劇場公開日 2021年3月19日

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「ミナリ ワンダフル!」ミナリ kumiko21さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5ミナリ ワンダフル!

2021年4月11日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

50年代の朝鮮戦争を経てなお、60-70年代軍事政権下にあった韓国からは、多くの若い人たちが自由を求めてアメリカに渡っていた、なんてことを意識したことがなかった。私が見た中では初めての設定の映画だった。移民の子ども同士は英語、親と話す時はハングル語だ。我ら平たい顔族の子ども、可愛かったなあ。
家族のためと言いながら、仕事を成功させることに集中しすぎて、自己実現願望で家族の心の機微が読めていない父親というのは、どの時代、どこの国にもある話なのだろう。夫婦の諍いもまあ色々あったけど、白眉は初対面の「おばあちゃんと孫の少年」の関係性の物語だった。過保護なママとは違う異文化を引っさげて、韓国からやってきたおばあちゃん。ずっとハラハラさせられるマイペースっぷり。そしてラストのタイトルバックに「全てのおばあちゃんに捧ぐ」と縦書き。何だかほっとする。
病んでも、多少ボケても、人ってそこにいることでいろんな置き土産を残してくれるんだなあ。自信を持って年取っていこう、求められる限り、人と接していこうと思った。
祈る人と祈らない人の対比の表現も面白かった。
アーカンソー州、田舎度高そう。クリントン元大統領の出身地。

Kumiko21