「だだっ広い空き部屋の快感」コンフィデンスマンJP 英雄編 Uさんさんの映画レビュー(感想・評価)
だだっ広い空き部屋の快感
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◉笑っているうちに消えるモノ
詐欺師モノの最高シーンは、やっぱりそんな部屋や家はなかった! そんな世界は存在しなかった! と言うところではないでしょうか。
英雄編は成金の豪邸と捜査本部が、そっくり光の中に消え失せました。でも、かつての二人のキーパーソンは消えなかった。
◉プレイバックの大群
1日刻み、週刻み、月刻み、年刻みと様々なタイムラグで襲って来るプレイバック。ミステリーでは欠かせない要素ですが、この作品のそれは、数は多いがややこしくはない。
プレイバック自体に、更なる謎が仕込まれている訳ではなかったですね。それが素晴らしかった。これは絶対、頭が着いていけないと慌てたが、大丈夫。ひたすら、ひたすら愉しかった。
◉庭先のロマネスク
3代目ツチノコと3人のコンフィデンスマンの間で交わされる一つ一つの昔語りが、何ともロマネスク。遡っていく詐欺師たちの時間。
ダー子さんも、ボクちゃんも、リチャードさんも奥深い人生の持ち主だったと改めて感じ入りました。こんなシーンが作品に厚みを添えてくれる。
◉子猫の大群
さて。ちょっと子猫が多過ぎたんじゃないでしょうか。松重豊さんまで子猫とは、呆れた。時に子猫は辻褄合わせの感じが強くなってしまいますからね。
しかしそれで増したのは、ご愛嬌だった故、もはやオーケー。
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