アンテベラムのレビュー・感想・評価
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ネタバレしません(?)
南北戦争
1861年から1865年にかけて北部のアメリカ合衆国と
合衆国から分離した南部のアメリカ連合国の間で行われた内戦
黒人奴隷に綿花栽培させ大儲けしていた南部に対し
米英戦争で急速にモダン化した北部は奴隷解放を主張
両軍のべ240万人を動員し50万人の犠牲者を出しながら
南軍が降伏し黒人奴隷制開放が実現した戦争である
日本が大政奉還したのは1867年だから
19世紀がいかに大きく時代が動いた時期
だったかと言えるわけですが
この映画はその南部の綿花農園で黒人奴隷が
働かされている長回しの冒頭から始まることで
その時代の凄惨な差別・非人道行為の歴史を
テーマに・・と思いきや
んん!?という展開を見せる作品となっています
内容はまあぶっちゃけ
ナイト・M・シャマラン監督の「ヴィレッジ」です(笑)
が時代背景から観客を騙しにかかる構成は
やられた感がそれなりにありました
かと言って2回見なきゃって程でもない
アッサリ感
昨今盛り上がっているBLM運動ですが
アメリカの歴史を否定する段階まで来ちゃってる
とこへこうしたテーマでエンタメ化しちゃった
というのはアリな気がしました
ゴマ塩みたいにポリコレ対策ふりかけて
全然テーマと関係ないLGBTぶっこんで来たり
する映画がゴロゴロしてるんでそれよりは
きちんと映画として昇華してる感じありました
インテリ層からの受けは悪いらしいですが
街で暴れるよりはるかに健全じゃないですか
被差別側のマイノリティ層アジア人としては
映画として楽しめました
敢えて言うなら余計な情報入れず
一発で見ちゃいましょう(笑)
亡霊たちに翻弄された
恐るべき、かつぶっ飛んだタイムスリップ
いきなりネタバレですが、過去の南北戦争の亡霊たちが、現代に「奴隷狩り」に出没するホラー。しかも連れ去られた黒人たちは、現代人が造成した歴史テーマの記念公園で、酷使されて命も失う。
とんでもない綺想によって、鋭くファンタジックに人種問題に切り込んでいますが、こんな公園があるならば、その造成を筋書きにした前夜譚で、既に一作出来そうですね。
血の染みる悪夢が三転!
始まってしばらくは、大農園を舞台にした陰惨なホラーだと思っていました。畑を区切る立木の向こうに沈む赤い夕日。この先、エデンを待ち受けるであろう、運命に気持ちも暗くなっていく。
ところがしばらく奴隷たちの苦渋を描いた後、画面は社会学者のヴェロニカが活躍する現代シーンに変化した。このヴェロニカは、きっとさっきのエデンだから、本作のテーマは「消えることのない遥か昔の悪夢」だ。それで冒頭の「過去は死なない」に繋がる。ヒロインはDNAによって、幾度、大農園の悪夢を見せられるのだろうか。
しかし、目に隈を作った少女の登場をきっかけに、ヴェロニカはホテルから連れ出され、大農園では兵士がスマホを持っている! そうか、これはタイムスリップものだったのだ。つまり前半の大農園が現在で、後半の都市の暮らしが過去。
でも、そろそろストーリーに着いていけなくなった私が戸惑ったのは、時間軸を支配してるのはそもそも誰なんだろう?
エデンが馬に乗って疾駆する場面に至ってやっと私は、この作品が時空を超えた「誘拐譚」と気がつきました。遅い!
プロローグで南部の大農園に着いた馬車の中にいたのが、まさか現代から拐っていった人々とは、怖すぎる。
悪の玩具箱
夜になると王女や騎兵、歩兵やが命をもって動き出す魔法の玩具箱がある。あろうことか、そこから兵隊たちが出てきて、現実の人間をさらっていくと言う話。
ラストシーンで、ブルドーザーがテーマパークを打ち壊して作品は終わるが……
ストーリーよりも1番の驚きは……
南北戦争前という意味らしい本作。
エデンにまつわるそれなりに長い前半と後半は奴隷制度の話で、結構みていて辛くなるシーンの連続。
特に前半。あれ?これ見る映画間違えた?
現代劇かと思っていたら南北戦争時代の話なのね。想像と違ってたわ。と思っていた。
がしかし、急に現代劇に打って変わる中盤は美人なヴェロニカにまつわるストーリーで、順風満帆で成功者の物語。
果たしてどう関係があるのか?
途中出てくるエレベーターに乗り込んで来た怪しげな少女が関与するのか??
などと思っていたら……
【以下おもいっきりネタバレ注意】
いやあ、そうですか。
昔の話かと思った前半は現代だったのね。
それはそれで良いが1番ビックリしたのは、主役の2人を演じてるのが1人の女優というのは、チョー驚き。ヴェロニカは、超美人で魅力的。しかし、エデンは失礼ながら決していい女には見えない。いやいや、そこが1番ビックリポンだったわ。
でもそれだけの映画だったかな。
南北時代の話は、気分悪かったしな。
構成の妙、Say your name! の意味
事前情報は何も仕入れず、しかしながら何かしらのどんでん返しがあるとは思いながらの鑑賞だったが、恐らく多くの人が仕掛けに気付いたタイミングで自分も気付いたのでは、と思うほどしっかりと騙された。
ヴェロニカがホテルのフロントでレストランの予約を頼んでいる時に途中で電話を取られたり、レストランでは回収した食器が積んであるワゴンのすぐ横のテーブルを案内されたりと、「現在」においても少なからず差別はあるという状況を見せ、前半シーンは南北戦争時代の「昔の話」であるようにうっすらと思わせるミスリードは効果的で何気にうまいと思った。
どんでん返しのあるストーリーはそれがわかった時に、あーあのシーンはこういうことだったのね、という箇所が沢山あるほど気持ちよく、また面白くなるのだが、逆に言えば全てのシーンがその1点のためのものとなってしまい、作品として必要な厚みのようなものを若干欠いてしまうという危うさもつきまとう。
本作は人種差別というテーマも助け、シンプルにもかかわらずさほど薄めの印象は感じられなかったところが良かったと思う。
サザンクロスのデザインの入った サザンロックのバンドTシャツはオモテじゃ危なくて着れない時代になった
アンテベラムとは南北戦争前という意味。重いビートの荘厳な音楽から始まる。ジャネール・モネイ主演で、二役こなすとの前情報。ははぁ、奴隷役と使用者側の二人を演じ分けるのか?引き離された姉妹なのか???
ジャネール・モネイはミュージシャン、音楽プロデューサーでもあり、奴隷解放運動家ハリエット・タブマンの伝記的映画で最近知った。ハリエットを匿う宿屋の女主人役で鮮烈な印象を受けた。それは、かなりいい女だったから🤩 さらに、デビット・バーンのアメリカン・ユートピアで取り上げられた曲 Hell You Talmbout の作者ということで、彼女自身がBLMの広告塔的な存在で、かつ強力な牽引車という印象を私は持っている。
サザンクロス(南軍旗)はためく綿花農場で黒人の男が捕らえられ、女が引き離され、逃げたところを撃たれて殺される。火葬小屋は立派な作り。奴隷市場から届いたばかりのある女性(カーシー・クレモンズ)とひそひそ話。「どこの州の出身かなんて関係ない」そりゃそうだと、あとになってみればわかる。
エデンとヴェロニカ。ヴェロニカの右の腰にBDの焼き印が入っていたらホラーです。
ヒントになるかどうかはわかりませんが、映画スゥイート・ホーム・アラバマ(メラニーは行く!)でおじいちゃんたちが南北戦争ごっこをするお祭りがある。
ジーナ・マローンは出る映画で印象ががらりと変わるカメレオン女優ですね。
怖いのはジーナ・マローンの役の女やホテルの廊下の座敷わらしじゃなくて、黒人たちには今でも南北戦争前の悪夢を見るDNAが連綿と続いているのよ! その恐怖を白人の皆様方にも逆に味わわせてあげてもいいのよ。その気になったら、その準備と覚悟は充分あるのよと、ジャネール・モネイが二ーナ・シモンに成り代わって言っているように私は感じて、スゴく怖かったデス。
黒人たちによる白人動物農場建設は着々と準備されているかもしれません。腕っぷしじゃかなわないし、かなり悲惨な状況になるかと。
オモテで、サザンクロスのデザインの入った Lynyrd Skynrd などのサザンロックのバンドTシャツなんかをいい歳こいて着てる奴(オイラ)は真っ先に連れてかれる時代になるかもしれませんね。
しかし、過剰な暴力や虐待は相手を怖れている証拠なのよといった余裕綽々なセリフもありましたから、案外許してもらえるかもしれません😅
なかなか面白かった。やられた~ジャネール・モネイ素敵~
主人公は私だった。
「タイムスリップ物と思いきや実は時間軸は今だった」という本作の構造と丁寧に回収されていく伏線に終盤は興奮しっぱなし!普段の映画鑑賞であれば観賞後に登場人物達のキャラクターを思い返したりするのですが、本作については興奮している私を見てニヤニヤしている製作チームの顔が浮かんできます。
繰り返しになりますが後半はアトラクションに乗っているかのように興奮しまして、映画の感想としては変な表現になりますが、物語の主人公は自分であるかのような映画体験になりました。
ニューオリンズ
綿花プランテーションで強制労働をさせられる黒人女性エデンと、家庭に仕事に順風満帆幸せいっぱいな黒人女性ヴェロニカの話。
映画として何で背景示さないかなー?とか、フィクションとはいえども黒人奴隷の扱いが大袈裟に雑だしどんだけ金持ちだよ?とか、その他にも色々細かいところで引っ掛かりを感じつつも、エデンをはじめ非道な仕打ちをうけながら働く黒人奴隷の姿をみせられる前半。
他力本願の癖に偉そうに良くモンク言うよね…。
そしてなるほど眠りと目覚でパートチェンジなんですね。それにしても二つのシチュエーションを描く割にエデンのパートの尺長かったよね。
ベッドで目覚めて隣にいる旦那とぐだぐだいちゃいちゃ、そしてそこに娘のダイブってどんだけ幸せパンチだよ!に始まって、仕事に講演に大活躍で出来過ぎヴェロニカ。
リベラルな思想だったり黒人であったり女性であったり、そんな彼女の活躍をみせるエデンパートとの対比ですね。
そして突然やってくる不穏な展開。
そしてそして、脱走に際しての荷物が!!!えっ!?
ちょっとズルいなと新たに引っ掛かりに転じるものもあるけれど、今までの引っ掛かりの殆どが解消されて大興奮…だったんだけどねぇ。
最後の最後、砲撃?なんで?そして看板でがっかり。
折角盛り上がったのにそれはリアリティ無さ過ぎじゃないっすか?
あらすじすらネタバレ。
これは映画サイトのあらすじすらネタバレになってそうなぐらい、何も情報を入れないで見るべき。
特に時系列の切り替え方が秀逸。南北戦争時代に奴隷として酷い目にあっている主人公が寝てる時に急にスマホが鳴った(映像とスマホという現代的なものが急に混ざりあったから頭パニックになった)と思ったら、現代で同じ主人公が目覚める。
タイムスリップ系と思わせておいて、次またスマホが鳴って過去に戻る時、その鳴っていたスマホが南北戦争時代と思われる世界で本当に鳴っていたものだと明かされる。この瞬間、カラクリが分かってきて「え、じゃああの冒頭の酷い目にあってる奴隷達は現代の人なんですか、、?」と急に恐ろしくなる。
この感覚って歴史の出来事をその時代のせいにして「この時代だったからしょうがない」と他人事のように思い過ごしてる私達に、時代が解決したと思ってるんですか?と突きつけられているよう。
そして歴史の知識ないと。。みたいなレビューもあるけれど、さすがに黒人が奴隷で働かされていた(特に南部)っていう知識ぐらい分かってれば大丈夫。それぐらいは一般常識ですよね?
知っといた方が良いってことなら途中出てくる南部軍リー将軍の銅像、あれがトランプ政権の時に撤去されたってこと。こうやって銅像が撤去されても、トランプ政権が退陣しても、公民権運動で黒人の権利が獲得されても人々の心に根強く張った差別意識は根本を正さないと何も解決しませんよっていうメッセージに繋がってくるんだと。
今作も『ハロウィン KILLS』『キャンディマン』と同じ流れの中にあって、ジャンル映画がちゃんと意義を持って作られていて尚且つ全部面白いって最高じゃん。
晴天の霹靂
このプロデューサーさんは、黒人の価値観を上手く利用する。ダイバーシティ&インクルージョンなど人種差別のメッセージとかそんなんではなくて、現代人の知識と認知バイアスを巧みに操って、凄い大きなギャップを作って驚かせてくれる。
映画作りが上手。
中盤まで耐えられるとおおっ!となる。
確かにそうくるか〜というストーリーテリング。てっきり輪廻転生的な怖いやつかと思ってたら思いっきり裏切られた。プロットを思いついたらふつうはそこから始めないよね、というとこから始まってた訳だ。もちろんそれやったら長尺になっちゃうのでそこをあんな感じで切り直すとこうなる、のかな。。
途中観ながらこれはナチスでも大日本帝国でもなんでとできそうだな、って思いに駆られる切ない人種差別ネタをベースに『トゥルーマンショー』とか『目撃者』的な地続きの別世界に『パルプフィクション』的切り直しを入れると、、みたいな。
でもとにかくその設定がわかるまで微妙なドラマ演出が続き「これ面白くなるんかい」って別の意味でハラハラさせる。『キャンディマン』の時も思ったけど、やっぱりジョーダンピールの面白さは別格だな、ってこと。
勘の鋭い方にとっては、これでもネタバレになる⁉️
『刑事ジョン・ブック』(初めて知ったアーミッシュ)
『ミッドサマー』
のっけからあれですが、私の貧しく薄っぺらな記憶箱の中では、このふたつの作品と、それぞれ重なると思う部分がありました。とはいえ、集合の交わり状況を表す円と円を重ねたベン図にしたら、円の面積のうちの1〜2割程度ですけど。
でも、あーゆうタイプの怖い夢って、よく見ますよね。
・(社会人になって何年も経つのに)就活でやっと内定が取れたのに、卒業単位が見込み違いで足らない⁈
うわー、どうしよう❗️と目が覚めて、どっと冷や汗をかく。
・会社が休みの土曜日の朝。寝坊で遅刻して大事な会議に間に合わない❗️と目が覚めるが、まだ寝ぼけてて、やばい、早く起きなきゃ、と目覚まし時計を見ると、まだ朝の5時。良かった、余裕で間に合うな、と思いながら今日が土曜日であることに気付いて、ホッとする。
それにしても、本当に怖いのは、アメリカだと本当にあったとしても、それほど荒唐無稽ではないと思うほど、リアリティを感じました。
トランプ現象であらためて、浮き彫りになった視野の狭い白人優位主義者たち。
その中には、影響力のある政治家や、それを支える資本力のある人も相当にいて、経済効率とは関係なく、あのようなものの運営が成り立ってしまう。
(日本では、宗教法人として資金を集めたオウムくらいしか思いつかない)
パラドックス
結構映画館には通っている筈なのですが、全く予告編を見ておらず、事前に主演の方が一人二役演じるということだけ仕入れて鑑賞。中々の盛況っぷりでした。
序盤は奴隷にされている黒人・エデンが脱走を図りますが縄でひっ捕らえられ、他の仲間が巻き込まれ死ぬという悲劇的なスタートを切ります。その後焼印を押されるなど、昔の拷問酷すぎないか?と思うくらい観ていて痛かったです。全体的に白人が黒人を虐める図ばかりで、監督は黒人を守りたいのか?それとも貶したいのか?と少し疑問に思ってしまいましたが、後半になってそれらを捲っていきます。
そんなエデンの生き方とはまた違う現代の裕福なヴェロニカ。旦那と娘と仲良く生活しており、人権活動をモットーに生きている女性です。オンライン取材を持ちかけてきてのも白人で、ここら辺りでお?となったのですが、先程の奴隷パートでも発せられていた"帰郷"というワードが出た瞬間に確信しました。あぁこれはどちらも現代の話なんだと。南北戦争っぽいのは舞台なんだと。拉致され方も油断したら誰しもが警戒しなさそうなパターンなので、現代でも普通にありそうだなと思い、ゾッとしました。
そして状況が合致した奴隷パート。スマホを使いこなせる理由も判明したところで、エデンは脱出を試みます。中盤まで音を立てないように移動しているなと思いましたが、これはこの脱出のための伏線だったんだなと思いハッとさせられました。司令官を起こさぬように、身のこなしを生かして家屋からの脱出を図る、中々にお見事でした。その後も他の兵士を上手いことハメて落としたり、怒りそのままに司令官を殺すなど、画面越しでも伝わってくる怒りにいつの間にか引き込まれていました。
終盤、乗馬して脱出するシーン。ここがもう圧倒的で、ひたすらに逃げる姿は美しく、オンライン取材してきた記者がラスボスとして待ち構えますが、必死の攻防の末叩きのめし、序盤にエデンがされた縄で首を縛られる様子をそのまま記者に再現し引きずり、そのまま瓦礫に頭を衝突させ殺すという、もういっそ清々しいくらいの怒りを最後にかましてきます。そして南北戦争を再現した"舞台"から見事脱出することに成功し、物語は幕を閉じます。
序盤の謎を終盤に一気に回収する流れ、ネタバレ厳禁!という表現がとても似合う作品でした。人種差別というテーマに真っ向から向き合い、制作陣の怒りを全面的にお見舞いされる良作でした。「キャンディマン」といい今作といい、最近の人種間のスリラー・ホラーは面白い。
鑑賞日 11/6
鑑賞時間 15:50〜17:50
座席 D-13
やっぱり面白い
南北戦争跡の観光地の裏に、黒人を奴隷にする場所が生きていたという話。
表面的には真正面から黒人差別に焦点を当てている。
あらすじ
↓
人権活動家の黒人主人公が白人に超嫌われている。
誘拐される。
白人たちの奴隷にされる。他の黒人たちも囚われている。
白人からスマホを奪って助けを呼ぶ。
脱出する。
文章で書くと淡々としているが映像で見ると全く違う。
誘拐の事実は後半まで明かされず、当時の南部の状況をそのまま再現した場所だったので、我々から見れば「過去」と認識するが、後から唐突にスマホが登場して「現代?」となり、奴隷もスマホの触り方を知っているし、「この奴隷ってリアルタイムの主人公だったの?」と一驚。
エンディング後は一つの都市伝説を知った気持ちになってレビューに書きたくなるので、映画として成功している。
この監督は黒人が好きなのか嫌いなのか度々疑問を持ってしまうが、
その答えは今後も知らないままでいたい。
社会が問題視しているテーマをホラー混じりの娯楽にしているだけで、
それ以外に訴えるものを感じない。
「人種差別って根深いな」とはなったが、
「人種差別って悲しいな」とはならなかったので。グリーンブックとは違う。
黒人が陵辱されている様子を黒人の観光客が間近で見物しているシーンとかあっても良かったのでは。
こんな映画を作る監督自身もそれを見て満足する観客も白人と同じ。
そこに気づいて苛まれた人は自分への釘刺しとして低評価を付けるかもしれない。
でも決して黒人を差別するつもりじゃなくて、題材がそれだっただけ。
たまたま黒人が娯楽対象になっただけ。
黒人の嗚咽とシンクロな動きとピッツィカートがとりわけ白人より似合うだけ。
この映画で何をどう深刻に考えたって何も解決しない。
自分が黄色人種のプランテーションに連れて行かれたときに考えればいいのだ。
黒人差別の潜在意識か
南北戦争当時のアメリカ南部。綿花畑のプランテーションで奴隷として働く黒人のエデンは何度も脱出を図るがその都度捕まり、他の奴隷が代わりに殺されていた。
一方、現代。ヴェロニカは人気作家で博士号を持つ社会学者として働き、夫と娘と3人で幸せな毎日を送っていた。しかし、ある日、講演会を終え、友人たちとディナーを楽しんだ後、タクシーに乗ると頼んでた車と違ってて・・・何が起きたんだ?という話。
エデンとヴェロニカの関係がわかるまでドキドキして観れた。
南北戦争当時、奴隷が逃げる話は「ハリエット」で観てたので、同じような話なのかな、って観てたが、実は・・・なんだとわかりホッとした。
なかなか面白い脚本だった。
アメリカでは白人至上主義が現在も残っている事を皮肉ってるのかも。
とても良い映画
この映画の宣伝ポスターを見て、勝手にホラー映画だと思い込んでいました…スリラーですね、これは(笑)オバケの類は一切出て来ません…それらしい登場人物はいましたが…(笑)
ロッテントマトの評価は、30%/51%(2021年11月7日現在)とかなりの低評価ですが、時間が経つのも早く感じられるほどストーリーにすっかり引き込まれて、個人的にはかなり面白かったです。
テーマは、黒人や女性差別を扱っていますが、単純にミステリードラマとして楽しめる作品でした。海外の評価はあまり気にしなくても良いのでは?
…気になる方は、どうぞ!(笑)
全35件中、21~35件目を表示