竜とそばかすの姫のレビュー・感想・評価
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脚本という名の「設計図」の重要性。
映画館での予告を観て、こんなに感動したのはいつぶりか。画力と音楽の力の総合芸術エンターテイメント。まさしく「映像美」とはこのこと。
実は、細田守監督作品は初です。
予告がすごく良かったのと、millennium parade が楽曲提供とのことで、期待度!早速、IMAXで観てきました。
現実に生きる地味めな女の子が、実は唯一無二の歌姫。
…までは普通のような気がするけれど、その唯一無二の世界はまさかの「仮想世界」。
発想力が、尋常ではない。
ですが個人的に少し残念だったのは、物語の全体的な構成といいますか、シナリオといいますか、登場人物たちのバランスといいますか、、
一番引っかかるのは、BelleのLIVEで竜が出現し、「あなたは誰?」とBelleが突然問いかけるところ。突然すぎるので、Belleが初対面の竜をなぜこんなにも気にかけるのかがロジックに説明されない。(ので、観客には突然のように思える)
ジブリ作品のような「描きたいことをあえて描かない」手法は、よほど繊細に描かないとセンス(感覚)では伝わらない。伝わらないと、引っかかったまま観ることになるので、後に回収されないと不満が起こる。
・昔、川で助けられた少年
・すずが川に入水しようとした時に手を差し伸べ助けた少年(忍くん)
・合唱隊の1人が語った、ある中学2年生の少年の話
・すずがなんだか無性に助けたくなった竜(14歳の少年)
ポイントは、幾度も出てくる様々な表情をした「川」。
生死の分かれ目を描いています。(たぶん)
Belleが歌う(すずが作った)楽曲「U」の中でバックコーラスに「レクイエム」と聴こえる(違かったらごめんなさい)箇所がありますが、「レクイエム」はラテン語で「安息を」という意味なので、「U」は死者を弔う鎮魂歌とも受け取れます。
宗教的ではありますが、”「生死」とは繋がっているもの″という見方をした場合、「生」とは「おはよう」であり、「死」とは「おやすみ」を意味する。生死は繋がっており、延々とループし続ける。そう考えると、この作品は生死のディープさを描いているとも思えてきます。
「U」の歌詞は明らかに「生」をイメージしているのに、死者を弔う鎮魂歌である件。
あとは「クジラ🐋」や「三日月🌙」などのモチーフにも何か意図はありそうなんだけど、、
さり気なく(あくまでさり気なく)作品とリンクしている部分はさすがミレパだなぁと感じ、鳥肌が立ちました。
頭をフル回転させて作品の意図を読み取りたいと思いました。すべてを説明してしまうような作品は私も好みませんが、少し伝わりづらく、本当に本当に残念でした🥲
最初は、川ですずの母が助けようとした子供が実は竜で、その子も成長過程で批判を浴び傷付きながら生きてきて、助けられた時に出来た背中のアザにBelleが気付いてるのか?そうか、ラストでわかるのか!と余計な考察しましたが、まったくの見当違い💦
Uでカリスマ的存在として君臨する歌姫・ペギースーなる人がおりましたが、その人が川で助けられた子供か?と、なんか「川で助けられた子供」がめちゃくちゃ気になるのはなぜなのか(笑)←たぶん、伏線のような描かれ方をしているからだと思うが、、
そして。
タイトルにきている「竜」についての情報がイマイチ少ないのは、物語のコアだからなのかもしれないと思ってはいましたが、コアになりきれずにラストの見せ場が物足りなかったかもしれないなぁ、、なんて、少し。
美女と野獣の世界観や、風の谷のナウシカのラスト(光り輝く王蟲の上を歩くシーン)なんかを想像させるあたりは、少し既視感を覚えます。この部分では制作側も批判覚悟で臨まれたのではないかと。(推察)しかし、それでも踏み切ったということは、、
言いたいことはすごくわかるし、伝わります。
各界で活躍するプロのクリエイターを大結集させた素晴らしい×100✨作品であることには間違いないので、新たな才能を発掘したり、その才能を適材適所に据えるあたりのプロデュース力には脱帽でした。
偉そうにズラズラ書きましたが、総合的にとても良い作品だったと思います。
【追伸①】
冒頭、Belleが歌う「U」の歌唱シーンと、「仮想世界・U」の説明ナレーション、被らないで欲しかったなぁ🥲
歌姫・Belleの初登場はナレーションなしで、よりダイナミックに観たかったです。
あと、忍くんのアズって何だったんだろう。エンディングで忍くんだけアズが登場してなかったけど、Belleがすずだと知ってたのにも関わらず、 、U登録してないのかなぁ。
【追伸②】
いろいろな、様々なレビューを読みました。皆さん、細田守監督作品に愛があるんだなぁ、と感じました。
見た目のパッケージが良くても、美味しくなくては商品は持続的に売れない。
アニメーションは絵が上手くないと誰も観てくれない。けれど内容云々でこんなに素晴らしい作品が酷評されてしまうことが残念で仕方ありません。
酷評は、期待の裏返し。
苺のショートケーキ(苺無し) ただし、スポンジとクリームは凄く美味しい
今回の映画は、細田監督の出世作「サマーウォーズ」で見せたデジタル世界の描写に、
「美女と野獣」と「デジタル社会的シンデレラ」をぶち込んだ作品。
正直、「バケモノの子」あたりからは監督には裏切られ続けている印象。
それでも「サマーウォーズ」の頃の、あの演出力の高さを、もしかしたら見られるかも……と、予告映像に少しの期待をして、劇場に足を運んだ。
さて、見てきた感想だが、
件名の通りの感想である。
この作品、個々の描写や演出は素晴らしい。
キャラクターの目線の入れ方。
アニメーションにおける高度な演出・演技を見せてくれる。心理描写や葛藤が繊細に描かれており(しのぶくん除く)これがキャラクターを支えてくれている。
お手本のような伏線。
上記の演技による伏線の入れ方は、まるで教科書のよう。一部、まるわかりのもの(特に竜の正体は、最初の登場カットで一発で分かってしまう)もあるが、それなりのカタルシスは感じる。
豪華俳優陣の声優起用も一部の方はお世辞にも上手いとは言えないものだったが、田舎の人間感は出ていたし、そこで躓くような違和感もなし。
デジタル世界の描写は、やはりワクワクさせられる。
惜しむらくは、現実世界への影響がどれほどかが分かりづらい事。これだけの技術がある世界にもかかわらず、高知の田舎が舞台だからなのか、クラスメイトが噂をする程度。
ベルの姿が東京の大型ビジョンとかに映ったり、株価に影響を与えたり、音楽の収入を寄付しているのであればそこに確かに影響を与えている事が分かったりすると、もっと「デジタル世界⇔現実世界の延長」感が出て良かったかも。
ただ、なりたい「Uならなりたい自分になれる」がウリ文句とも言える電脳空間なのに、自身の生体情報からアバターを生成するシステムなのは意味不明かも。
あと、同じようなモブビジュアルのアバターがいるのも謎(ジャスティスの部下とか……)
……スキンとかあるのですかね?
何よりも音楽が素晴らしい。
オープニングの世界観説明から、歌唱シーンへと入る様子は流石の一言。
鈴役の中村佳穂さんの歌声は、まさにディーバとも言える出来栄え。
作品全体の音楽パートへの力の入れ方は、近年の邦画では見られないほどのクオリティだったと断言できる。
※しいて言えば歌唱自体は素晴らしいのだが、近年のオシャレポップスよろしく一発で歌詞が入って来ないので、心情を吐露するような場面を曲で説明されるような演出は若干置いてけぼりをくらいがちかも……。
ここまで書いていると、「なんだ、やっぱり傑作・良作なんじゃん」と思われるかも知れないが、
残念ながら致命的構造欠陥がある。
この作品、演技演出は上手いのに、キャラクターの行動における動機付けが圧倒的に不足しているのだ。
特に、
・主人公すずが、何故竜に興味を持ち「すごく、あなたの事が知りたい」と思うようになったのか?
については、本当に分からない。
自身のライブコンサートに乱入した無法者に対して、ある程度の関心を持つのは分かる。
もちろんこの世界では「竜は誰?」と色々な人が思っているのだが、彼女の関心の高さは異常である。
いきなり自分のライブ会場に、無法者と自警団が入ってきて、そこで特に何が起きた訳でもないのに、無法者の方に興味を持つのだろうか?
「俺を見るな……」みたいなセリフと目線だけでいけるのか?
せめてここで、竜が瓦礫からベルを庇うシーンや、目があった瞬間に「救い」を感じるシーンなど、彼女のその後の行動への動機付けを支えるカットが入ってくれると、有難かった。
それが無いせいで、この映画は「どうしてこうなった感」が強くなってしまうのだ。
まさに本作の核とも言える
「そばかす姫が竜に対して、何故興味を持ち、深く知りたいと思ったのか」
と言う、ケーキで言う「苺」とも言えるものが、かぎりなく透明に近いゼロなのである。
その後も、
「何故彼女は竜のもとへたどり着く事が出来たのか?」
「何故彼女は竜に脅されて罵倒されても竜に対してアプローチしたのか?」
と疑問は続く。
……竜の城に辿り着いた事に関しては、弟(クリオネの子)意思も介在しているとは思うけど。
竜の城では、「ディズニー版美女と野獣」のオマージュをこれでもかと使用し、互いの心理的距離を詰めていくのだが、これが唐突すぎて、心理の機微を感じず、完全に置いてけぼりをくらってしまう。
せめて彼女を動かす強い動機があれば……。
・母が助けた子供とのリンクを入れる……命を懸けて救った母の背中や、助けを待つ子供の眼などを、竜に対して感じる。
・庇われるシーンを入れる……自分にとって竜は本当に悪い人なのか→知りたいという動機になる。
などあれば……。
それが無いせいで、合唱隊のおばちゃんの「悪い男に惹かれる」でお茶を濁されてしまうのだ。
いやいや、そもそもこれって全編通すと分かるけど、恋愛感情じゃないですし。
どっちかと言えば「親愛の情や家族愛」に近いものですし。
ディズニーの「美女と野獣」で言えば、
・父親の代わりに城に残るシーン
・狼から助けられるシーン
・図書室を開放するシーン
などがなく、
・街で野獣の噂だけ聞いて
・いきなり城に辿りついて
・勝手にバラのある部屋に入り
・野獣に「出ていけ」と言われたのに
・いや。あなたの事、もっと知りたいの
と言って、いきなりダンスシーンに行くのだ。
これが、どれだけ物語における「心理的動機」に欠けているのか、
ベル何がしたいねんって感じが凄い。
個人的に主人公すずの描写で気になるところは、
「お母さんが死んでから、ずっと話してない」的な発言をするのだが、それまでの描写から避けているのは明らかにすずの方である。せめて、「私の方が変な感じになっちゃって…」的な言葉の一つでもあれば……。
この監督、主人公を視聴者から愛されたいと思ってない……?
最近は「行間を読む力が足りない」とか、「細かい伏線を回収し忘れている」とか言う輩もいる。
いや、だって何もなかったよ? あったとしても、それは強い動機まで結びつかないよ?
と思ってしまった。
冒頭で触れたように、各シーンは素晴らしい。
ミュージックビデオ的な観点で言えば、最高の作品だし、
ショートムービーの詰め合わせとしての価値もある。
しかしながら、
作品全体としての連なりや纏まり、一本の映画として見た時、
個々のパーツの良さだけでは補えない、欠落を感じてしまった。
確かにスポンジとクリームは美味しかった。皿も美しくてフォークも純銀のような極上の品だった。
ただ、僕は苺のショートケーキを食べたかったのだ。
苺が乗っていない苺のショートケーキではない。
一番大事なものが、物語から欠けてしまったような、そんな映画である。
そう言えば、傑作と言われている「時をかける少女」も「サマーウォーズ」は脚本別。
若干微妙と言われ始めた「おおかみこどもの雨と雪」は脚本共作。
賛否がハッキリ分かれた「バケモノの子」「未来のミライ」は細田脚本。
優れた監督は、優れた脚本家ではないのかも知れない。
あらゆるクオリティは一級だが、
脚本のせいか、凡作レベルの視聴感に落ち着いてしまった本作。
まぁ前作よりは面白かったので、次は細田監督には監督演出に専念して頂き、
脚本を別でつけて頂けると良いかなぁ……。
私は良いと思った
SNSに気軽に書き込んだ言葉が、人の人生を左右することもある。
そんなことを感じた作品。
細田守監督が手掛けてきた今までの作品の要素が随所に滲み出ていて、ニヤニヤしながら鑑賞した。
その中で現代版「美女と野獣」であったり、先述したネット社会の縮図や、毒親、アナ雪の「ありのままで良い」といったテーマが盛り込まれており、よくまとめたなぁという感じだった。
賛否両論な部分も、物語とリンクするので、そこを俯瞰して観れるともっと楽しめそうに思えた。
観てる人の経緯がそれぞれ異なるのも踏まえて否定的な意見があるのは分からなくもない。
色々と違和感はあったけど、普通に泣いたし、終盤にかけては特に違和感が気にならなくなるくらいにとても感動した。(特に終盤の役所広司さんの声はズルかったw)
誰が何と言おうと、私にとっては良い作品だった。
「素晴らしい作品を創ってくれてありがとう」と、細田守監督はもちろん、クリエイターの方々に感謝を込めて言いたい。
良かったけど、美女と野獣はやらなくていい
美女と野獣+レディ・プレイヤー1+エイス・グレードというのは本当だわ!(笑)
細田守の最新作。
今作では近年で描かれていた親子の主題はサイドに残しつつ、サマー・ウォーズで描かれたネット社会や顔の知らない相手との繋がりといったテーマが主題となっているので、その意味では今までの細田守作品の集大成とも呼べるかもしれません(事実、時をかける少女の名シーンを思わせる演出もあったり)。
まず、冒頭から圧巻です!
「U」という仮想空間のワールドをロングカットで魅せていき、サマー・ウォーズ以上の細かで綺麗なCG映像でさながらUの都市をジェットコースターに乗って見渡しているかのような感覚に陥りました!
そして、劇中でベルがクジラに乗って出て来て歌う場面が現れて、ベルを演じたキャストの個性的で素晴らしい歌声に聞き惚れ、King gnu常田大希率いるmillennium paradeの楽曲も独特で幻想的な世界観に非常に合っていました。
あの冒頭だけでベルという存在がいかに「U」でカリスマとなっているか理解出来る場面で、本当に素晴らしかったです。
作画も相変わらず素晴らしいです。
細田守らしく現実パートの作画が写実的で美しいので、どの場面においても映像に酔いしれていました。
また、竜の正体について探すという展開がほぼメインの物語として進行していき、その正体に関してもよくある在り来たりな展開ではなく、良い意味で意表を突かれるものになっていて驚きと感動がありました。
(*^ー゚)b グッジョブ!!
そして、今作ではネット世界をサマー・ウォーズ以来に描いていましたが、サマー・ウォーズは2007年の作品で驚きが多かったのですが、今作ではYoutubeやアバターを使って匿名で歌を歌うという、最近だと「うっせえわ」のAdoのようなキャラクターの視点で展開されていき、そこに「竜」という謎のキャラクターとの交流が描かれるのですが、前作の「未来のミライ」とは違って最後までストーリーが納得のいく方向に進んでくれますし、なおかつ「竜とそばかすの姫」というタイトルにもちゃんとマッチしていました。
そして、この映画においても「親子」の物語が描かれますが、本作では親子が主題になってるはずの「バケモノの子」や「未来のミライ」よりも全然心動かされました。
主人公の鈴は川の事故で母を亡くした経験を持っており、この子はどことなく母を受け入れられない姿を感じました。
しかし、そんな主人公が終盤に起こした行動がそんな母親の行動と重なるため、母親を受け入れたように感じ、そこに感動しました。
さて、ここまで語った好きな所は殆どが満点クラスです!
なので、そこだけ見れば本作は今年ベスト級なのですが、残念ながらこの映画には自分が看過できない点が何個かあります。
まずは主人公の鈴を演じた中村佳穂さんの演技。
前述通り、歌は素晴らしいのですが、声優としての演技は正直結構酷かったです。
勿論、本職は歌手の方ですし声優は初挑戦というのは承知の上ですが、細田さんはもう少し彼女に演技指導をさせてあげてほしかったです。
あと、竜が"自称"治安警察部隊に追われてる理由について。
「U」を脅かす存在として追われてる理由が全く解りません。
例えば竜が薬物等の違法物品の販売に関わってるというのならまだしも、劇中の犯罪で相当するのは自分を襲ってた"自称"治安警察を何人かオミットさせてたくらいです。
でも正直それくらいの犯罪なら少なからずやってる人いるんじゃ...?
また、観る前から話題になっていた美女と野獣のパロディ。
正直あそこまで露骨にやるとは思わなかったです。
主人公の名前のアバターは同じ「ベル」だし、竜とベルの一連の交流やアジトの内装においても殆どが似ていました。
でもあんな安易で露骨な既存作品のパロディなんて細田さんにやってほしくなかったなぁ...
正直、あんなに露骨にやってしまうとかえって世界観のオリジナリティが損なわれるのでだいぶ幻滅してしまいました。
他にも色々と突っ込みどころはありますが、名前の知らない相手との繋がりや親子の話としては面白く、そこに細田守的な美しいアニメーション演出と素晴らしい楽曲で充分カバーされていました。
正直好みは分かれると思いますが、個人的には「賛」です。
ただ、「絶賛」ではありません。
映像と歌だけで一億点
タイトルなし(ネタバレ)
この映画の面白いところはインターネットの復旧で今現在起こっている「アンチコメント問題」についてよく表現されていた。個人的感想にしては頭を使いよく考えさせられる映画だと思った。ので何も考えずに見たいと思う人にはあまりいい評価を得ずらい。また、よくアンチコメントを残したがる人、何かと批判したがる人にとっては格好の的といった感じだった。
この映画を見る人には登場する「アンチコメント」や主人公とその周りの情景や付きまとうコメントの種類、雰囲気など細部を細かく見てよく頭を動かしながら何を伝えたいのかを考えると面白く見えると思う。
映画ではなく、ミュージックビデオとして楽しむならあり
「映像と音楽は良いが、ストーリーがダメ」という評価が多いですが、私もそれに同意します。
映画が始まって最初の10分間は最高でした。圧倒的な映像美と心地よい音楽と歌・・・・・・本当にワクワクしました。しかし、その後のストーリーやキャラクターの行動については理解に苦しみます。
・ すず(ベル)が竜の正体を探しに行く理由が全く分からない
・ すずの母親が見ず知らずの子供を助けに行くのは無理やり納得したけど、父親とすずが不仲な設定が必要か疑問。竜の正体が父親だからかなと思っていたが、違ったし。
・ 竜の正体は「しのぶくんか父親かな」と予想していたが、チラッと画面に写っただけの少年だったので「誰だよ」という感想しかなかった
・ 「この広い現実世界の中から少年(竜の中の人)の居場所を特定するなんてどうやるんだろう」とワクワクしたが、生配信で流れた音楽とうつった建物を偶然知っていたという幸運であっさり見つかり、つまらない
・ すずが「私がベルだよ」って言っても竜の中の人は信じてもらえず、「そりゃそうだ。どうやって信じてもらうんだ」と観ていたが、しのぶ君の「ベルの正体がすずであると公表するしかない」という意見に「いやいや、城での出来事とか、2人しか知らないことを尋ねるとか他にも方法あるよね?ヒロちゃん言ってる通り、身バレは怖いよ、リスク高いよ」と思わずツッコミ
・ 合唱隊のおばちゃんたち本当に必要? すずに何の支援もしていないよね? てか、女子が一人でDV父親のとこに乗り込もうとしているんだから止めなさいよ
・ DV父親がすずの「にらみつける」だけで退散したときは、「いやいや、そりゃねーだろ」ともう笑うしかなかった
本当は0.5点をつけたいけど、音楽と映像は良かったので1.5点としました。
細田監督の次回作に期待しつつ、寝ます。
映像と音楽に引き込まれる。ツッコミどころは多いが満足度高し
細田守監督の最新作ということで観に行きました。
ツッコミどころは割と多く、説明不足感も多く感じました。しかし、それでもとても面白かったです!
本筋にはそこまで触れませんが、
まず序盤〜中盤のベルの歌やその映像、背景にどんどん映画の中に引き込まれました。Uの映像がとても綺麗で広い世界観を感じることができました。
終盤の入道雲はもう監督のお決まりですね。今回のすずの成長も純粋に「いいなぁ」「良かった」と感じました。
〇ツッコミどころ&説明不足に感じた部分
・ジャスティンどうやってそんなん手に入れたん。スポンサー?でも君の方がよっぽど犯罪じみてるような…
・Uに入ってる時でも現実でめっちゃ走ったりしてるけどどういう状況&感覚なん??
・あの状況ですず1人で東京に行くのは何があっても実際問題なしやろ
・5人の賢者「Voices」って最後まで何もなかったね※なんか隠れた出方とかしてたら気づきませんでした、すんません。
・結果上手くいったから良かったけど、しのぶくんの発言無責任過ぎん?
※思い出したら追記予定
総じて映像や音楽は最高。ストーリーはツッコミどころもあるけど終わり方はまとまりがあり面白い、みたいな感じです。
誰の気持ちも分からない
映像作品として見れば綺麗でした。歌ってる表情とかはあまり好みではなかったですが。ここを目的に見に行くのなら全然いいと思います。星の1.5はここですね。
ストーリーはまあお察しということで。
中でも、いくつか納得のいかない点があったのでそれを以下に。
個人的に最も納得のいかなかったのが、主人公の母が自分の子供もほっぽり出して赤の他人を助けに行くところですね。あの川に置き去りにされた子供はあの子供の母が助けるというのが筋であるはずなのに、他所の家の母(それもその場に娘がいて、「行かないで」とまで言っている)が自己犠牲の精神で助けに行ったのがあまりに辻褄があわなかった印象です。そりゃあ母は叩かれるわって感じですよね。
もう1つが竜の正体ですね。誰だよって感じでした。途中出てきていたとはいえ伏線としては少なすぎすぎるし弱すぎる。しのぶ君では流石に都合いいかなあ、母が助けたあの子かなあ位に考えてたら、知らん兄弟が出てきて焦りました。しかもDVされてるとかいう追加設定。
他にも要らないシーンが多かったのかなという印象でした。学校のマドンナとカヌーの子の恋愛要素や、悪いマダム、傷があるメジャーリーガー、痣のタトゥーの美術家やそいつの三角関係云々。竜が誰かを紛らわせるのに用いたにしては尺が長い。合唱団のおばさん達も後半役に立ってくれるかと思ったらただの主人公の送迎役。
あと、私はその映画のその後っていうのを考えるのが好きなのですが(原作は読んでないのですみません)、あんな大勢に自分の顔を晒しちゃって今後どう生きてくのかなあとか考えちゃいました。歌手として生きるのかねえ。そこを何も考えてなさそうなしのぶ君が人を救うために顔を晒せ!って言ってんのを見たら何見せられてるのか分かんなくなりました。それも人を救って死んだ母を持つ主人公に対して。考え方によったらいじめっ子よりいじめてる。
そんなの映画だからといえばそこまでなのですが、作品のコンセプトとして誹謗中傷やいじめというのも1つあったと思うのでそこから逃げるのもどうかと思ったので書きました。
結論としてはサマウォと比べちゃうと可哀想なくらいストーリーは見劣りしましたね。やはりちゃんとした脚本家の存在は大きい…
美女と野獣のパクリ?いいえ、オマージュです。
Uという仮想世界の映像美、素晴らしい楽曲の数々、愛すべき個性的なキャラクター達、心に傷を負う少年少女が互いの存在によって少しずつ癒やされていく物語の展開。この映画を構成する全ての要素に魅了されっぱなしの2時間である。
主人公のすずは、仮想世界UでBellという新しい姿を獲得し、水を得た魚のように歌の才能を開花させていく(実際、Bellの衣装は花のモチーフが多い)のだが、Bellこと中村佳穂さんの心を震わす歌声は何度聞いても素晴らしく、是非多くの人にも美しい映像とともに劇場で聴いてほしい。
映画の中盤、ディズニー映画の「美女と野獣」を彷彿させるシーンがあるのは否定しないが、本作の主題は全く別のものであり、純粋にオマージュとして楽しみたい。個人的には、竜とBelleの関係は恋人同士というよりもむしろ母と子の関係に近いように思われる。
余談ではあるが、竜の城やお付きのAIたちは、秘密の薔薇と同様、現実では知的障がいのある弟の創造物なのだろうか…そういった裏設定があってほしいと願うのも密かな楽しみである。
最後に、本作は主人公すずの成長を通じて、人を傷つけるのが人であれば人を癒すのもまた人である、ということを教えてくれる。どのようなメッセージを作品から受け取るかは人それぞれだと思うが、単なるエンターテイメントでは終わらない何かがこの映画にはあるため、是非一度劇場で味わってほしい。
未来のミライの次くらいに…
本当に残念…勝手に期待して勝手に落胆しているのは百も承知です。
でも、個人的には作品を重ねる毎に細田守監督の作品が面白く無くなっている様に感じてしまいます。
「オオカミこどもの雨と雪」や「バケモノの子」は話しとして起承転結がしっかりあった。
しかし今回は感動できる場面も無く、話しの結末としてもイマイチしっくり来ない。
声もなぜこのキャストを選んだのか理由が全く見えて来ない、なんなら主人公も声と歌を変えているマクロスフロンティアなどの様なキャラの声と歌声を変える形にした方が良かったのでは?と思ってしまう。
内容は別としてキャラデザイン、仮想空間などなど映像は凄く良く、作中の楽曲、歌声も非常に素敵なだけに尚更残念な作品に感じます。
映画の時間制限により何か作品に削られた部分があるかも知れないので原作小説を買って読んでみようと思います…
最終的には面白かった
出身高校がモデルになっているということで視聴しました。細田守監督の作品は見たことがない状態です。ベルが歌う曲はどれも独特で綺麗でしたし、主人公の成長は感動ものでした。
ですがやはり限られた時間で物語を作らないといけないため、説明不足な部分は多々あります。
Uに入っている間現実世界の体はどうなっているのか、50億人がプレイしているゲームを知らないのはありえないのではなど現実的な問題。
また、キャラクターの過去などの描写がやはり充分では無いため、若干引っかかる部分はあります。特にラストシーンでヒロちゃんがすずに対して歌えるわけない、と頭ごなしに否定しているシーンは気になりました。良き理解者、と説明されているにしては主人公を過小評価しすぎなのでは無いかと感じます。
このように、見ている最中はこれはどうなんだ...?と思う点はありますが、物語のスピードが早いため気づいたら忘れてしまうようなものでした。最終的にはよかったな〜、という気分になるので良い映画だったと思います。
学校や駅の描写が忠実、かつ歌はとても素敵だったため見て良かったです。
細田監督らしい平凡さがにじみ出てる感
サマウォーは未鑑賞で、おおかみこども→バケモノ→ミライと鑑賞、個人的にはバケモノが一番良かったのですがミライは×、さて本作はどうでしょうか。
細田監督の印象は毎作〝アッチが良ければコッチが駄目〟的な印象があってソレが今作も出てしまった感が否めません。自分が思うに、細田監督は他のアニメ監督の様な抜きん出た特徴がある訳ではないので、どうしても創りが優等生チックで変哲を欠き、そのため何か不具合があるとソレが際立つ傾向に思います(同じタイプにヤマカン)。
好き嫌いの話で説得力に欠けますが、まずアナ雪のデザイナーを起用したとは言え、バーチャル世界をディズニーの印象マンマのビジュアルにしたのは相当なマイナスです。
日本アニメは独自に進化しそのクオリティは世界一のものと信じてますが、あの絵面でハリウッドの二番煎じ感が否めずスンナリ受け付けられません。ベルのキャラデザも初出の際一瞬不気味に映るのもありましたし。
そのベルが竜に執着する理由がよく解らず、イマイチ行動原理が精査されていない様に感じます。同じ事が〝自治厨〟みたいなジャスティンにも言えます。
またベルが歌姫として世界中から支持される過程も省かれていて、風呂敷がデカい割にトートツに頂点に伸し上がった印象。実際ニコ動やYouTuberがバズるのってそんなモンでしょうが、賛否は吹出し表現で印象が薄く、もっと何か説得力が必要です。ソレ以前にあの〝空間〟も説明不足かな?(デカダンスのソレとは違う様な?)‥‥
加えて楽曲が微妙に暗いのもモヤりました。この辺は『歌』をテーマにした他作アニメの観過ぎなのかも‥‥w
そしてあのテンプレマンマの自治厨はネット警察的な存在でしょうか、ソレにしては頭悪そうな素行で悪役演出が時代遅れな感じ。それに権限が強大な理由も不明。などなど、それらシーンの経過・内容や細かい部分の脚本の練り込みも足りない印象を受け、蛋白で既視感も散見されました。
最後に声優、今作も鈴と忍が△。他は特に気になる程ではないにしろ宮野真守/島本須美くらいしか本職は起用せず他は俳優・ミュージシャン・モデル。鈴の中の人、歌以外の「あ゛あ゛あ゛」と奇声を上げるトコなどノイジーで、忍の中の人の棒読み加減と相まってギコチナイ。細田監督は声優嫌いなのかな?宮崎監督のソレは話題になりましたが‥‥
良い所は人物の心理描写と、ネット厨の「みんな解ってないなぁw」辺り。ただ物分りの良いネット厨で火消しがテキパキ片付く展開は疑問でしたが、そんな折角の長所も上記の件でだいぶ薄められてしまい残念。
今作も決して悪くはないのですが(クンちゃんよりはだいぶマシ)全体的にグッと来るものがない平凡な仕上がりに思えた作品でした。
良い部分だけをまとめた個人的な概要
幼い頃に母を亡くし、歌うことがトラウマであるすずが、過去をのりこえる話。
U もう1つの現実
AZもう1つの自分
自分の抑圧されている、つまり潜在能力を引き出す。それは現実でのトラウマであっても。
人を救うために、現実の自分ともがき、葛藤し、苦しむ。それを支えるのが幼なじみの存在。そして、亡き母の面影。
名も知らない子どもを助けることで命を落とした母。納得できていなかった。だけど、知らずのうちに竜を救いたいベルの姿が自然と母と重なっていく。
やがて、人を救うために自分をさらけ出す。
竜は本当の意味の助けるを求めていた。
その奥底にある心に、歌とぬくもりが伝わる。
彼もまた自分をさらけ出していく。
そして、竜は弱さを。
そばかす姫は過去を。塗りかえていく。
Uの世界ではなく、現実世界で。
AZではなく、自分自身で。
仮想現実と現実世界のギャップ
すずの成長に涙が止まらなかった。
自分が映画を見るまで評価などを見てこなかったけれど、意外と皆さん厳しくて驚いています。結論から言うと、この作品は今までのどの作品よりも素晴らしかったです。
途中から気づきました。すずはお母さんと同じことをしている。自分のことを考えず、目の前の困っている人のために動いている。そう気づいてからは涙が止まりませんでした。
龍のために、Uでオリジンとして歌う姿は圧巻で、声も本当に素晴らしかったし、歌も素晴らしかった。
龍を助けてしまう自分が、母親譲りなんだと父からメールで言われ、涙を流すシーンも本当に泣きました。
Uを通して、ベルを通して、すずとして成長していく姿が本当に感動しました。最後、素晴らしいUの世界ではなく、現実世界の空で終わるのがまた良かった。
エンディングも、すずがオリジンとして歌った歌を流しその余韻のまま終了。映画館を出ても涙が止まりませんでした。
最後に言いたいです。僕は本当にこの映画を見ることが出来て良かったと強く思っています。評価が低くても、あなたの目でこの映画をぜひ見てほしい。もしかしたら、あなたにだけ刺さる何かがあるかもしれません。
深く考えなければ★ ★ ★ ★
深く考えなければ楽しめると思います。例えば、世界中で50億人が利用している仮想世界での話なのに高知ー東京間で物語が解決しちゃう両極端なスケールの対比は何か意味があるんだろうか?とか、世界中で50億人が利用している仮想世界での話なのにたまたま見かけたアバターに「あなたは誰?」なんていう近視眼的な質問するだろうか?とか。
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