「ドイツの葛藤」ハイゼ家 百年 りやのさんの映画レビュー(感想・評価)
ドイツの葛藤
旧東ドイツ出身のトーマス・ハイゼが、自身の家族を通してドイツの近年約100年の歴史について語る全5章で構成されるドキュメンタリー作品。
ハイゼ家で19世紀から保管されてた日記、手紙、作文、メモ、写真、などの遺品を紹介しながら、ハイゼ監督自らの視点で218分語るもの。第一次、第二次と2度の大戦の様子、ナチスの台頭、ホロコーストの記憶、冷戦による東西分断、秘密警察シュタージによる支配、ベルリンの壁崩壊、そして冷戦後も国家により希望を打ち砕かれる旧東ドイツの人々。移民排除の実体、など激動の100年をハイゼ家の歴史から振り返るものとなっている。
前半はトーマスの母、ロージーの恋愛物語などをメインに置き、後半は第二次世界大戦後の東ドイツの惨状に趣きを置いたように思った。ドキュメンタリーなので手紙や写真などを写す場面も多いが、現代ドイツの鉄道や道路などのあまり関係のない風景の動画をバックに字幕を読むスタイルで結構疲れた。
ドイツは東西冷戦後も統一ドイツに向けての大変な苦労を経験しているんだと改めて知ることが出来た。
原題は「家とは時間で構成された空間」って意味みたいだけど、確かにそうだなって思った。
長くてしんどいけど、鑑賞できて良かった。
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