劇場公開日 2021年11月5日

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「【"忌まわしき過去、思想は、決して死なない。"構成の妙に唸らされた作品。KKK思想が無くならない現代アメリカに強烈な怒りと警鐘を鳴らす作品でもある。】」アンテベラム NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0【"忌まわしき過去、思想は、決して死なない。"構成の妙に唸らされた作品。KKK思想が無くならない現代アメリカに強烈な怒りと警鐘を鳴らす作品でもある。】

2021年12月12日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

怖い

知的

難しい

"アンテベラム:アメリカ南北戦争以前を示す言葉”

ー 南軍の旗が掲げられた綿花農場で、自由に話すことを禁じられ強制労働をするエデン(ジャネール・モネイ)達の姿を見て、「ハリエット」や「それも夜は明ける」を想起したのは、私だけではないであろう。ー

<Caution !内容にやや、触れています。>

・男性優位社会における黒人女性の地位について、舌鋒鋭く語る現代作家ヴェロニカ(ジャネール・モネイ)の姿とエデンの姿の対比。この時点で、私は見事にミスリードされていた。

・構成と脚本のトリックに、もしや?と気が付いたのは、現代パートで南軍の高圧的な兵士を演じた俳優が居た時点である。

・そして、驚きの後半の展開。目が離せない。グイグイと物語に引き込まれていく。

<ジェラルド・ブッシュとクリストファー・レンツ共同監督の見事な二つの世界を一気に一つの世界に収斂させる手腕には、脱帽した作品。
 そして、見る側は、”南北戦争から150年経っても、世界は何も変わっていないのではないか!”という想いに駆られるのである。>

<2021年12月12日 刈谷日劇にて鑑賞>

NOBU