スペンサー ダイアナの決意のレビュー・感想・評価
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間と表情
この映画は、間と表情の映画だ。
セリフとセリフの間に、ダイアナを演じるクリステン・スチュワートがつくりだす表情が、この映画の緊張感と感情の動きをつくりだしている。
脇を固めるのも、サリー・ホーキンス、ティモシー・スポールなど役者揃い。
まったく知り得ない英国の皇室に入ったダイアナの戸惑いと葛藤を寓話的に象徴的に描き出している。
クリステン・スチュワートの演技が、アカデミー賞主演女優賞にノミネートされたことも納得できる作品。
ある意味、彼女の出世作にもなっていくことだろう。
【追記】この映画はフィルムで撮影されているそうです。画に独特の雰囲気があるのはやはりフィルムだからなのか、気のせいなのか…。
#167
王室との別れ
チャールズ皇太子との別居、そして離婚へと至る心境の変化と決意を丁寧に描いてみせる。パブロ・ラライン監督が『ジャッキー』に続き、またしてもひたすら悲しんでは悩み苦しむ女性を描く。美しい衣装、美術、そしてそれらを切り取る撮影もまた秀逸で、本当に引き込まれるものがあった。
作中でクリステン・スチュワート演じるダイアナが自傷行為に走る(夢/妄想含む)描写が何度かあるのだけど、そのどれもが見ていてなかなかにヒヤヒヤとするショッキングかつ痛そうなもので、歴史ドラマというよりはもはや心理スリラーだった。かごの中に捕らわれた鳥は息の詰まる思いをしてきて、とうに限界に来ている。そうした極限の精神状態をクリステン・スチュワートは言葉少なくも見事に体現していた。
どうせ体重の半分は宝飾類だもの。クリスマスシーズンを楽しんだ証拠にこの屋敷から出ていくときは1キロ以上体重増やさなければいけないというルール。寒くても冷房を入れないというのは習慣はある意味で王室のイメージというか、人間的な温かみが損なわれているように思えるし、あるいはダイアナを歓迎していないようにも受け取れた。唯一心を開けるのはサリー・ホーキンス演じるマギーだけ。
プル!夫の不貞を表す真珠のネックレスという小物使いに彼女自身の精神状態を重ね合わせるアン・ブーリンや狩りのために育てられ放たれるキジ、そして彼女の内面世界を掘り下げる生家。そうしたメタファーが終盤で畳み掛けるように爆発するさまは圧巻で、最後にはなんとも言えない映画的カタルシスをもたらす抑圧からの解放。お洒落すぎない中産階級的なものが好き、ファストフードも。
♪All I Need is a Miracle
勝手に関連作品『ブロンド』『マリー・アントワネット』『ジャッキー』
P.S. バブアー着たくなるな
後ろのオバ(ア)サン2人組が椅子蹴りすぎだったしエンドロールで喋るし何じゃ!あぁ〜思い出したらムカつく!! 斜め前のオジサンは呼吸音を口で言っちゃうみたいな音ずっと出してたな、途中もはや歌みたいになっていた。
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