「主演2人の存在感」少年の君 wutangさんの映画レビュー(感想・評価)
主演2人の存在感
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「サンザシの樹の下で」の主演:チョウ・ドンユィが、その後活躍したのかなと気になって調べて見て、鑑賞。
悲劇的で重いストーリーというのは、意味なく描いても悪趣味になるだけなので、扱うのが難しいんじゃないかと思う。
それをアイドルグループメンバーとシンデレラガールが演じるということで、深みの無い悪趣味な作品になったしまうんじゃないかという先入観を持っていた。
現に実際見てみれば、いじめという大きな社会課題を描いてはいるものの、内容の主軸はラブストーリーになっていて、特に何かしらの問いかけを感じることはできなかった。
しかし、この主演2人の存在感が素晴らしく、演出がことごとくハマっていて、作品に深みを与えていた。
特に作中少しずついじめがエスカレートしていったり、少しずつ男の子に想いを寄せていく過程においてチョウ・ドンユィが見せている泣き顔や笑顔の演じ分けが本当に素晴らしかった。
「サンザシの樹の下で」で見せた力は健在で、その存在と表情を追っていくだけで、心から応援したくなり、周囲の人間に本気で苛立ち、映画にのめり込むことができ、また鑑賞後にも彼女の細かい表情を思い出しては作品に与えられた深みを感じる。
これはイー・ヤンチェンシーについても、印象に残る表情をいくつも残していて、演技力のポテンシャルを感じた。
結果として、非常に感動的なラブストーリーとして非常に質が高いと感じるに至った。
あと、強いて言うほどのことでもないが、ラストのナレーションだけ要らなかった。
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