「華やかなパリファッション界を支える女達の物語」オートクチュール SpicaMさんの映画レビュー(感想・評価)
華やかなパリファッション界を支える女達の物語
フランスで自立して暮らすには、一流メゾンのお針子の仕事はとても良いようだ。
腕さえ確かなら出自は問われない。一人前になるには修行が必要だが、身につけた技術は一生ものだ。締切に追われることもあるが、とても美しい物づくりに携われ、プライドを持てる仕事だ。
パリ郊外は下層階級の移民の暮らす地域が多いこと。そうした地域に住んでいるというだけで見下す者もいること。はなから働く気のない若者もいるが、ヤングケアラーにされている子もいること。
女性の自立、母親と娘の関係、女達の友情、移民家族の暮らし、さまざまなことを細やかにおそらくは願いを込めて描いていると思った。(ラストシーンはメルヘンチックすぎる嫌いがあるが。)
アトリエを後にする時に若い子の名前を刺繍したガウンを渡す場面はちょっとホロッとした。
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