グリード ファストファッション帝国の真実のレビュー・感想・評価
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いい問題提起、だけどCGライオンが……
搾取の権化のような大手ファストファッションブランドの商売の構造と、元締めの成金マクリディ(アルカディアグループのフィリップ・グリーン氏がモデル)に降りかかる皮肉な報いを描く話。存命中の人をネタ元にしてこの扱い、相変わらず洋画は自由ですね。
マクリディの還暦記念パーティー直前から話が始まり、彼の自伝を書くため張り付いている記者や本人などの回想によって過去の彼の生い立ちや成り上がる過程、抱えている訴訟のことが語られる。5日前、数ヶ月前、数十年前と結構せわしなく場面が切り替わる。
マクリディのキャラは、とにかくサイコパスという感じで、搾取のピラミッドの頂点に君臨出来るのはこれくらいゲスで、人の気持ちなんぞ考えたことないくらいの人間なのかなと思ったりした。彼が売る服を作るスリランカの工場の人の境遇に考えが及ぶなら、低賃金の現場の製品をさらに買い叩くような商売はとても出来ないだろう。
富豪のマクリディは、大金を払ってパーティーに有名人を呼ぼうとする。この流れで、いろんなスターご本人がちょっとずつ顔を出す。コリン・ファース、キーラ・ナイトレイ、ベン・スティラーなどなどなかなか豪華な顔ぶれだ。マクリディが窓辺で奥さんといちゃつく場面では、窓の外でジェイムス・ブラントが弾き語り。何やってんですかこんなとこで。
U2のボノは出演はしないが、節税方法をばらされたりしている。この辺はくすりと笑えて楽しい。
実在の実業家への皮肉をぶちまけていい問題提起をしている作品だと思う。スリランカの縫製工場やミコノス島にたどりついた難民の描写、エンドロールで提示されたデータなどは興味深い。娘が参加していたリアリティーショーの撮影の、小馬鹿にしたような描き方も上手い。
ただ、切り替えの多い映像と、マクリディとその母親以外のキャラが、人数が多い上個々の存在感が薄いことがあいまってか、全体的にパンチが弱く散漫な印象だった。ほぼ皮肉のブリティッシュジョークも、心置きなく笑えるようなツボからはちょっとずれていた。
加えて、CG感満載のライオン……。初見でこりゃ何かやるなと思わせる重要キャラなのに、あのふわふわした動きはもうちょっと何とかならなかったのだろうか。
モデルのグリーン氏の、実際のセクハラパワハラ横領などの醜聞をあらかじめ聞き馴染んでいれば、それと英国ジョークを英語で聞き取れる耳があればもっと笑えて、そんな細部はまあいいやと思えたのかも知れないが。
過去の報道によると、マクリディ役は当初サシャ・バロン・コーエンを起用する予定だったそうだ。正直そのパターンも見てみたかった。
勤勉を地で行く監督が描く“強欲”、その行き着く先は…
最初に感じたことは「ウィンターボトムは健在」だということ。
ある人物や現象(データ)から時代を照射し、抜群の音楽センスでセレクトした曲に乗せて短いカットを重ねていく。時制とフォーカスする人物は常に複数あり、PCのモニター越しの映像にも細心の注意が払われる。監督の勤勉な演出スタイルによって歪な現代社会が浮かび上がってくる。
パーティへの5日間のカウントダウン
ファストファッション企業のM&Aで荒稼ぎし「卿」の称号までも与えられた男リチャード(スティーブ・クーガン)。
パーティ開始へのカウントダウンには、彼の生涯をまとめる伝記作家の視点、まるでカードゲームの駆け引きのように値切ることに勝利の愉悦を求め続ける姿、会場設営の進行、審問会での振る舞い、公共ビーチにたどり着いた難民たち、娘が出演するリアリティショーなど、複数のファクターが巧みに配されていく。
彼はいかにして業界に足を踏み入れ、どのようにして巨万の富を手に入れたのか。罵声だらけのパーティ準備の行き着く先には、予想だにしないとんでもない結末が待ち受ける。
7対93の不均衡。
世界に7%しか存在しない超富裕層(スーパーリッチ)と、搾取され続ける残りの93%。
史実に沿わない『グラディエーター』を模したローマ帝国のはりぼて円形競技場。虚飾の会場に招くビッグスターだってお金で買える。でもそのギャラは、パキスタンのお針子さんの時給を削って得たお金だ。
世界に蔓延する社会の闇、刻一刻と進む格差。奴隷のような姿をさせられたパキスタン女性アマンダの涙は、93%の嘆きなのかも知れない。ラストで彼女が押すボタンは、時代に対する警報であり、強者とされる7%に対する警告なのだ。
余談
クリストファー・ノーランが『ダンケルク』撮影前に参考にした13本の映画の中に、1924年のサイレント作品『グリード』が入っていた。
純粋である故に残酷な一面を持つ巨躯の男が美しい女性を娶る。だが生活は困窮、いつしか金の亡者となった妻にも裏切られてしまう。やがて日銭すらもなくなった男は妻を襲い金を奪う。強盗となった男を妻を寝取った男が追う。2人が行き着いた先は灼熱の砂漠。
いくらお金があっても、命をつなぐ水がなければ人は生きていけない。すべては強欲が生んだ顛末なのか…。
この怪物の姿から世界の現実が見えてくる
英ファストファッション・ブランドの創業者を主人公に、その強欲ぶりが周囲を構造的な泥沼へと引きずり込んでいく様を描いた社会派コメディ。彼の華美すぎる還暦パーティーがギリシアの島で着々と準備される模様と、幼少期から語られゆく半生、それに公聴会や伝記作家の目線を通じて数々の所業が明るみになる流れを織り交ぜ、”リチャード・マクリディ”の怪物性を痛烈に浮き彫りにしていく。どんな些細な交渉でも無茶を言い、掻き乱し、相手を困らせた挙句に好条件を手にしてほくそ笑むーーーーそんな他人の屍の上に牙城を築くような姿にムカッ腹が立ちつつも、そこに漂うギリシア神話的、シェイクスピア的な香りが、やがて訪れるであろう審判の時をひしひしと予感させる。多くのウィンターボトム作品と同様で好き嫌いは分かれそうだが、我々の意識を自ずと「世界の裏側」へといざなう趣向は変わらず。この監督の一貫したメッセージを感じずにいられなかった。
強欲なんてレベルじゃない
実在の人物をモデルにしているが、内容はかなり脚色されている。特にラストは完全な創作である。
多くの人が東南アジアなどでの低賃金労働について書いているが、「ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ」と同じように起業家を見る作品だ。そして「ファウンダー〜」の主人公と同じように本作の主人公マクリディ卿はサイコパスである。
サイコパスと聞くと連続殺人鬼などを想像するかもしれないが、実際は数十人に一人はサイコパスであるらしい。学校のクラクに一人か二人はいたということになる。サイコパスだからといって全員が人を殺めるわけではない。それどころか会社経営者などにサイコパスは多いという。
サイコパスの一つの特徴として自分の欲望に忠実だというのがある。言い換えるならば自分以外の人やものに対し敬意を持ったり尊重したりしない自己中心的なのだ。
つまり、自分の望みのために誰かが死ぬことになっても、そんなこと知らん。という具合だ。
マクリディ卿はサイコパスなので、事業に邁進するあまり回りが見えなくなったのではない。最初から見てなどいない。
そのあまりに自分本位な行いは本人の気づかないところでギシギシと軋み、ふとしたきっかけで決壊し悲劇を生む。
しかし本当に悲劇だったのだろうか。主人公はマクリディ卿だが、誰の視点で観るかによって感情は違ってくるように思う。悲劇はもっと前に起きていたのかもしれない。
時間軸をイジり娯楽性を生み出そうとしているところは好感が持てるが、実際、面白くなったかというとそうでもない。
物語が複雑化して何の話なのか分からなくなり、焦点が定まらない。
しきりに話す「グラディエーター」から察するに始めからずっと復讐の物語だったのかもしれないが、それにしては少々尾ヒレがデカすぎる。
副題になっているファストファッション帝国の真実に目を向けても、ファッションに疎い自分は知らないブランドであったし、作中でZARAかどっかを倒すとか言っていたけれど、昨年か一昨年にアパレル業界の世界売上げトップがユニクロになってしまったのでイマイチ盛り上がらなかったかな。この辺も超有名なマクドナルドを扱った「ファウンダー〜」とは違った。
まあ作品は面白かったんだけど。
12時間労働、きついなあ
実在の人物をモデルにしての話だが、トップになるにはこのくらい傲慢でないと無理なのかな。それにしても腹立たしいほどの傲慢さ。
あの誕生日パーティーも悪趣味で品がない。
ライオンのシーン、気の毒というよりも、ちょっといい気味、と思ってしまった自分が怖い。
山分けはしないけどね
本当に嫌な話、現実なだけにやるせ無い。ライオンが出て来た時点で何かやらかすのだろうと思ったが、その終わり方はちょっと。死んだら英雄ですか?それまでの罪は帳消しですか?ちゃんと裁かれて本人も叩かれて辛い目にあって欲しいと思ったのだが、トランプの様に何度でも懲りずにやる奴もいるしなぁ。モデルの人も現実にはどうだか。下請け縫製会社の問題は色々と言われているが安さの上にはああした実態があり、一部の人が吸い上げ還元されない社会。頭のいい人そんな自分だけ考えないで、少しでもみんなが幸せになれる方法を考えてください。お願いします。
コンテクストが参照しているテーマはアクチュアルだけど、焦点が定まら...
コンテクストが参照しているテーマはアクチュアルだけど、焦点が定まらない。群像劇というには浅い。会社を買収して、利益を取って潰すやり口はすでにあり、本当に何とかならないのかと思う。
今日着ていたワイシャツがメイド・イン・バングラディッシュだった・・・気まずい
ベン・スティラー、コリン・ファースなどが誕生日の祝辞に登場してビックリ仰天。そして意外な結末へと向かうのですが、とにかくエンディングでの解説が最も心に響いた部分でもあった。
まぁ、とにかく酷い成金男リチャード・マクリディ卿。経済的に成功するにはドケチで値切りが桁外れでないと駄目だという見本のような男。ハリウッド映画でも交渉シーンはよく見かけるけど、提示額の半値以下、ひょっとすると3割くらいからスタートするえげつなさ。その値切りの結果の悲話として、貧困国の縫製工場で仕事をスピードアップしなければ採算が取れなくなったため、手の遅い女性工員が憂き目に遭うといったエピソードがあった。
資本家による搾取を目の当たりにして、憎たらしくてしょうがないリチャード。母親の態度も酷いものだった。ファストファッションなんていうのも、日本では〇ニクロとかが代表だったと思うのですが、この〇ニクロも最近は値段が高い。昔は安物としてバカにされていたのに既にブランドとして確立しているのも不思議だ。
かつては中国なんかにも下請けに出していたのに、今では業種によっては日中逆転現象も起きているし、今後もどうなるかわからない。ふと思い出したのが、BTTFで1955年のドクが日本製品をバカにしていたシーン。現在の日本の最低賃金はG7では実質的に最下位であることから、将来の国際的企業格差の変遷も気になるところです。
個人的にはタクシーの賃金を値切るというのが許せなかった。日本だと法律に守られてるから、即警察に直行ですけどね・・・
ラスト、衝撃的
ファスト(なのか⁇)ファッションのやり手経営者が近年の凋落イメージ払拭のためにギリシャのエーゲ海の島で大掛かりな誕生日パーティーを開催する。
彼は大学時代からギャンブルでの金稼ぎに目覚め、他人を陥れては荒稼ぎし、今では開発途上国でタクシー代を4分の1に値切るほどセコく、それが彼の経営ポリシー。
スリランカの縫製工場での過酷な労働環境や、パーティーが行われるギリシャに辿り着いたシリアの難民も描かれる、社会派コメディ。
輸送で疲れてすっかり大人しくなったライオンが、主人公の息子が餌に混ぜたクスリと、ド派手パーティーの花火とで興奮し、檻に来た主人公を陰で見ていたスリランカ出身の秘書が何となく檻の鍵を開け、傲慢な主人公がライオンに立ち向かった結果、喰われてしまう、というのは痛快。スリランカの女性は帰国し母国のために働くが、主人公の息子は、どうやら父のキャリアをなぞるようだ。こういった悪徳企業はなかなか減らない。
もうっ、嫌なヤツね!
いやぁ、実際の人がモデルって後から知って、
ここまでディスるって、やっぱスゴいなイギリス。
スティーブ・クーガンの演技が達者過ぎて、
もう、ホンマにサイテーやな、この男!って終始思ってた。
いくらデフォルメされてるからといっても、だいぶブラックだよ。
ただ、こやつの最後だけど、薄情かも知れんが、
可哀想とかひとつも思えんかったな。
それよりも、檻の扉の開けるのボタンを押しちゃったあの子が、
心に闇を残してしまわないかが心配でした。
そこ、もう少しフォローして欲しかった。
しかし、先進国と発展途上国の格差、労働条件、身につまされるものがありました。
小さいながらも少しの意識改革が出来たことは、自身にとって観て良かったです。
言いたい事は一番最後
ダラダラと成金描写が続くのだが、ちょこちょことした小ネタにちょっと笑えたり笑えなかったり。
イタリアが呼んでいるの時にも散々やられたのを思い出した。いとしきエブリデイはしみじみと良いお話だったのにな。
皮肉に成金描写をするならば、サシャバロンコーエンが降板してなければもっと面白かったんじゃないかと想像してしまった。
【クルエラとセットで/毛皮を止めても搾取は継続?】
エンドロールのテロップを見ると衣料業界の発展途上国を中心にした搾取の状況を訴えたかったのだと感じる。
毛皮や皮革は残酷だから、今後は使用しませんなんて宣言したブランドがあったように思うが、労働搾取は許されるのか、誰か聞いてほしいものだ。
こうした搾取は、なにもファッション業界だけの話ではない。
業界を変えれば、遥か昔から行われていた。
バナナや紅茶の大規模プランテーションは典型だ。
特に、紅茶栽培の労働環境は、超低賃金なうえ、過酷であることが知られている。
関わってる企業は先進国の有名な企業だ。
今現在については確認できないが、日本の割り箸の殆どが東南アジアの木材を伐採したもので作られていたこともあった。
日本のスギなどの間伐材を使うより、もっと安かったからだ。
最近のメキシコのアボカド栽培が環境問題を引き起こしているというニュースも同様だ。
欧米や日本でアボカドの人気が高まり、作付けを増やしたところ、土壌が痩せ細って、アボカドはおろか他の作物を作るのも困難になるかもしれないということだった。
ファッション関係に話を戻して考えてみても、縫製作業以外でも、最近の、中国による新疆コットンの搾取状況は、これを製品に使っているとして、アメリカがユニクロ製品を輸入禁止にしたほか、H&Mやナイキが、原材料としての使用を中止したことで、注目が集まった。
日本の製造業でも、最上位に位置するメーカーが、下請け企業に厳しいコストカットを迫ったり、建設業界が、下請け、孫請け、ひ孫受けと下に行けば行くほど、実働に対する利益は小さくなることは、似たようなものではないのか。
コロナ禍のもとで、政府が主導した、マスク配布や、給付金関連の仕事も、類似した構造で成り立っていて、落札した企業は、利益を中抜きして、その更に下請けが実働を請け負うことになるのだ。
ファストファッションや、スマホなどについて言えば、企画は最上位に位置する企業が行い、自分達は工場などは持たず、組み立ては別会社で、そこが搾取的な労働環境にあっても、知らぬ存ぜぬが基本のような気がする。
そういうことがないように管理しているという企業もあるかもしれないが、本当に管理できているのか、どのように確認しているのかなどについて説明できるところが、どの程度あるのか、定かではない。
まあ、最後のライオンの場面は、あまり気持ちの良いものではないが、買収、借金、事業閉鎖、倒産、事業譲渡などを繰り返し事業を拡大、肥え太るプロセスなども含めて、上手くまとめてあると思うので、社会勉強として観るのには良いかもしれない。
法治国家の中での事業のうつろいや節税はともかく、やはり、搾取は良くないと思える人が多くいることを願う。
毛皮や皮革は動物に残酷だからというこであれば、人間にとって残酷な搾取も止めれば良いのだ。
寓話としてはアリかなぁ?
どんな真実をみせてくれるかな?と
楽しみにしながら鑑賞です。
真実というか、数字としての事実は
エンドロール寸前のちょっとの時間のみ。
それ以外は、創作なのかな?それとも
なんらかの事実がベースになっている
のかな?真実かどうか?は不明の
物語です。僕としては寓話として
捉えたいですね。
本作は製作者側が持っている感情を
爆発しているような作品かなぁ?って
思います。分断が進む世界を憂い、
超金持ちへの印象がよくない。
というか、フェアーに商売してないよね!
自分たちだけ儲かればいいと思ってる
んだよね?って気持ちが全面に。
さらにそのリッチな方々への苦言が
映像になって展開していきます。
偽物、ハリボテ、やらせ・・・
イミテーション・オンパレード。
さらにハラスメント・オンパレード。
かなり偏った表現だなぁって思いますが
ラストに向けて必要な煽りかなぁ?
でも、制作サイドはこうなって欲しい
のでしょうね。だって、大嫌いな人の
メタだもんね(笑)
確かに胸糞展開でラストの数字を
見るとけしからーん!なんて思っちゃう
けど、その辺りは冷静に考えたいかな。
カメオ出演とそっくりさんに紛れ込ませた社会派メッセージ
昔売れたアーティストが本人役で出演して、笑いにしようとする映画がたまにある。それが大好きなアーティストだったりすると切なさは倍増だ。「なんちゃって家族」という映画にベン・フォールズが出てきたときには少し切なかった(反動でめっちゃ笑えたのも事実)。
本作でもあるアーティストが本人役で出演し、あの名曲を歌う。本物?そっくり?と怪しんでしまうのも本作の特徴。有名人のそっくりさんも多数登場するから。ただし、いろんな有名人がちゃんと本人役で出演していることも確かではある。DJやってたのはファットボーイスリム(ノーマン・クック)だった気がするんだけどな。
肝心のお話は、前半過去と現在の切り替わりが若干わかりづらいので少し退屈。ファストファッションの成功者であるリチャードが、威厳を保つために開催する誕生パーティーを軸に、彼の栄光の裏側を描いていく構成。コメディなのかサスペンスなのかヒューマンドラマなのか、どう受け取ったらいいのか戸惑ってしまった。結局、最後の説明を観て、社会派なメッセージを伝えるための映画だったのかもしれないと納得。
リチャードが築き上げた帝国はとても危うい。途上国の安価な労働力がないと成り立たない。植民地政策を取る帝国主義的な構造だ。そして、その子どもたちがそれを引き継いでいくってこともある意味帝国的。富の集中という現代社会の闇をこんな形で伝える映画があってもいい。
富の象徴「白」とABBAの曲がピッタリ過ぎて笑
なんて白が安っぽく見えてしまうの?
白は富や権威、権力の象徴であるが主人公の白すぎる義歯は何かニセモノ、胡散臭さを感じてしまう笑。
ファッション業界と階級社会や格差を皮肉る映画で、バックに流れるABBAのmoney…の曲がピッタリ過ぎるのは映画を観た人ならば感じるのではないかなぁ。
映画の題名「グリード」は強欲!まさに主人公のマグリディそのままである。自身の誕生日祝いをギリシャ・ミコノス島で行う為にやってくるのだが、リッチ感がニセモノにしかみえないのは映画の意図にハマっていた。
2021年の今、ファッション業界の世界的変化をみてみると、この主人公の栄光と転落が納得できる。
1980年代はDCブランドブームで高価できらびやかなファッション黄金時代、1990年代後半から2000年代はファストファッションが業界を走っている。そして、2010年は安価な商品製造には、開発途上国の労働力を利用し衣服の消耗化が加速して問題が山積みである。映画を通して、富と貧困、男性と女性、資本主義の闇など様々考えられた映画であった。また、視覚だけでなく音楽がバッチリハマりすぎてました笑
ABBAの「money、money、money」ってすごい曲‼︎
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