「何から何まで「仔猫ちゃんでした〜、はい、撤収」って言われてもなあ。...」コンフィデンスマンJP 英雄編 ぽったさんの映画レビュー(感想・評価)
何から何まで「仔猫ちゃんでした〜、はい、撤収」って言われてもなあ。...
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何から何まで「仔猫ちゃんでした〜、はい、撤収」って言われてもなあ。人数が増えれば増えるほど計画は露見しやすくなる。仔猫ちゃんだって命令どおり動くロボットじゃないんだからさ。
ダー子の計算が寸分の狂いもなく実行されていて、ラプラスの悪魔か、お前は!とツッコミたくなる。計画が複雑なほど、少しのズレが大きな違いを生み、カオス化していくはず。
本シリーズは、すべてがダー子の計画でした、というオチがパターンになっていて、ラストでオセロの石が全部ひっくり返されるのが、唖然としつつもスカッとするところだ。詐欺師というより何かのプランナーである。
今作については、騙す相手とのインタラクティブな関係性が欲しかった。最後にちょろっとだけ「みみず師匠」にしてやられるけれども、ほとんどがダー子のモノローグ的な遂行で、誰の邪魔も受けない。追い詰められることはあっても、見せかけである。ダー子が不意打ちを喰らって本音をさらすことはなく、彼女の素性についてコントロールが破れることはない。つまりはダー子はいつまでも謎の女のままで、人間的な厚みが出てこない。ダー子はエンドレスに芝居がかった人生を送っていくことになる。
本作より「プリンス編」のほうが面白かった。柴田恭平演じる執事はどこまで知っていたのかわからない。全てがダー子の手の内にあるというのではなく、こういう未知の人がいたほうが面白い。
「僕ちゃん」はダー子から詐欺の計画を聞かされておらず、ダマされる。「僕ちゃん」は視聴者の立場に近い。
「◯か月前」とかが頻繁にあって、話の流れが寸断されるせいで、まとまり感がなくなった。
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