「四方八方からタリバン兵が襲ってくるクライマックスの戦闘シーンの臨場感は凄いが、何となく西部劇を観ているような錯覚に陥るきらい有り。」アウトポスト もーさんさんの映画レビュー(感想・評価)
四方八方からタリバン兵が襲ってくるクライマックスの戦闘シーンの臨場感は凄いが、何となく西部劇を観ているような錯覚に陥るきらい有り。
①クライマックスの延々と続く戦闘シーンの臨場感は半端ない。編集の勝利であろう。ここを観るだけでもこの映画を観る価値は有ると思う。②ただ映画として冷静に観た場合、★四つは上げすぎかも知れない。(アフガニスタンに駐留している米軍兵士に個人的な思い入れがあり、それを加味しています。)最近多い『実話に基づいています』映画と同じく、それに甘えて話の背景(何故アメリカ軍がアフガニスタンに駐留してタリバンと戦っているか等)は殆んどはしょられている。だから、戦争映画というより西部劇みたいな印象を受けたし、タリバンの兵士たちはまるでインディアンみたいな扱い方。③あんな「どうぞ、攻撃してください」みたいな場所に前哨基地を作った米軍の愚かさは戦争・紛争の混乱の中では有りがちだが、そこに配置された兵士たちの緊張感はよく描かれている。一方、そこに撃ち込まれたら終わり、みたいな大型武器をタリバンが持っていないのが途中まで説明されていないので、思うほど兵士たちに恐怖感が無いのに最初は違和感を覚える。④スコット・イーストウッドはクリント・イーストウッドの息子だけあって、「こいつは最後まで死なないだろうな」と確信させるキャスティングは痛し痒し。⑤死んだら勲章なんて貰っても意味ないだろうと思うのは軍隊のない日本人の勝手な思い込みで、軍人の家族・友人にとっては彼(彼女)らが確かにこの世にいたというよすがに成るものなのだろうとも思った。⑥実際に配置された(戦死した)兵士たちの多くが20台の若者たちなのは悲惨な限りだが、扮するのが兵士たちの不安感・緊張感・恐怖感・戦闘中の緊迫感を演じられるもう少し年嵩の俳優陣なのは仕方がないだろう。