劇場公開日 2021年5月14日

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「認識と記憶の多層性」ファーザー たけPさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5認識と記憶の多層性

2021年5月16日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

映画を見終わって思ったことは、ただただすごい映画だなと。
どちらが先か分からないが、認識に基づいて記憶が構成され、その記憶に基づき思考して新たな認識が構築される。これらが再帰的に繰り返されていく。
映画の中では、観客は徐々に深い層に誘われ、物語の進行とともに浅い層へ戻ってくる。その過程で記憶の状態が変わっていくことが感じられるだろう。そして、そこに感情が巧みに織り込まれて表現されている。
アンソニー・ホプキンスの演技もさる事ながら、緻密に構成された物語があり、この映画を見終わる頃にはミステリーの謎解きがされてスッキリしたかの爽快感まで訪れる。映画のテーマは爽快感が得られるようなものでは決してないので、なんとも不思議な感覚を味わった。

上手く言葉にできず、すごい映画だなと思いました。

たけP