劇場公開日 2021年11月12日

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「中学校の先輩評論家が「良い!」というから、観たけれど、  今回も単なる 民主党の選挙対策映画だった。」ボストン市庁舎 YAS!さんの映画レビュー(感想・評価)

2.0中学校の先輩評論家が「良い!」というから、観たけれど、  今回も単なる 民主党の選挙対策映画だった。

2021年11月19日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

この映画は1本の電話からはじまる。
日本に当てはめれば
"'市役所 何でもやる課"
市長はどんな場面でも「私も皆さんと同じで、***なんです」と、同調して答える。
会話の中身を要約すれば「善処します」
いつでも同じで、対処はするが、根本的な解決はしない。

街には失業者があふれて、写しだされるが、それでも映画の説明では全米第2位の低さ。
働いていないのは教育が行き届かないアフリカ・中南米・カリブ系有色人種の中の一部であり、全体からすれば、たった0.2%とのこと。

また、映画の中ではいろいろな会議や現場での様子が延々と映しだされるが、
すべての会議 重要そうな会議でさえも、議事録を取る人間もマイクも録音機もない。本映画撮影以外ではカメラ撮影も、スマホ撮影すらもない。
もちろん内容を簡易メモする人もいない。
これでは単なるブレストーミングに過ぎず、何度繰り返しても何も解決はしない。
市としてはいろいろな意見をアリバイづくりの為に ガス抜き・はけ口として、取りあえず話を沢山聞くが、根源解決に向けた
市としての新たなる独自の試みはせず
あくまで国や州の下請けでしかない。
まるで我国の40年前の役所を観ているようだ。

近年の日本では、役所建物外では ひとめで役人と判るように、役所部署名が入った制服(作業ジャンパー)を着ている事が多いし
役所内では必ず名札を胸に付けている。
市民からすれば、固有名詞以上に、どんな立場の役職の人間が自分と話をしているかが、一目瞭然であり、それが解決に向けてへの重要な価値と補償になるのだが、
残念ながら、ボストン行政で行っている具体的な行動内容は、東京よりも数十年遅れたサービスである。
日本では行政を分業し、独立法人等が行っているような仕事でさえも
なんでも かんでも アメリカでは市政が直接に手を出しているようだが、それ故に横の繋がりだけは良いようだ。それは数少ない長所
諸問題についての対処は
縦割りが機能していない大阪と似たような行政スタイルなのかもしれない。

監督の試案らしいが、映画に登場する人物は誰が誰かが解らない テロップも名札もないので、 観ている対象が重要人物なのか 役人なのか 地域民なのか 貧困者なのかさえも判らない。
度々出てくる人がいるので、助役レベルの人がいるのかもしれないが。。。
映画の傍観者である我々には誰が誰だか判らないが、会議に参加している人間には お互い理解できている様子なので
それを 映画だからと言って、視聴者を傍観者として 更に外野に追いやる 意味はなく
会議に参加している人間と”同じレベルの知識”をテロップとして出してくれなければ、ドキュメント映画としての価値はない。
単に都合よく切り取られた”細切れ動画”集だ。
重要な場面をカットせずに、長回し するから、長い放映時間に成ったわけではなく、ひとつの案件に焦点を絞らせない為に
沢山の案件を詰め込んだので、長尺映画に成ったと 思われてもしかたない駄作映画だ。

映画を観ている我々に与えられているヒントは服装と髪形だけ。
しかし会話の内容を聞くと、役人 評論家 ブルジョア 貧困 という分類は外見でもすぐ判るし、肌の色も”層”によって違っている。
会話内容も、ネクタイをしている人間の会話は (英国ハイソ系どもりをする助役?はいたが)比較的に解りやすいが、
そうでない だらしない格好の人は 脚本がある訳でもなく、役者でもないので
無意味な会話をカツレツ悪く喋り、喋り方もだらしがない。。。
(例外的に、入札に参加できない事を訴えた零細企業を経営するカリブ系男性は、単ぺきで非常に判り安かったが )
そんな対話はネイティブでないと、内容が意味合いを含めて、正確に理解できなし、単語でさえも うまく聞き取れない。
よって、劇中の和訳が本映画では重要となるが、どうも訳したのが法律家ではなく、単なる映画翻訳者なようだ。

例えば、「貧困者の住居問題」「C国 大麻ランド店」といった内容が続く中で、
中盤での"道路事情"についての話題が2つ連続するが
その最初の問題では2シーン有るが、
2シーンとも、会話の結びに「verdict decree(判決)」と言う単語が発せられるが、このキーになる単語は訳されず、切り取られた口語体訳があるだけ。
単語から日本での”家庭裁判所”の警察署での分室であることが判断できるが
アメリカに住んでいる評論家なら、きちんと聞き取れると思うのだが、あえてとぼけているのか? 誤解している。
もしかしたら、純粋なアメリカ人が観ても 「敏速な市政である」と誤解をするのではないかとも危惧した。
2つ目の道路問題として、道路管理センターの場面が続くので、視聴者は勘違いするが、
前シーンは市役所交通課に与えられた現場権限ではない。

人種差別問題では「全米黒人地位向上協会(NAACP)」をNAACPとだけ記し、
対話中の市役所職員?はNAACPに対処を振ろうとしているが、NAACPを知らない日本人はそれが何かを示さねば、逆に翻訳とは言えないだろう。

そういう意味も含め 本映画は
和訳の下に会話を省かずに、そのまま きちんと英語で
'"文字お越し"してくれた方が親切で、的確だろう。
また本編にはテロップが入らないが、日本語版では文化や社会習慣説明する為の最低限な説明は必要です。
例えば、漢字でNAACPではなく
”全米黒人地位向上協会”とだけ毎回書いてあるだけでも、会話の方向性が解ります。

気に成った内容の1つはボストン市は市の貧困者0.2%を救う為には
アイルランド・カトリックを中心とするアングロサクソン系の大手大家(商工会議所 不動産会社部会)とは協力関係にあるようだが、
「立ち退き防止法」を駆使して小規模大家は干上がらせ、家賃が取れない、無実で可哀想で資本力がない小規模大家からは
市が物件を買い叩たいて、貧民に超格安で貸し与えようとする意図が4時間超という長い映画中にちりばめられていた内容で判るが
この回収して傷んだ家を市が修繕し、安定したのち、この物件は大手不動産業者に払い下げるようだ。
これは弱者救済というよりも、公金を使った淘汰社会の”露払い”でしかない。

行政が与えるものは 無料なモノや食料ではなく お金でもなく
人間の社会参加の意味でもある 仕事 です。
行政構造を改革をせずに、社会弱者を”生かさず殺さず”の食いつなぎをさせているだけでは、永遠に未来はないだろう。

"大麻ランド”問題もどう解決したか、しないのかを映画中で示さないと
「市には問題が沢山ある!」の1つを陳列しているだけで、
それは解決への問題定義でもなければ、何も生まない。

旧 州議事堂(テロップも何もないので、アメリカ人には解っても、日本人には解らない)を
何度か映す意味は 貧困層の分断 すなわち 旧奴隷制度がまだ解決していない事を言う為である事を示すべきところ
説明絵に”南北戦争”ではなく、見栄えは良いが的外れである”独立戦争”の説明絵をだす。。。
ボストン生まれであるフランス人ワイズマン監督が勝手に取り始めた問題定義映画ではなく
本作は”依頼された職業監督の映画”であることは明らかである。

この映画を観たら、「華氏 119」を観るべきだ。真の傍観者の意味が理解できており、
言われている内容さえも逆捻りしている良い社会派ドキュメント映画である。

YAS!
YAS!さんのコメント
2021年11月27日

大麻店の所で、
ポストは歓迎している と和訳が出てくるが、奥に位置する店舗から大通りまでに建っている数件の民家は該当しないようで、逆にこの対話集会に参加している。

ホストとは大家の事なのか?
これはアメリカ人がよく使う小づるい
印象操作としての 言葉づくり なのだろうか?

YAS!
YAS!さんのコメント
2021年11月20日

日本語「トラウマ」の事を 英語でも「TORAUMA」って言うんですね。
違う場面で違う人が言っていたので、頻繁に使われていて、びっくりしました。

YAS!