「ちょっと長く感じたが高評価もうなづける」少年の君 またぞうさんの映画レビュー(感想・評価)
ちょっと長く感じたが高評価もうなづける
機内で中国語で見たためちゃんと再見したいと思っていたが見逃してしまった「七月と安生」と同じ監督ともともと好きな周冬雨の組み合わせ、また各国での評価も高いとあっては見逃すわけにはいかない。緊急事態宣言の最中の渋谷のしかし恐るべき人口密度を抜けてBUNKAMURAへ。
冒頭の事件から、時系列の操作などの語り方が、ちょうどいい具合に観客に考えさせる編集になっていて、うまい。何度も出てくるイジメと周囲が見て見ぬふりをするシークエンスはちょっとやり過ぎに思えるが、後々に起きる様々な要素を引き起こすイベントとして必要だったか。
主人公二人が急速に結びつきを強めるつかの間の幸福な同居生活は、橋の下のトンネルを抜けたところにある彼にとってはちょっと良すぎにも思える家とともに、この映画の中のファンタジーとして中盤の我々を一旦安心させる。
物語の山場については発端の悪役が悪役過ぎて深みがなかったが実際はああいう反省しないのもいそうだし仕方ないか。役者は80年代アイドル歌手みたいな容姿だが憎らしい演技は上手だった。
役者では周冬雨はさすがの童顔で高校生とそのxx年後を的確に演じきるのだが、このパターン何度目か、という。(中国で見た「同桌的你 My Old Classmate」という映画が日本未公開なのだが典型的中国青春映画パターンでもあり印象深い。)そして男主役がなんとあの小学生グループだったTF BOYSの一員だという。立派に成長していて喜ばしいです。 参考→「青春修炼手册Practise Book for Youth」
結論としては、ズバッと嵌りはしませんが、映像も構図も編集も演技も適切で、見て良かった映画と思います。
なお最初のコメント?と最後の法整備がどうのこうの、というのは最近多いけど明らかに政府の横やりだから作品評価に入れてはいけないと思う。「薬の神じゃない」でも全く同様の蛇足がついてたな。。 そしてパクリ云々については判断できませんのでスルーしておきます。