「難解すぎる主張。グロくていびつなシチュエーション・スリラー。」プラットフォーム 門倉カド(映画コーディネーター)さんの映画レビュー(感想・評価)
難解すぎる主張。グロくていびつなシチュエーション・スリラー。
【賛否両論チェック】
賛:生き残りがかかった極限の生活の中で、主人公が直面していく人間の浅ましさや醜さに、思わず考えさせられる。
否:グロいシーンがメチャメチャ多いので、苦手な人は絶対に観られない。主張も抽象的すぎて、なんだかよく分からない。ツッコみどころも勿論ありすぎる。
R15+指定なので、グロテスクなシーンはメチャメチャ多いです。まずはその辺で、好き嫌いが分かれるかと思います。
奇妙な塔での生死を賭けた暮らしの中で、それでも清らかな生き方を模索する主人公・ゴラン。そんな彼が、生き残りがかかった人間の醜い部分を目の当たりにしていくうちに、次第にその考え方にどんな変化が生まれていくのか、その辺りにも考えさせられるものがあります。
ただ、如何せん設定も展開もかなりいびつで、当然のようにツッコみどころも多いので、全体を通して描かれるテーマは非常に難解で、正直あまり伝わってきません。持つ者と持たざる者の関係性や、普遍的な“善”というものへの疑問、自発的に行動を起こすことの重要性等々、特筆すべき主張は沢山あるはずなのですが、世界観が特殊すぎて、どれもあまりピンと来ないのが正直なところです。
気安く観られる作品ではありませんが、気になった方は是非。
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