劇場公開日 2022年1月14日

「ザ・ラストコンゲームグランドフィナーレバトルロワイヤル!」コンフィデンスマンJP 英雄編 おじゃるさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5ザ・ラストコンゲームグランドフィナーレバトルロワイヤル!

2022年1月16日
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鑑賞方法:映画館

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言わずと知れたテレビドラマ「コンフィデンスマンJP」の劇場版第3弾!今回も期待を裏切らない出来栄えで大満足です。今回は地中海のマルタ島を舞台に展開し、さらにスケールアップ!毎度おなじみのとんでもない規模のコンゲームが楽しめるのはもちろん、マルタ島の素敵な景色も目の保養になりました。コロナ禍で遠出もできない今の時期には、もってこいの作品です。

ストーリーは、悪党から騙し取った美術品を貧しい人に分け与え、英雄と呼ばれた希代のコンフィデンスマン「ツチノコ」の4代目相続を賭けて、ダー子、ボクちゃん、リチャードが対決するというもの。今回のオサカナ・ジェラールが所有する「踊るビーナス」を狙って、ダー子、ボクちゃん、リチャードがそれぞれの方法でアプローチを試み、そこにインターポールや日本の警察、さらにはダー子たちに復讐の機会を窺う赤星までもが参戦する、まさにバトルロイヤル!

ストーリーにあまり触れるとネタバレになるので多くは語れませんが、とにかく終盤で見せる大どんでん返しと伏線回収コンボは本作でも華麗に炸裂します。シリーズファンなら、物語を根底からひっくり返すようなネタバラシが終盤で明らかになることにもさすがに慣れてきたし、今回は全体の相関関係を考えても怪しい人物の当たりをつけやすく、ツチノコの正体がわりと早めからわかってしまったのは残念なところです。

とはいえ、序盤から張り巡らせた伏線の数々をきっちり回収しているのはあいかわらずお見事です。多少粗があったかもしれませんが、全体のテンポがいいので全く気になりません。今回は、ダー子、ボクちゃん、リチャード、その他の面々が、それぞれの思惑をもって参戦しており、それをそれぞれの目線で時系列を何度もさかのぼって見せてくれたのもおもしろかったです。

主演の長澤まさみさんは、もう完全なハマり役。役と一体となり心から楽しんで演じている様子がすばらしすぎます。大スクリーンでアップになっても劣化を感じさせない美しさも素敵です。東出昌大くんの演技は、いつもちょっと…と思うのですが、ボクちゃんに関しては適役で、本作でもいいアクセントになっています。小日向文世さんもいつもどおり、そしてイメージどおりの役回りで抜群の安定感。他にも、小手伸也さん、江口洋介さん、広末涼子さんらも続投。そこに新たに参戦した、瀬戸康史くん、松重豊さんらが、きっちり大役を果たしてくれています。さらに、ジェシーやスタアへのリスペクトも忘れない演出が素敵すぎます。

テレビシリーズから続く作品だけに、登場人物も増え、その背景も広がってきました。本作はもちろん単体でも楽しめますが、できれば事前に過去の劇場版2作は鑑賞し、人物相関をおさえておくとさらに楽しめると思います。少しでも興味があれば、ぜひ劇場でお楽しみください。エンドロール後のおまけも忘れずに。

おじゃる