かったが…無理か。
終盤とうとう自分が誰か分からなくなり、子供にかえって母親を恋しがって泣くアンソニーの姿には、それがアンソニー・ホプキンズであるということも相まって、余計に動揺した。
まさかあの介護師が虐待してる裏設定とかないよね。
過去なのか記憶なのか幻想幻覚なのかそれらがごちゃ混ぜになっているのか判然としないが、それがまた居心地悪く感じさせアンソニーの不安を追体験した気になる。
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