劇場公開日 2024年7月26日

お隣さんはヒトラー?のレビュー・感想・評価

全61件中、1~20件目を表示

4.0ケシの実クッキーと黒い薔薇

2024年8月16日
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 ハートウォーミングコメディ…と思いきや。観終えてみると、ことのほか、ほろ苦い。しみじみと思い返したくなる、味わい深い物語だった。
 和やかなポーランドでの家族写真撮影から時は流れ、舞台は60年代、陽気なラテン音楽が流れるコロンビアへ。主人公・ポルスキーは一人、郊外でひっそりと暮らしている。彼の支えは、かつての我が家に咲いていた、黒い薔薇だけ。そんな静かな生活が、謎の隣人・ヘルツォークの登場で、突如かき乱されてしまう。
 彼はにっくきアイツに違いない!と確信するポルスキーの言動は、はたから見ると、隣人よりもよっぽど奇妙だ。ヒトラーの文献を読みあさり、部屋にカメラを据え付け、隣を監視し始める。何とか証拠を集めてユダヤ人支援団体に持ち込んでも軽くあしらわれ、過去にとらわれるなと自助グループへの参加を勧められてしまうのだ。
 空回りし、追い詰められたポルスキー。そんな彼に手を差し伸べたのは、皮肉にもヘルツォークだった。いやいやながらチェスの相手をし、言葉をかわすうちに、心ならずも距離を縮めていく。若者のように酔いつぶれたヘルツォークを介抱したり、恋バナに花を咲かせたり。やっぱりアイツだ!いやいや違う、疑うなんて…と、揺れ動くポルスキー。さらには、自分はアイツであってほしいのか、アイツだったらどうなのか、と新たな感情も生まれていく。そんな大混乱の末に明かされた秘密に、ポルスキーも私も、思わず息を飲み、言葉を失った。
 中盤で気になったのが、ヘルツォークがお茶とともにふるまう、手作り(!)のケシの実クッキー。一口食べたポルスキーは、こっそり何枚もつかんでがっつく。支援団体ではチョコクッキーを拒んだのに、なぜそこまで? 調べてみると、ポーランドでは、スパイス貿易を担ったユダヤ系民族の影響を受け、料理にさまざまなスパイスを使うらしい。ケシの実を使ったお菓子もポピュラーで、黒ケシのペーストを渦巻状に巻き込んだお菓子「マコヴィエツ」に似たペストリー「モーン・シュニッケン」は、ドイツでおなじみ。ポルスキーにとってもヘルツォークにとっても、黒ケシのお菓子は、懐かしい故郷の味だったに違いない。ヘルツォークが「黒い」薔薇にこだわる理由も、黒ケシと無縁ではないように思え、ラストで薔薇を贈った彼の想いに、心がじわっとした。
 戦争は、誰も幸せにしない。でも、そこから生まれる出会いは、時にきらめき、心に残る。殺戮や戦闘など残虐なシーンを一切入れずに、戦争を語った良作だ。

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cma

4.0小作ながらも二人の関係性の行方に引き込まれる

2024年7月26日
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鑑賞方法:試写会

本作では戦時中に起こった出来事がいっさい描かれない。すなわち、オープニングではまだ家族みんなが幸せだった戦前の時代が描かれ、それが開けると、そこは終戦から15年後の南米。その間に主人公の身を襲ったことについてはすぐに想像がつくが、あえて描かないことで彼のとてつもない悲しみが伝わってくるし、この「描かない」という点ではお隣さんも同じだ。辿ってきた人生は違えども、語らない過去を持つ点では共通している。かくも因縁の過去(?)を抱えた者どうし、またある意味では疑心暗鬼の募る「お隣さんミステリー」のセオリーを踏襲しつつ、さらに全く立場の異なる隣人どうしがいかにして関係性を構築していくべきかという現代的なテーマすら併せ持つ。これは想像していた以上に見応えと巧さを兼ね備えた作品だ。二人の名優を配し、嫌味なく、くどすぎず、点を描くことで全体を想像させる手法が優れている。ちょっとした展開の捻りも気に入った。

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牛津厚信

3.0あのクッキー食べてみたい

2024年9月14日
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みき

4.5次世代にどう伝えるか

2024年9月14日
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笑える

楽しい

ヒトラーものとしては面白かったし、心温まったんだけど。

「関心領域」のときも思ったんだけど、ホロコーストでどんなことがあったかは、みんな知ってる前提で話しが進む。

主人公の家族がどこでどうなったかはもちろんわかってるよね?

主人公の腕にナンバーが彫ってあるけど、わかってるよね?

いや、そういう確認もされない。

日本の学校でホロコースト、アウシュヴィッツをしっかり教えるってことはないから、我々は基本的に映画で学んできたような気がする。

でもこの辺の知識がない若者たちがこの作品を見たら何が何だかわからんのじゃないか、という心配をしました。

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バビ

3.5隣人は本物のヒトラーか?

2024年9月4日
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笑える

悲しい

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りあの

3.5今でもヒトラーを願う者達

2024年9月2日
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個人的には好きな作風 カリスマ性にとんだあの○○が隣に引っ越してきたことから始まる、おっさんどおしの友情が育まれるプロセスをテンポ良く見せてくれる 警戒心も溶けだしたのに…過ぎ去ったことは戻らない 前向きにとらえましょう🎵てか‼️

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ろくさん

現代のお隣さんは?

2024年8月25日
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鑑賞方法:映画館

 シリアスなテーマがコメディ的設定に乗って進みます。「ヒトラーが生きてたなんて話になる筈はないよな」「でも、次々と積み上がって行くヒトラーである証拠をどう収めるんだろう?」と観る者を巧みに揺さぶる手並みも巧妙でした。

 「でも・・」と、映画は映画として観るべきで現実社会と安易に結びつける事には慎重であるべきなのは承知の上で、本作がイスラエル映画だと思うとどうしても心に引っ掛かりを覚えてしまいます。いつの日か「隣に引っ越して来たのはネタニアフでないか」というパレスチナ映画が出て来るのではと想像してしまうのです。イスラエルでは絶対に公開されないだろうな。

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La Strada

3.0新たな切り口のナチス映画

2024年8月24日
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ひでちゃぴん

3.5ナナメ上の

2024年8月23日
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泣ける

笑える

楽しい

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トミー

1.0ヒトラーものは大好きなので

2024年8月16日
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病人28号

3.5幸せの思い出の、黒い薔薇

2024年8月16日
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かばこ

3.5ヒトラーってあれが1つだったの???

2024年8月15日
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その真偽はさておき・・・
地味だが良い映画。隣人がヒトラーか否かの間で揺れる心情表現が巧み。

主人公ポルスキーが隣人をヒトラーと疑いながら証拠集めをするのはコィチックでありながらも、幸せだった頃のポルスキーと家族の情景を冒頭で知っているだけに、家族全員を失ったポルスキーの悲しみがところどころで突き刺さる。

新聞のチェス問題を解くことと、妻の愛していた黒いバラを育てることだけが生きがいだっやポルスキーが、隣人をヒトラーだと疑い証拠を集めて追い詰めようとする様は、奇妙だがどこか生き生きしている。たとえ目的が復讐であれ、殺された家族のために一矢報いたいという気持ちは人を動かすのだ。

終盤の展開も予想外で畳み方も良かった。

南米で暮らす主人公が「なぜパレスチナへ行かない?今は国があるだろう」と隣人に聞かれて返した言葉が一番印象に残っている。

「国なんかいらない、何もいらない」

家族は戻ってこないのだから。

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Jax

4.0思い込みもほどほどにね

2024年8月15日
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雨雲模様

3.5背負う背景の違う男達の交流

2024年8月15日
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無骨な老人2人の何故かコミカルな映画でした。
個人を観察し続ける執念は、亡くなった家族への重いだと思った。

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jiemom

4.0美しい!

2024年8月14日
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楽しい

単純

振り返ってみると、最初はなんか画面も暗いしおじいちゃんばかりだし
不安がすこーしあった。でもなんやかんや引き込まれるストーリー展開。

色々あるんだけど、話も広がり過ぎず、飽きさせもせずでキレイにまとまっていた。
エンディングが流れるときには美しい時間だったとさえ感じた。

そうそう。1個納得しかねる要素、犬があったが
最後の最後で消化できた。

みてよかった。

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old-tears

2.0まあまあ!

2024年8月12日
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初めは爺様2人をドアップで見ないといけない苦痛に耐え、ストーカーで不法侵入や犬殺しまでする爺様に、あと一胸糞で席を立ちそうになった。

一応全体的にコメディなのと、絵に感動する場面でなんとか持ち堪えた感あり。

あんなポツンと二軒家だったら、隣家が気になるのは無理もない。何故そこに越してきた!と終始ツッコミしてた。

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まるせ

3.5とことん独裁者…

2024年8月12日
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中盤までただの思い込み激しい隣人の迷惑ジジィの話で終わると思いきや…中盤すぎてから隣人の友情話になり更に終盤にかけてヒトラー話がこじれるという興味深い展開に。独裁者なんてろくなものではないと。

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peanuts

4.0友情を描いた物語として楽しんだ

2024年8月11日
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ヒトラーが実は生きていたという設定は他の創作物でも見たことがある。ナチスが月の裏側で地球侵略を狙っていたなんて映画もあったし。そんなことを想像させるくらいに創作物のネタになるってことだろう。本作は、隣に越してきた人物がヒトラーではないかと疑う話。ヒトラーが南米で生きていたなんて都市伝説を下にしたものだ。
隣人がヒトラーであることを証明する証拠集めをするマレクは明らかにやりすぎだし、集めたものも実際どれだけの証拠になるのかも疑わしい。ただ、ミステリーやサスペンスではないからこれでいい。ナチスに絡んだ話だからもちろん人の生き死に絡んだシリアスなシーンが出てくる。それは避けられない。でも、全体的にちょっぴりコメディテイストだし、笑えるところも多い。深刻な物語にしないように意図したものだろう。
だから鑑賞後の印象も普通のナチス映画のシリアスなものではなく、男同士の友情が描かれた物語としての温かみや爽快感の方が強い。いや、でも切なさも含まれてしまうか。バラの色もマルクにとっては黒だったというあたり考えさせられるから。結局、ナチスの愚行がいかに多くの人の人生にいかに多大な影響を与えてしまったのかを想起してしまった。これも見事なナチス映画だった。

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kenshuchu

3.0不潔な描写がちょっと苦手でした

2024年8月11日
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お隣に引っ越してきた人がヒトラーと思ったっていうのはある意味間違っておらずグレー。
というか全く関係ない人というありきたりのオチでしょと思ってただけに、逆にそっちか!という感じで良かった。

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カツベン二郎