「移住韓国人一家を描いた小品」ミナリ 山の手ロックさんの映画レビュー(感想・評価)
移住韓国人一家を描いた小品
アメリカに移住し、南部アーカンソーに農場を開こうとする韓国人一家の苦闘を描く。全編ほぼ韓国語ながら、今年のアカデミー賞6部門にノミネートされたとのことだが、家族に焦点を当てて、淡々と描写を積み重ねていく小品の味わい。
光と風の揺らめき、一家の雑魚寝といったあたりは、日本の河瀬直美作品、是枝裕和作品と似た感じもある。
韓国から出てきて同居する妻の母親が、韓国らしいキャラクター造型で、作品のフックになっているが、ストーリー展開への絡ませ方は、ちょっとつらいものがある。心臓に持病を抱えた長男が走ることで、希望を感じさせるが。
十字架を運び、悪霊祓いのようなことをするポールの存在を含め、作者のキリスト教への想いは、よく理解できなかった。
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