劇場公開日 2021年6月11日

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「人は歪な生きものだと言う事を分からせてくれる」漁港の肉子ちゃん とっぴんさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5人は歪な生きものだと言う事を分からせてくれる

2022年11月17日
iPhoneアプリから投稿

アマプラで視聴。
デブスで一般的に言う「碌でもない生き方」をして来た肉子ちゃんと、容姿端麗で聡明な娘キクコとの生活が面白おかしくも時に切なく描かれている。

話の流れとしては、序盤の肉子ちゃんの今までの男性遍歴を事細かにキクコの語りで展開されていくのだが、これがまた長過ぎて欠伸が何度も出て来るくらいだった。
本編が始まり、キクコの学校生活の話辺りからの展開が集中してみられる感じ。

個人的なこの映画の見どころは、肉子と同級生の二宮の個性(発達障害)に有ると思う。二宮は明らかにチック症の症状が見られるし箱庭療法の様なものを受けている。肉子ちゃんも急に陽気になって踊ったりお喋りも一方的な感じだし、人に裏切られ続けるほどお人好しな性質から頭も賢くなければ行動も辿々しい面が見られ、どう見ても定型発達だとは思えない人物である。

だが、その中でキクコの聡明で純粋無垢な性格が一際目立っており、彼らとの関わりによって自分自身を見つけて行く。それは、通常何不自由なく生きていたら見つからなかったものだったのかも知れない。二宮にセンターの教室で親友に対する本心を語った後に、自分を客観的に見出せた事は、彼女の成長でもあり、自分の中にある歪な一面を二宮の存在から気づけたのではないか?と私は感じた。

肉子との関係性もキクコの人格形成において重要な一面を担っており、これが本当の母親であったなら、あのキクコでは無かったのだと思った。キクコが肉子にブスでデブでそう言うふうにはなりたくない、だけど好き!と言った所や、二宮も言ってたがキクコといると楽と言う言葉にその意味があると思える。

個人的には、大人になったキクコの花嫁衣裳姿までが見てみたかったなぁと思った。
たかが半年程度の生活を覗いても「フーン。」と言う感覚止まりで終わってしまう。
話的には後ちょっと物足りないかなぁ?
と言った所。

肉子の大竹しのぶの声は正直あまり合ってない。
Cocomiのキクコは良かった。

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とっぴん