「もっと英雄にして欲しかった」コンフィデンスマンJP 英雄編 たあちゃんさんの映画レビュー(感想・評価)
もっと英雄にして欲しかった
このシリーズは基本的に閉ざされた空間での身内同士での騙し合いというかじゃれあいが展開する設定でハナから現実社会との断絶の上に成立している。まあ面白いには違いないのだがさすがにパターン化されすぎてしまって寅さんが故郷のだんごやに帰って来てまた喧嘩して飛び出していく‥という定型様式美を求める観客が楽しむ映画になってしまったのかも知れない。2本目の「プリンセス編」までは脚本の古沢良太が描きたいテーマがはっきりしていて嘘を乗り越える真実があったし拍手できた。今回も扉の言葉「英雄がいない時代が悪いのではなく英雄を必要とする時代が悪い」でちょっと期待したが英雄度合いが全然物足りなくて何を描きたいの?というのが正直な感想。序盤から時間が行きつ戻りつして詐欺師同士のそれぞれの目線で見せる構成がかなり意欲的で良かったが‥全てが嘘つきで全てがギャグになってしまったこのシリーズに明るい未来はあるのだろうか?次回作でどう来るのかに興味はある。
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