ミナリのレビュー・感想・評価
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キーパーソンおばあちゃん
TOHOシネマズ六本木ヒルズにて試写会鑑賞。
前評判が高いだけに期待値も高まった中での鑑賞となったが期待以上に楽しめた作品であった。
予告でうたってる通り韓国から移住してきた一家の物語。ただこの一家はすでにアメリカに移住してきて何年も経っている為アメリカ生活が一からスタートなわけではない。ただこの度農場での成功を目指す事を一家の主であるジェイコブが決意し、都心部から田舎に移りそして家もトレーラーハウスとなる。奥さんも娘も不満と不安を抱く。
経済面ではマイナスからのスタートなるため奥さんの収入も必要。まだ子供達も小さく、長男に限っては心臓の病気を抱えている事もあり母方の祖母を韓国から呼び一緒に暮らす事となる。
そのおばあちゃんがこの作品の鍵となる。ガサツな性格から時には孫達に毛嫌われる事も多々あったが、孫達が初めて目に、耳にする事や知恵を与える事もある。そうして距離が縮まっていく。
おばあちゃんのおかげもあって長男の病が治りかけたと思いきや、終盤に脳卒中を起こしてしまいそれによって体が不自由になり最後は火事を起こしてしまう。
農家として生きる光が見えてきたところでの火事だっただけにジェイコブは残念がっていたが、同時に火事によって離れ離れの生活を送る決断をしかけていた家族が最後は一つにもう一度なる。
主人公が移民という事もあって当初は差別やらそういった苦悩に悩まされる作品なのかなと思っていたが決してそうではない。
厳しい道のりに進むが故に厳しい運命にそして不運にぶつかりながらも、家族が力を合わせながら乗り越えていく。その姿が時にはユーモラスに、時にはハートフルに描かれておりとても楽しめる。この辺りがとても見易く変にメッセージ性が強かったり、強く推してくる作品には感じずラフに見られる。比較的ポピュラーな作品にも思える。
予告の段階ではてっきり重い作品なのかなと思ったがそうではないため気兼ねなく見られる。予告で気になる人には勧めたい作品である。
個人的にはハートフルな部分よりもユーモラスなシーンの方が印象的だ。
特に長男とおばあちゃんのやりとり、攻防にはいくらか笑わせてもらった。
特に好きなのは長男がおばあちゃんにおしっこを飲ませ、そのあとに味の感想きくくだりはこの作品で1番クスッとさせてもらった。
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