「人間の温かみを感じる確かな映画」ファーザー Garuさんの映画レビュー(感想・評価)
人間の温かみを感じる確かな映画
この映画を観た誰もが、アンソニーホプキンスの芝居に圧倒されると思うが、他の出演者の演技もいい。 映画の構成が巧みで、ホプキンス演じる認知症の老人の心を追体験しているような気持ちになる。 自分を失ってしまう不安や恐怖、そして悲しみの感情で、終始心が揺さぶられ続けた。
母を自宅で見送った記憶が新しい私には、 介護していた時に感じていた不安や絶望感などの感情が次々と蘇ってきて、正直、胸が苦しかった。 母が存命中にこの映画を観ていたら、もっと優しく接することができたのにーという思いにもかられた。
監督は想像していたよりも若い42歳。 才能のある芸術家の想像力の豊かさとは、本当に凄いものだと思う。
我 々人間は、現実の前には全くの無力だ。 それでも、人間には確かに温かみがあるのだ。 それを思い起こさせてくれた、確かな一本だった。
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