劇場公開日 2021年3月5日

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「ベトナム戦争の隠された英雄の秘話。」ラスト・フル・メジャー 知られざる英雄の真実 琥珀糖さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5ベトナム戦争の隠された英雄の秘話。

2022年7月7日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

2019年(アメリカ)監督:トッド・ロビンソン
ラストまで観て、後味は良かったです。
ベトナム戦争の秘話(実話)で、戦死しても地獄、生き残っても地獄。
戦争の悲惨さを深く感じる作品でした。

1966年。米空軍兵で落下傘救助隊のウィリアム・H・ピッツェンバーガーは、
奇襲を受けて孤立した陸軍中隊の救助に向かう。
しかし激戦で降下出来ず、ただ一人地上に降りて救助活動をして多くの命を救う。
しかしピッツェンバーガーは、敵の銃弾に倒れ帰らぬ人となる。

それから30年以上も請願されてきたピッツェンバーガーへの名誉勲章授与の再調査を、
空軍省のハフマン(セバスチャン・スタン)は命じられる。

正直言って、筋が分かりづらいです。
ピッツェンバーガーと交流を持つ兵士役にエド・ハリス、サミュエル・L・ジャクソン、
ピーター・フォンダ、ウィリアム・ハートなどなど懐かしい顔ぶれが・・・
助かった彼らが一様にPTSDやら、世捨て人やら、介護ボランティアやら、
ベトナムに残って引きこもりやら・・・
まともな人間は一人もいない。
いかにその戦いが過酷だったかを物語っています。
そしてなぜ長年請願が却下されてたのか?
その核心にハフマンは辿り着くのです。

軍が知られたくない不都合な真実。
政府高官の保身。
ハフマンの身にも、出世を阻む横やりが・・・

ラストは常套的な感動テイストに盛り上げて、いかにもアメリカ映画らしいご都合主義で
終わります。
でもいいじゃないですか?
ピッツェンバーガーという献身的な兵士がいて、愚かしいベトナム戦争で、
若い命を散らして、・・・
それも自ら志願して散ったのですから、
この映画のラストで全て帳消しになるなら、ね!!
(現実はこの映画のように、チャンチャンと手を打って、
終わりませんけどね!!)

父親役でクリストファー・プラマー。
ピーター・フォンダの優しい笑顔。
御二方のご冥福をお祈りします。

ラスト・フルメジャーとは最後まで全力を尽くすこと。
(結局はアメリカ軍の宣伝映画かい?)

琥珀糖