「一見無茶苦茶なお笑い映画に見えるけど、女優さんのチョイスが絶妙で、内容も意外と細かく計算されている素晴らしい映画だった。」地獄の花園 Push6700さんの映画レビュー(感想・評価)
一見無茶苦茶なお笑い映画に見えるけど、女優さんのチョイスが絶妙で、内容も意外と細かく計算されている素晴らしい映画だった。
『マジすか学園』見てAKBにはまり、その後アイドルを好きになっていった人間としては、こういう映画を待ってましたという感じがした。
こういうのやろうとすると、高校生になりそうだけど、高校生でないところが素晴らしい。
高校生だとすでにいろいろなヤンキーものがあるし、それこそAKBの『マジすか学園』みたいになる可能性がある。
それを避けながらも、うまくパロディーとして利用しているところがすごい。
あと高校生にすると出演者にも問題が出てくる。
男子ならいいけど、女子だとイメージ的な問題が出てくるから難しいような気がする。
売り出し中の若手女優さんはこういうのやりたがらないだろうし、今更AKBでもない。
坂道グループは基本清純派だからやらないどろうし、それ以下のマイナーなグループでは集客が難しくなる。
だから高校生ではなくてOLで、ある程度立ち位置が決まっている女優さんになるのかな?と思った。
でも、それが逆によかったというか素晴らしかった。
皆立ち位置が決まっている有名どころの人だから、演技うまいし、役作りもうまい。
アクションに多少問題はあるけど、いろいろな演出でカバーしてたし、あくまでコメディーで、本格アクション映画ではないから、これで十分かな?と思った。
それにOLということだと、バカリズムさんがやっている『架空OL日記』みたいなネタも使えるので、アクションとアクションの間や最中にガンガン入れていて、そこが普通にやるより抜け感があって笑えた。
出演者は全員よかったけど、やっぱり永野芽郁さんがよかった。
ヤンキーなイメージはないけど、すごくよかった。
ここ数年見た中では一番かもしれない。
可愛いいし、かっこよかった。
特にラストシーンがよくて、この映画のいろいろな要素を永野さんが後ろ姿で語っていて、台詞はないんだけど、意外に最高なラストシーンだった。
広瀬アリスさんもよかった、妹でなくてお姉さんの方を選択してるのがいいと思った。
顔がロッテの外人のマーティンに似ていて、本当に強そうだし、表情がよくて、演技もうまくて、アクションもできて、文句のつけようがなかった。
川栄李奈さんもよかった。
川栄さんはAKB時代に『マジすか学園4』に出演していて、マジ女四天王の一人”バカモノ”をやっていた。
いろいろ思い出して懐かしかったし、女子ヤンキードラマの『マジすか学園』にも被せてくるところがすごいと思った。
菜々緒さんもよかった。一時期、清純派になろうとしているような時期があったけど、やっぱり菜々緒さんはこういう役をやってくれないと困ると思った。
キャラ的にはこれ以上ないくらいピッタリだった。
他の人もよかったけど、意外によかったのは女性の役をしていた遠藤憲一さん達の男性陣。
滅茶苦茶なありえないキャラクターに見えるけど、いることによって映画が安定していた。
ありえない話に、更に絶対ありえないようなキャラクターを出すことで、ありえるようにするというか、ありえないけど面白いから別にいい、みたいな気分にさせられた。
一見無茶苦茶なお笑い映画に見えるけど、女優さんのチョイスが絶妙で、内容も意外と細かく計算されている素晴らしい映画だった。