「優しく素敵な映画」時の面影 F.C.くまさんの映画レビュー(感想・評価)
優しく素敵な映画
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戦争が始まる前の時代に丘を掘って遺物を発見するとともに、いろいろあって生きていることの儚さを感じさせてくれる映画。
光の入り方、画面のカラーがきれいで好み。
生きているうちに何かしなくちゃと思わせる。
約2時間、大きく盛り上げるタイプの演出はなく、静かにするすると進行していく。
女性の主人は治らない病、イギリスの歴史をひっくり返す大発見、事故、戦争、
演出によっては、ドラマチックになるだろうけれど、ここでは静かに見せる。
儚さを感じた。
現代はThe Dig 。
過去の遺物を掘る。昔の人たちも人生の儚さについて考えたことがうかがえるし、
苦労して掘って出てきたのは船の形の墓で、しかもそれは今にも崩れそうな状態。
少年の父親はすでに亡くなっていて、今度は母親が病気でいつ死んでしまうとも限らない。
戦闘機が落ちてパイロットは死んだ。従兄弟の青年はこれから戦争に行くところだ。
生きている時間ひとときを大切にしている。
全てのショットがとても大切に優しく扱われている、そんな気がする。
光の使い方、作品中のカメラを構える眼差し、プリントされた写真もそうだ。
正直いうと、2時間を3回に分けて観たけれど、観てよかった作品。
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