ラスト・フル・メジャー 知られざる英雄の真実のレビュー・感想・評価
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心の動きを丁寧に描いた映画。名優たちがたまらなく味わい深い
ベトナム戦争の実話。アビリーン作戦は知らなかったなあ。サイゴン近郊のアビリーン作戦で多くを救った衛生兵の実話と、興味がなかったのに心を動かされ30年ぶりに名誉勲章獲得に奔走した国防総省キャリアの実話。帰還兵の苦悩が、とても丁寧に描かれて、想像するだけで苦しくなる。そしてそれを支える家族もまた、やり場にない思いを抱えている。スクリーンから生存した苦しみが迫ってくる感じの映画です。キャストがとにかく豪華で物語に深みをましていますし、彼らとの対話で変化する主人公の心の変化もとても丁寧。ピーター・フォンダに、クリストファー・プラマー、ウィリアム・ハート、エド・ハリス、サミュエル・ジャクソン、ジョン・サヴェージ。うーん、たまらん。
派手な展開はないが心掴まれる良作
ベトナム戦争に参加した大勢の戦死した兵士
の一人に過ぎないピッツバーグに最高の勲章を
あげて欲しいという導入の作品。
戦争は良くないよ、とかアメリカは偉大万歳、というテーマより、正当な評価を与えられていない人がきちんと評価される事の大切さ、それは必ずしも本人だけでなく時には周りの人々にさえ救いになるという事をこの映画は伝えているように思いました。
【アメリカという国】
ベトナム戦争だけではなく、イラク戦争や、トランプの登場による分断、トランプ支持者・白人至上主義者の連邦議事堂乱入・暴動など暗い部分はあるものの、アメリカという国で感心させられるのは、それを巻き戻そうとする意欲や力が個人や社会に存在していることだ。
民主主義の正義のようなものが、どこかで必ず息づいているような気がする。
最近では、アフガニスタン紛争の最中の米兵の殺害行為を暴くストーリーの「キル・チーム」は、米兵の勇気ある告発をモチーフにしたものだし、イラク戦争の証拠なき開戦を告発したメディアが題材になったのは「記者たち」だ。
この作品は、ベトナム戦争で、多くの負傷兵を救いながら、自身は亡くなってしまったピッツェンバーガーの名誉勲章について、30年を超える長きにわたって、これを請願し続けた元米兵がPTSDなどで苦悩する姿も描かれ、戦争の悲惨さを伝えている。
ハフマンは、元米兵の証言を聞くうちに、自身の為すべきことは何かと自問自答し苦悩するが、背中を押したのは、僕は、彼の家族や元米兵の偽らざる気持ちではなかったのかと思う。
救われた米兵や、無事に帰還した米兵も、自分のミスで味方の砲撃を招いたとか、あんな事を言わなければ、ピッツェンバーガーは助かったのだとか、ピッツェンバーガーが自ら戦地に降り立ってくれて自身は助かったとか、戦後もずっと苦しみ続けていたのだ。
この作品を観たアメリカ国民は何を想うだろうか。
勲章の意味を問い直すだろうか。
戦争の悲劇を考え直すだろうか。
米兵の苦悩に想いを馳せるだろうか。
戦場だった場所は、もともと楽園だったのだ。
もともと、この世界には戦場だった場所などないのだ。
叙勲の場で、次々と立ち上がる人々。
その気持ちは、多くのアメリカ人が共有するものだと思う。
ピーター・フォンダに合掌。
ラストの感動に激しく涙した
実話をもとに脚色したとのこと。
これは思いもよらぬ感動作だった。
1966年、ベトナム戦争で多くの兵士の命を救った米空軍兵ウィリアム・H・ピッツェンバーガー。彼自身は帰らね人となった。
1999年、米空軍省のエリートらしきハフマンは、30年以上も請願されてきたピッツェンバーガーの名誉勲章授与について調査を命じられた。
ピッツェンバーガーに救われた退役軍人たちを訪れた。彼らは心に大きな傷を負っていた。トラウマから解放されることなく苦しんでいた。ベトナム戦争自体が否定され社会から疎外された。
ウィリアム・ハート、クリストファー・プラマー、サミュエル・L・ジャクソン、ピーター・フォンダ、エド・ハリス、ジョン・サヴェージらが証言のバトンを繋いだ。老いた名優たちの本気に胸が熱くなった。
ラストは本当に驚いた。まさかこんな感動があったとは。多くの人の心が救われた。自分も激しく涙した。
本作はピーター・フォンダとクリストファー・プラマーの遺作だったのですね。映画好きなら観ないわけにはいかんだろう。
名優たちの競演 ただただ素晴らしい
実話をベースにした感動ドラマといえば、見え透いた感動の押し売りや、過剰な演出・芝居が付き物だけど、名だたる名優たちの、感情を抑え込んだ、表情で語る芝居は素晴らしかった。
クリストファー・プラマー、ウィリアム・ハート、サミュエル・L・ジャクソン、エド・ハリス、ピーター・フォンダ… 素晴らしい
余命短い老人が息子への思いを吐露する場面、命の恩人である戦友の墓標に手を置き跪く老帰還兵、物語のハイライトである名誉勲章授与式の場面などでは、恥ずかしくなるぐらい涙が溢れた。
出ている役者さんが良かった。
個人的にみれば、特段目新しい内容ではないのだが、出ている役者がいいですね。
年甲斐もなく泣けてきました。
蛇足ながらアメリカは戦争映画好きですね。来週から公開されるアウトポストもそうですが・・世界中の紛争に首を突っ込みまくるアメリカですから題材には困らないのかもしれません(笑)
なんか見たことあるような似たような展開?
ベトナム戦争時、アメリカ空軍に在籍しながらもベトコンとの激しい地上戦を繰り広げてる所にヘリから降り危険を顧みずそして死をも恐れず、味方の為に衛生兵として身を投げていった男を表彰へと導いていく話。
うーん、なんか作り方に問題があるのか、なんかわかりにくいしストーリー的にも盛り上がらない。
ラストここでこそ盛り上がる、というところでもすっ飛ばしの展開でアメリカのプロパガンダ的シーンでエンディングを迎える。
しかし、このような展開の映画、以前にも無かったか?
事前調査不足で、ハラハラ感満載の戦争映画かと思っていたが、意外にそうでもなく、どちらかというと人間ドラマだったので、期待外れになってしまって辛めの評価になってしまうのかな。
命やキャリアを懸けられるか?
映倫区分は、Gなので誰でも鑑賞することができます。
1966年4月11日にベトナム戦争で行われた極秘作戦「アビリーン作戦」に関する物語です。
「ラスト・フル・メジャー」は、アメリカ合衆国リンカーンがペンシルベニア州ゲティスバーグにある国立戦没者墓地の奉献式において行ったゲティスバーグ演説の一節で「最後の全力を尽くして」という意味です。
戦場で命を懸けるウィリアム・ハート・ピッツェンバーガー上等空兵とペンタゴンでキャリアを懸けるエリート官僚スコット・ハフマンとの物語です。
栄誉勲章の受賞対象者は、「戦闘においてその義務を超えた勇敢な行為をし、若しくは自己犠牲
を示したアメリカ軍人」で、アメリカ軍の勲章において最高位の勲章で、アメリカ合衆国の軍人
に大統領から直接授与されます。
栄誉勲章を受章した人には、映画「ブラックホーク・ダウン」で仲間を救うために許可を要請し、
ヘリ墜落地点へ降下したランディ・シュガートとゲーリー・ゴードンも含まれています。
空軍十字章の受賞対象者は、「戦闘において比類ない英雄的行為をしたアメリカ空軍の軍人」で
名誉勲章に次ぐ二番目に高位の勲章です。
空軍十字章を受章した人には、映画「ブラックホーク・ダウン」でヘリ墜落地点へ降下した
ティモシー・A・ウィルキンソンも含まれています。
過酷な戦場を生き延びた退役軍人が、ウィリアム・ハート・ピッツェンバーガー上等空兵の
空軍十字章に納得せずに、栄誉勲章を授ける物語です。
過酷な戦場を生き延びた退役軍人は、空軍ではなく、第1歩兵師団の第16歩兵連隊の第2大隊
C中隊に所属している陸軍の兵士たちです。
ウィリアム・ハート・ピッツェンバーガー上等空兵は、空軍ではなく、陸軍としても「戦闘においてその義務を超えた勇敢な行為をし、若しくは自己犠牲を示したアメリカ軍人」だったということです。
極秘作戦「アビリーン作戦」は、敵陣に進んで行き、敵をおびき寄せて、別部隊が敵を殲滅
するという作戦です。
敵陣に入り、敵をおびき寄せましたが、敵を殲滅する別動隊が到着せず、敵陣の中なので、
敵は、木の陰にも、地下にも、木の上にもいて、敵に囲まれ、前に進むこともできず、
後ろに後退することもできず、最終的な手段として、円形防御陣地で守り、至近距離砲撃を
要請し、多数の死傷者が出て、救難ヘリコプターを要請しました。
この救難ヘリコプターに乗っていたのが、ウィリアム・ハート・ピッツェンバーガー上等空兵
でした。
ウィリアム・ハート・ピッツェンバーガー上等空兵は、第1歩兵師団の第16歩兵連隊の第2大隊
C中隊に所属している陸軍の兵士を救助するために、敵に囲まれている円形防御陣地の中に
ヘリコプターから地上へ降下しました。
多くの死傷者を出した極秘作戦「アビリーン作戦」は、陸軍にとっては汚点となりました。
戦争映画なので、登場人物が多く、同じ軍服で、人物が若い頃と年老いた頃を別人が演技する
ので人間関係を把握しにくいです。
それぞれの人が個人の記憶を語るので、物語がバラバラで、時間が前後し、物語を把握し
にくいです。
パンフレットを事前に購入し、読んでおくと理解できるようになると思います。
以上。いや、もう一つあったかな?
来年は、中国の北京冬季オリンピックが開催されます。
8年前のロシアのソチ冬季オリンピックを思い出してしまいました。
ロシアが五輪休戦決議に違反し、クリミア半島に軍事介入しました。
来年、中国が五輪休戦決議に違反し、尖閣諸島や台湾に軍事介入
させないように外交・軍事の両面で対応してください。
勲章の意味
勲章ってよくわからない、なんかいやだなと思っていて、それは、この映画を見た後でも変わりない。
この作品は、でも映画としてよくできていて、途中からずっと泣きながら見ていた。戦闘場面を挟みながら、ペンタゴンのエリートである主人公が、ピッツの両親や仲間を訪ね、話を聞き事実を明らかにし、主人公自身も変わるというストーリー。戦争ものは苦手だが、見応えがあり面白く良かった。
一方で、米国の「在郷(退役)軍人」や日本の「靖国神社に祀られている人達の遺族」が大きな発言権を持っていることを考える。この映画が、実話と全く関係ない作品であったら、と思った。
ピーター・フォンダはすぐ分かったし、プラマー(ハリウッド版のドラゴンタトゥーの女とナイブズアウト共に素敵だった)が品の良い父親役、見ることができて良かった。
エンディング・クレジットで、亡くなったピーター・フォンダの名前が特別に挙げられていた。「イージー・ライダー」の彼の遺作がベトナム戦争の兵士がテーマのこの映画なのか…と複雑な気持ちになった。
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