「お話はコメディタッチで面白いが・・・」お隣さんはヒトラー? 鶏さんの映画レビュー(感想・評価)
お話はコメディタッチで面白いが・・・
題名の通り、1年に何本か公開されるナチス物でした。今年はアウシュビッツ強制収容所の”音”を聞かせるという新しい手法が注目された「関心領域」が公開されましたが、本作の出来栄えは如何ばかりだったでしょうか。
お話の内容としては、史実では1945年に自殺したことになっているヒトラーが、実は南米に逃亡したのではないかという都市伝説を基に創られた作品でした。都市伝説を基に創られたというと、つい先日観た「フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン」も、アポロ11号の月面着陸映像はフェイクだったという都市伝説を逆手に取って創られていましたが、結構知られているこの類の噂話を利用すると、物語世界を理解するハードルが下がるので、観る方にとっては非常に分かりやすい親切設計という感がありました。
本作の場合、ホロコーストの生き残りの主人公・ポルスキーが、南米コロンビアの片田舎で1人で暮らす一軒家の隣に、題名の通りヒトラーにソックリなドイツ人が引っ越して来るというお話でした。掴みはOKなのですが、個人的にウド・キア扮する”ヒトラー”が、全くヒトラーに似ておらず、正直「帰ってきたヒトラー」を観た時のような驚きが全く感じられませんでした。ストーリーそのものはコメディタッチで描かれており、結構面白かっただけに、非常に残念なところでした。
作品そのものとは全く関係ありませんが、現在進行形で続いているイスラエルによるガザ地区へのジェノサイドと指摘される攻撃が、一日も早く終わりを告げることを願って止みません。
そんな訳で、本作の評価は★3とします。
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