スペンサー ダイアナの決意のレビュー・感想・評価
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クリステン・スチュワートじゃなかったら見てない作品
大好きな女優の1人、
クリステン・スチュワート。
「スペンサー」が、ダイアナ妃として
生きていかなければならない苦悩を描く。
本作は彼女の演技が凄まじい。
耐える、ただひたすら耐える…そして、
見てる自分たちも耐える。
演技がスクリーンを徐々に飛び出してジワジワと
劇場全体を包み込むような、そんな感じ。
タイトルの出方からも、それを感じる。
車で道に迷い、やっと宮殿に入ると
「SPENCER」のタイトルが出る。
サリー・ホーキンスを見るとホッとする。
映画「シャイニング」を思い出した
本作が事実か創作かは問わない。
なぜだろう?全然違うのに、
本作を見てたら、映画「シャイニング」を思い出した。
見終わった後、思い返してみると、意外と共通点があるんだな。
・全体が主人公の内面描写であること。
・主人公が美しい建物に「取り憑かれ」ていること
・主人公が取り乱し、幻覚を見、正気を失っていくこと
もちろん結末は違う。
でも、ラストで主人公が子供たちと走るシーンを見て、
「王室という監獄」から逃げ出すんだ、
こんな豪華な建物でも、主人公にとっては「呪い」であり「監獄」なんだ、
そして、困難に立ち向かう女性への「応援歌」でもあるんだな。
ちょい難しい作品で、なかなか共感がしづらい部分もあるが、
今でも夫婦別姓とか中絶の可否とか、男女平等、同権の議論がなされる。
それが蔑ろにされながらも、立ち向かった女性を描いた作品でもある。
スペンサーは旧姓
実際の悲劇に基づく寓話、と冒頭に出ますが、事実に基づきながらもフィクション。
ナオミ・ワッツより似てるけど、言動などは、クリステン・スチュワートの意見も入ってそうです。
ウッドベースを使ったフィルムノワールな音楽や、不可思議なオカルト的な演出で、引き込まれました。
ダイアナ妃の事を知ってる方は、よく分かるでしょうが、
あまり知らない方は意味が分からない箇所が出てくるので、
今やってるドキュメンタリーを観てからの方が、ベストだと思います。
ドキュメンタリーの方も面白いです。
クリステンは、ダイアナ妃の細かい所作や英語アクセントを徹底的に研究して、撮影に挑んだそうですが、
たしかに、再現度が高いです。
面白かった♪
間と表情
【”私はアン・ブーリンにはならない!”故、ダイアナ妃が自らの生き方を決めた葛藤と決意のクリスマス3日間を、幻想的且つ厳粛に描いた作品。クリステン・スチュワートの渾身の演技、美しさ炸裂の作品でもある。】
ー クリステン・スチュワートの渾身の演技、美しさ炸裂の作品である。
”トワイライトシリーズ”で一気に脚光を浴びるも、その後ナカナカ日が当たらなかったが、漸く、日が当たった作品である。-
◆感想
・今作は、故、ダイアナ妃と当時皇太子だったチャールズのカミラ夫人との浮気発覚後の1991年当時の冷え切った関係を、エリザベス女王の私邸、サンドリンガム・ハウスで行われた3日間のクリスマスパーティのシーンの中で、描いた作品である。
・ダイアナ妃は、皆が英国ロイヤルファミリーとして、一人一台づつ王室御用達者で到着する中、一人スポーツカーを自ら運転して、女王よりも遅く到着。
ー しかも、途中自らが育ったスペンサー家の土地に立っていた案山子から、ぼろい服を取りに行く・・。あのぼろい服は、ダイアナ妃が自らを奮い立たせる役割を持って、劇中描かれる。-
・到着早々、グレゴリー少佐(ティモシー・スポット:この人を見ると、英国って感じがする。)から、”体重計に乗って下さい”と言われ、渋々従う姿。
ー 帰る時に、クリスマスを楽しんだかどうか、一キロ増量しているか図るためだそうである・・。”何だそれ! ”寒いから暖房を・・、と言っても聞いて貰えない・・。旧弊的なイギリス王室の慣例が描かれる。-
・故、ダイアナ妃の部屋に入ると”アン・ブーリン”の生涯を描いた本が”何故か”置いてある。
ー 大変、象徴的な小物である。
ご存じの通り、”アン・ブーリン”は平民の家系だったが、王妃にまで上り詰める。だが、心移りした夫、ヘンリー8世から様々な罪を着せられ、断頭台の露に消えた王妃である。-
・ダイアナ妃は、終始、英国王室の旧弊的なしきたりや、パパラッチを意識した監視の中、苛苛を募らせていく。
ー 夫から贈られたパールのネックレスを夫が”彼女”にも贈っていた事が分かった時の、ダイアナ妃の怒りを込めたスープの飲み方・・。
そして、幻想の様に現れる”アン・ブーリン”の姿。
そんなダイアナ妃の哀しみと怒りを抱える姿を、クリステン・スチュワートが渾身の演技で魅せる。-
・彼女が心を許すのは、衣装係のマギー(サリー・ホーキンス)と、息子ウィリアムとヘンリーのみである。
ー ウィリアムとヘンリーの寝室に忍び込んで、幼い息子達と話す姿は、母親そのものであり、マギーから”ずっと愛していました・・。貴女の裸を見ながら・・”と”告白”された時の一瞬戸惑った後に笑う姿。
窮屈な王室の中で、この3人だけがダイアナ妃の支えであったのであろう。-
・朽ち果てた実家に夜中に入るシーン(そして、又も現れる”アン・ブーリン”)や、縫い合わされたカーテンを自ら、鋏で裂いていくシーンも印象的である。
ー 彼女は、自ら王室という旧弊的な組織を”抜ける決意”をしたのだろう。
実家で案山子で遊んだ幼少期のシーンを含めて・・。-
<ラストは爽快である。
雉撃ちの場に、林から現れたダイアナ妃は、夫チャールズに”止めさせて・・”。”と何度も頼んでいた雉撃ちを息子2人に止めさせ、王室のクリスマス途中でありながら、スポーツカーに息子2人を乗せ、ロックを大音量で流し、楽しそうに車を走らせるシーン。
そしてクリスマスなので、”キチンとした食事である””ケンタッキー・フライド・チキン”で実家のスペンサー伯爵家の名”スペンサー”と名乗り、川沿いの椅子で息子二人と、”ケンタッキー・フライド・チキン”を食べる姿。
彼女は、自ら苦悩しながらもこのクリスマスの三日間で、王室よりも母親として生きる道を選んだのだろうなあ、と思いながら映画館を後にした。>
■クリステン・スチュワートは昔からある理由で好きなのであるが(石を投げられるので、理由は書かない)、若い頃は演技が酷いとか、批評家からは散々であった。
それが、フライヤーを見ると、アカデミー賞、主演女優賞ノミネート!!だそうである・・。
”待てば海路の日和あり”だね、クリステン・スチュワートさん。
今作は、見事な演技でありました。
王室との別れ
チャールズ皇太子との別居、そして離婚へと至る心境の変化と決意を丁寧に描いてみせる。パブロ・ラライン監督が『ジャッキー』に続き、またしてもひたすら悲しんでは悩み苦しむ女性を描く。美しい衣装、美術、そしてそれらを切り取る撮影もまた秀逸で、本当に引き込まれるものがあった。
作中でクリステン・スチュワート演じるダイアナが自傷行為に走る(夢/妄想含む)描写が何度かあるのだけど、そのどれもが見ていてなかなかにヒヤヒヤとするショッキングかつ痛そうなもので、歴史ドラマというよりはもはや心理スリラーだった。かごの中に捕らわれた鳥は息の詰まる思いをしてきて、とうに限界に来ている。そうした極限の精神状態をクリステン・スチュワートは言葉少なくも見事に体現していた。
どうせ体重の半分は宝飾類だもの。クリスマスシーズンを楽しんだ証拠にこの屋敷から出ていくときは1キロ以上体重増やさなければいけないというルール。寒くても冷房を入れないというのは習慣はある意味で王室のイメージというか、人間的な温かみが損なわれているように思えるし、あるいはダイアナを歓迎していないようにも受け取れた。唯一心を開けるのはサリー・ホーキンス演じるマギーだけ。
プル!夫の不貞を表す真珠のネックレスという小物使いに彼女自身の精神状態を重ね合わせるアン・ブーリンや狩りのために育てられ放たれるキジ、そして彼女の内面世界を掘り下げる生家。そうしたメタファーが終盤で畳み掛けるように爆発するさまは圧巻で、最後にはなんとも言えない映画的カタルシスをもたらす抑圧からの解放。お洒落すぎない中産階級的なものが好き、ファストフードも。
♪All I Need is a Miracle
勝手に関連作品『ブロンド』『マリー・アントワネット』『ジャッキー』
P.S. バブアー着たくなるな
後ろのオバ(ア)サン2人組が椅子蹴りすぎだったしエンドロールで喋るし何じゃ!あぁ〜思い出したらムカつく!! 斜め前のオジサンは呼吸音を口で言っちゃうみたいな音ずっと出してたな、途中もはや歌みたいになっていた。
大女優発見
結局、マギーは“あれ”を言ったんでしょうか。その答えの前の告白がその答えでしょうか。
クリンステンは明らかにダイアナの記録映像で、あの憂い顔をマスターしたんでしょうね。「プリンセス・ダイアナ」の彼女そのものでしたから。「プリンセス・ダイアナ」を観てこの作品を観れば、クリンステン・スチュワート、鳥肌が立ちます。私としての英王室3部作、「エリザベス」「プリンセス・ダイアナ」「スペンサー」、立て続けに観ました、この時期に。こんなタイムリーは、あるんでしょうか。
終始暗く重々しい映画
国際線乗った時の機内コンテンツにあり、日本公開前ですが観ることができました。
英国では昨年の11月に公開されています。
とにかく暗い映画です。天気も曇りや雨の描写が多くロンドンの天気そのままです。荒涼とした風景ばかりが出てきます。
ダイアナさんがそれだけ辛かったし、追い詰められていたのだろうというのは描写から分かるのですが、こちらが気持ち悪くなってしまうシーンが何シーンもありました。
ダイアナさんの表には出てこない裏の部分を知ることができる映画なので貴重だし、彼女を深く知りたい人にとってはいい映画だと思います。
それ以外の人にとっては後味の悪い映画になるかもしれません。
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