「期待した割には…」ミナリ shantiさんの映画レビュー(感想・評価)
期待した割には…
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表層的で深みが感じられない平坦な映画。韓国移民の話だから、当然アジア系への人種差別の問題があるにもかかわらずそこには一切触れず家族だけに焦点を合わせた内容。一人一人の人物の心理もどっち付かずで、面白味に欠ける。かなり以前にフジテレビのドラマで古谷一行主演の「オレゴンから愛」というこの映画を彷彿させる日系移民のドラマがあったが、そちらの方がストーリーも上手く描けていた。この作品が既に何らかの賞を獲得したのは時代なのかもしれない。非白人的な視点で、人種の多様性を意図しやすいキャスティングと背景に、ここ数年アジア系の作家に注目が集っている今のタイミングが重要なのかもしれない。アカデミー云々が騒がれているようだが、果たしてそれに値するのかどうか…疑問が残る作品だ。ミナリ(芹)という題名も雑草よろしくどこでも育ち、金のある無しにかかわらず、広く誰もが口にする野菜という逞しさ、強さを象徴しているのだが、それもお座なり程度である。
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