劇場公開日 2021年6月11日

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「原作小説を軽やかにアニメ化、肉子ちゃんの変幻自在なビジュアルと声の芝居を堪能」漁港の肉子ちゃん 五所光太郎(アニメハック編集部)さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0原作小説を軽やかにアニメ化、肉子ちゃんの変幻自在なビジュアルと声の芝居を堪能

2021年6月10日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

肉子ちゃん役の大竹しのぶ氏のパワフルで芸達者な芝居、キクコ役のCocomi氏のはまり具合が素晴らしく、本作を見てから原作小説を読むと2人の声が聴こえてくるようでした。
肝っ玉母さん風の肉子ちゃんはアニメならではの誇張表現で変幻自在に動きまくり、精緻な画面構成と西洋絵画のような背景美術も見ごたえたっぷり。クオリティの塊のようだった「海獣の子供」を手がけた渡辺歩監督、キャラクターデザイン・総作画監督の小西賢一氏、美術監督の木村真二氏らの仕事を堪能できます。「となりのトトロ」オマージュふくめ、制作陣が楽しみながら軽やかに原作をアニメ化したように感じました。
肉子ちゃんたちの自宅を漁港内の小型船に変更するなど、ファンタジー要素を交えたポップな作劇になっていますが、原作の芯の部分はしっかりと描かれ、明石家さんま氏の名言「生きてるだけで丸儲け」を体現したような人間賛歌のドラマが貫かれています。

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五所光太郎(アニメハック編集部)