竜とそばかすの姫のレビュー・感想・評価
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『サマーウォーズ』に次ぐ傑作。そして明日に繋ぐ意欲作。
細田守と言うアーティストがようやく更なる脱皮を始めた記念塔。この作品にもっと早く気付くべきだった。これは劇場で見ないと損した感じになる。最近劇場の効果だけで引っ張ろうとする中身の薄い企画アニメが多いのでつい油断してしまったが、やはり作家がしっかりこだわって作り続けている作品群は劇場で見ないと失礼だなと痛感した映画。スチール段階ではBelleのキャラクターに違和感があったが、動いたらメチャクチャいい。キャラクターデザインが日本人離れしてると思ったら、韓国の方であった。仮想空間のデザインも海外の20代の建築家と言うから驚きで、細田アニメがひと皮むけた金字塔と言って良いと思う。テーマについてもとてもコンテポラリーなメッセージ性を感じて好感が持てた。いくつか気になった展開はあるけれど、主人公「鈴」の成長譚としてはその描写に問題を抱えながらも秀逸。
『美女と野獣』のオマージュと言えばそれまでだけど、それを超えた細田節がとても心地よく、また舞台となった高知の風景も美しいし、全てのキャラクターに好感が持てる。何よりも圧倒的な映像美と音楽、そしてBelleのチャームにはやられた感がある。漫画家山本貴嗣のキャラクターに酷似。もしかしたら無意識に影響受けてるかも。嫌いじゃない。
客にこびてない賛否両論になる映画
結論から言って素晴らしい作品だった。 客に一切こびてない。
描きたいものをそのまま出しましたという感じが伝わってくる。
陳腐な恋愛ものとは違う作品。
後半竜を救う為にすず自身には何のメリットもないのにアンベイルして歌うシーンで最高潮。
結果的に母親の行動した理由と気持ちがわかりすずも救われる。
すずは何故竜を救うのか? 理由はないのだ。困っている人がいるから救う助ける。
母親がそうだったように母親をなぞる様にこの映画は作られている。
ただラスト近辺の時間の都合でサクッとけいくんの居場所がわかっちゃうとことかは粗い
ように感じた。
一人で東京行くのはそうしないと話がまとまらないから納得できるけどね。
最後にすずはけいくんに恋愛感情はあったのかとかいう的外れなレビュー見かけたので。
結論としてなかった。忍君にぞっこんラヴです。
竜に対しては顔真っ赤にならないし。
2人で踊るシーンで普通ならキスする流れになるのだがベルは抱きしめた。
愛はあったのだろうが母親的な愛なんでしょう。
とにかくこの映画は情報が多くうまく処理出来ないとつまらなく感じてしまうと思う。
人を選ぶ作品なのは間違いない。そういう風に作られている。
正真正銘の芸術作品!!
ようやく観ることができました。素晴らしかった。すごかった。
僕はほとんど日本のアニメ映画は観ないのですが、役所広司など声優陣が豪華なこともあり、鑑賞した次第です。
「いやぁ~、日本のアニメーションはここまで来ているのか!」と驚きました。想像を超えていました。
圧倒的な映像美、圧倒的な音楽。それだけでも、この作品を観る価値があったと感じました。
肝心の主人公の声が誰か知らずに観たのですが、エンドロールで中村佳穂とわかって納得。やっぱり抜群の歌唱力ですね。
そして、仏教やキリスト教の思想を反映したとも思われる、慈悲に満ち、善に根ざしたストーリー。グッと来ました。
ネット社会に対する危惧も描かれていて、それにも共感したり、考えさせられたりした。
本作は、「現実世界」と「仮想空間」、「静」と「動」、「善」と「悪」、「生」と「死」、「愛」と「憎」、「美」と「醜」、「悲しみ」と「喜び」、「自然」と「人工」、「田舎」と「都会」……などなど、様々な対比によって構成されています。
たしかに少々詰め込みすぎ、「お腹いっぱい」感はあったし、多少のツッコミどころもあるかもしれません。
でも、全体的に見るとそんなことはほとんど気にならなかった。
第一あまり理詰めで組み立てていくと物語がかたく窮屈になるのではないでしょうか。
それに、我々鑑賞者もあれこれと粗探しをするのは、野暮というものかもしれませんね。おとぎ話なんだから。
この映画で監督がいちばん描きたかったことは「現実世界で奮闘することの大切さ」だと思うのですが(僕はそう解釈したのですが、違うのかなぁ。違ってもまあいいや)、そのメッセージにも胸が熱くなりました。けっきょく最後は現実世界で勝負するしかないんだよ、と。
あと、これもエンドロールを見て知ったことですが、常田大希がテーマ曲を作ったのですね。これにも納得。やっぱり才能あるな~。
衣装も素敵だなと思っていたら、森永邦彦が参加していたのか。この起用もすごい。
とにかく、観てよかった。
現代でしか創れない、日本でしか創れない、映画でしか創れない、アニメーションでしか創れない大作。
世界のどこに出しても恥ずかしくない、正真正銘の芸術作品です!!
スタッフの制作者魂、職人魂、気合、気迫がビンビン伝わって来る、胸おどり、こころ震える映画体験でした。
追記
この作品は絶対に映画館で観るべきですね!
大画面で、大音量で♫
ミュージカルアニメという新しいジャンルかも
ストーリー以前に、中村佳穂氏の歌唱がなければ、ここまでの評価にはならないと思う。
歌が作品のレベルを押し上げているので、ミュージカルアニメという新しいジャンルと言っても言いかもしれない。
ストーリーとしては、いわゆる陰キャの主人公が、仮想世界でスターダムを駆け上がるというシンプルな設定であるが、重要な役割を果たす「竜」との触れ合いは、重い要素を含んでいる。
ネタバレになるが、母親を失っているという2人の共通項は、一部で批判の的になっている何故「ベル」が「竜」に拘るのかいう点について鍵と言っていいと思う。
また、主題歌「歌よ」の背景にある「鈴」の寂しさは、歌の魅力に圧倒されて、素通りしてしてしまう部分でもあると思う。
絶賛されている歌だけでなく、ストーリーも練り込まれている作品であると思います。
これが、細田守。
細田守は個人的に好きな監督であるが、本作『竜とそばかすの姫』は特に力が入っていると感じた。
細田守といえば、やはり細かい部分まで描かれるアニメーションが定番である。劇場で見ると改めてそれがどれだけ素晴らしい力であるかよくわかった。
脚本も退屈させない、型がしっかりしていたと思う。インターネットの世界と現実世界は繋がっていて、大切な人はすぐそこにいる、そんなメッセージがまっすぐ自分に伝わった。
中村佳穂の歌声には驚いた。私は中村佳穂を名前しか聞いた事のないような人間だったが彼女の歌声は間違えなく私たちを震えさせた。
ストーリーが公開された際、『サマーウォーズ』と被っているなどの意見が多くみられた。が、それは違う。新たに『歌』という新たな感動を詰め込み、日本のアニメーションを『映像』『音楽』『脚本』という3つの柱で細田守が固めた、そんなふうに思った。
スクリーンでこそ見るべき
『サマーウォーズ』で細田監督の作品を知り、本作品も仮想世界が描かれていると知り、
それ以外の予備知識はなく鑑賞しました。
印象的なシーンが多くて、綺麗で、感性に訴えかけてくる映画でした。
見る価値はあると思います。
既視感のあるストーリーだなと思いながら見ていたのですが、それもそのはずで
ヴィルヌーブの『美女と野獣』がモチーフだったんですね。
そういう意味では大筋のストーリーがディズニーでもお馴染みのお話なので、
あらかじめそれを知った上で、現代の日本作家が作る『美女と野獣』として見ると面白い作品だと思います。心が揺さぶられる展開も多く、繊細な『美女と野獣』みたいな世界観というか。(表現が難しいですが…)
細田監督ならではの素晴らしい作品だと思います。
圧巻のオープニングから始まり、視聴覚がばっちり刺激されました。
ということで、これは映画館で見る方がいいかなあ。
す、凄いですね
とにかく凄いですね。何が凄いって7月から上映してるのに9月末でも上映してるっていうことですね。基本的にアクション映画しか見ない自分ですが日本のアニメ映画の凄さに改めて認識しました。格闘場面はなかったけど最後の子供たちとを助ける場面は少し心が動くような・・・そんな感じがしました。
賛否のあった終盤の展開について思うこと
父から虐待をうけている兄弟を助けるため、すずが1人で東京に向かう終盤の展開について賛否の感想を多く目にしました。たしかにやや唐突で、この展開を指して“リアリティ”がないと言いたくなる気持ちもよく分かりますが、個人的にはこの展開がもっとも心に残って良いなと思いました。
インターネットを肯定的に描いてきたと公言する細田監督が、最後にネットだけでは解決できない問題もあることを提示し、主人公に直接的な行動をさせることで、大事な人のそばに寄り添って力になることの大切さを描いているように感じたからです。
細田監督はインタビューで終盤の展開を「この映画にとっての芯の部分で、そこを描くことで物語が着地するんだと考えながら作っていた」と語り、製作陣のなかでも賛否の意見があった部分だったと話されていました(引用したインタビューは、映画.comに掲載されています)。
素直に心震える
前置きしておきます。
僕はあまりディティールとかつじつまとか伏線にこだわらずわりとバカ正直に映画を観る人です。
評論家を気取るつもりもありません。
素直に感動した。
1人の少女の成長を描いた物語。
地方の高校でトラウマで歌えなくなった高校生がネットの世界で世界的有名な歌姫となりそこで出会った嫌われ者に寄り添いトラウマを克服した話。
アニメでしか表現できないであろう映像美。
シンガーソングライターを採用した本格的な歌と楽曲。
サマーウォーズにも見られた世界的な事件が起きてるのにこぢんまりとした終わり方。
うまく言えないけどもネット世界で大騒ぎだけども現実は意外とこんな物という感じが好きなんです。
ネットで大騒ぎするほど現実はもっと普通というかそういう感じが。
ネットで情報が溢れているこの時代ですが、ネットでどんなに大騒ぎされてようと知らない人もいっぱいいるわけでネット世界が全てなんて思わない方がいいと思うのです。
批判的な意見も多数みて思ったのは批判している人の多くは
ネット世界のディティールが弱いとか
現実感がないとか
伏線がないとか
話のつじつまが合わないとか
ですかね。
おーなるほどーって思いました。
僕はあまり深く観れてないなぁと感心しました。と同時にそこまでつっこむ所かなぁなんて。
たぶんそこを突き詰めると説明的な冗長さが出てきて面白くないなって逆に思ったんです僕は。ホンマ単純ですんません。
この映画の面白さは
1人の少女の心の成長していく姿
歌と映像の素晴らしさ
広い世界でたまたま出会えた人の心の支えになれてお互い強くなれた感動
それを現代風に描いた映画だと思うのです。
だから深く考えたり伏線とかディティールが気になる人は楽しめないんだろうなぁ。
賛否両論は仕方ないのかも。
僕は単純なんですね。
普通に感動して涙腺がゆるんでしまいました。
アニメでしか表現できない世界観に感動
傑作だとは思うが私は気に食わない
演出が本当に素晴らしかったです。現存するアニメ映画で最高峰と言っていい、圧巻のモノだと思います。美しい音楽と映像は勿論、台詞回し、カメラワーク、場面転換。広い意味で「演出」と呼べるものは全てが考え尽くされており、観客に伝えたいであろう情報が、本当に効率良く伝わってきました。所々で描写不足を感じることも無くはなかったですが、それは単純な作品の面白さだったりテンポの良さだったり主題を際立たせる為だったり、何かしらのメリットとデメリットを取捨選択した結果であると分かります。 そこだけとっても、紛れもない傑作だと断言できます。
そんな傑作の、何が気に食わないかと言いますと、テーマです。この作品では、苦境に立たされた者に手を伸ばすことの素晴らしさを一貫して描いています。例え望まれていなくても、例え助けられなかったとしても、人が人を救わんとすることは素晴らしいと。
これが私と合いませんでした。「私は」そうは思いません。助けを求めてもいない人は助けられないし、助けられない人全員を救おうとして生きていくことは不可能と、「私は」そう思います。はい、個人の意見です。この映画の価値が下がる意見ではありません。ただ、もし同じ考えの方がいたら、この映画は楽しめないのではないかと思います。
音楽がいいから細かいとこは気にならず
時をかける少女→観たことない
サマーウォーズ→観た
おおかみこども→観て泣いた
バケモノの子→観たけど何も覚えてない
未来のミライ→予告で聞いた子供の声が合ってなさすぎて観る気にならず
今回も別に観なくていっかなと思ってたのですが結構評判がいいので多少期待して観たら、よかったです!
予告でも使われていた最初の曲と中盤の曲はとてもよくて、これだけで観る価値ありました。
レビューでよく見る内容の矛盾点などは気にならなかったです。わりといつもそういう感じかな、というイメージだしそこに期待してなかったので。
ただやっぱり台詞の臭さというか寒さというかくどさというか、そこはちょっと耐えられませんでした。
なんでそんな何回も言うの?と。
サマーウォーズも好きだけどよろしくお願いしまーーすは聞いてて恥ずかしいから音量下げてしまうタイプなので。
でもやっぱり音楽よかったのでもう一回観たいです!
あとメンズキャラは相変わらずカッコいいです。
ネタバレあり【考察】責任感がないのは描写
とにかく音楽がいいです!映像も綺麗です!!
あまりにも評価が低いので悲しくなって少しあげました。
ストーリーは酷評が多いですが、個人的には考えさせられるところも多く面白い作品でした。たしかに詰め込みすぎで一つ一つが薄くなった感もありますが内容が意味がわからないということはなかったです。賛否両論あふれるネットの世界でベルという(どちらかというと)賞賛に目を向けた場合と、竜とい中傷に目を向けた場合がうまく描かれていました。
メインストーリーはすずが昔理解できなかった何かを失っても助けたいという思いから衝動的に動き母と同じ気持ちを体験するとともに変化していくというものでした。
そしてそこに
●ルールと正しさ
●母性(父性)の押し付け
●孤立と独立などのテーマと社会問題、あとありがちなネットの問題(ネットの人間も普通である、思っていた人と違う、など)も混じっていました。
●ルールと正しさ
すずの母親について
川に取り残された子にも親がいたはずだし他の方法があったにもかかわらずリスクを背負い自分で助けたいと思ったから助けた姿と、すずのも危険を冒してまで女子高生が1人で関わる問題ではないのに助けた姿にはルールに縛られない正義感があり十分重なると思いました。
また虐待していた父親は自分自身で決めたルールにより間違った正義を振りかざしてしまっていた、また助けを求めても行政はうごかない、これもルールに縛られた正義の批判として描かれていました。
現実世界ではルールの存在する正義感ない正義感、両方にメリットデメリットがあるのでどちらが正しいということはありませんがこの作品では父親はすずの純粋な縛られない正義に自分の正義が覆され倒れていました。
またジャスティンと父親は同一人物ではありませんが最後に財力、地位の象徴である時計をアップにすることでどの世界でも力の強いものが弱いものを圧迫することを表現できていてよかったと思います。
またルールについては恋愛についても感じました。奥様方はアメリカに行った際相手が中学生だったため何も無かった、と言っていますが対照的にヒロちゃんは年上の先生が好きなことを描き年齢的ルールに縛られていることを描いていました。個人的にはすずはこの作品でルールから放たれる描写が多いので、竜が実は少年であることを知った上で、年齢とは関係なく恋ではなく愛に行きついているように思えました。
●父性/母性
父との不和の解消についてですがこれはすずが父に親子としての関係を求めすぎていたことに気づいたからではないでしょうか。他人として受け入れることで初めて父を許せたのでしょう。
また母性についても考えさせられました。面倒を見ないながらも母親ぶる町内会の人への視聴者の苛立ち、お母さんみたいと言われるしのぶ、最後のすずの愛は母性ともとれること、ネットでのすずの母の行動への批判の声、自分を置いていった母への恨み、全てが私たちのなかの「母性」という固定観念を思い出させました。
●責任
まず奥さんたちについて、すずの東京への出発を止めないのは大人として無責任でダメすぎるとよく書いてありますが、その通りです。そう思います。
ただその人たちは母が飛び込んだときも、仲が良い描写(写真から)があったにもかかわらず止めなかった→今回も母と同じく危険な目に遭うにもかかわらずとめなかったことから、普通は無償で他者を助けない、責任を取りたがる人はいないことを示しています。
また虐待についての「僕も頑張るよ」もネットでも現実でも結局は他人が干渉することはほぼできない、自分で責任を取りなんとかしていくしかないことを残酷に示していたと思いました。
●その他
◯虐待されている子の場所の謎解き?
ご都合です。早すぎるし普通に無理だろってなるけどネットの情報から予想以上に早く見つかることを、誇張して描くために仕方ないかなとも思います。
◯クリオネの育てている薔薇がめちゃくちゃされるところと弟の部屋の(あまり覚えていませんが)薔薇の花瓶が割られるところはリンクしていておお…となりました。
◯ 都会に住みながらも孤立していて誰にも気づいてもらえない、田舎では過疎化が進み街自体が孤立している。加えて町の人は実際に世話を見ることはほぼないため精神的には孤立している、社会と個人の孤立問題も描かれていてよかったです。
◯ ボート少年の必要性
「なんでもできる」ネット内ではなく現実を生きているにもかかわらず現実でなんでもして、のけものにされながらも気にせず、なんだかんだ幸せに過ごしている人もいる、というコンセプトでいいと思いました。
◯ 片足のない犬
おそらく保護施設から?母が受け入れたのだと思います。すずが弱いものを守る心を本質的に持っていること、また疑問を持つ視聴者に対し、ルカがなんの疑問を感じずに遊ぶという描写によりその心のフラットさを示していたと思います。
またこれは醜い竜と言われながらもあざに見えない、色、特徴にみえる理由にも繋がっているのではないでしょうか。視聴者にとって、多様なバーチャル世界において竜は異質には思えない中、多くのキャラに批判されている、これは現実世界での多様性理解と通じるところもあるのかなと思いました。竜の場合は傷で苦しみ、犬も同じように脚がなくおそらく不便な生活をしている、また現実世界にはもちろんそういう人もいる。ただ中にはそれによって偏見を持ち忌み嫌う人も大勢いる。そのなかでただ大変さを理解するベルが犬と居るすずと重なりました。
また障害のある弟を大事にする竜と足のない犬を大事にするベルの社会的に力のない者を世話する構図の重ね合わせとも言えるかと思いました。
◯オマージュについて
途中シーンに加えて、Uがもしその精神的な状態を反映しているなら抑圧された環境と父からの心の傷で力とあざを持っていた竜が最後に精神的に解き放たれたことでUでも野獣からすこし変わったのでは…?と予想しました。
●よくわからなかったところ
◯なぜしのぶくんはベルがすずだとわかったのか◯なぜ子供達は外にでていたのか
全く分かりませんでした。
完成された物語というよりは不安定な現実世界の考え方を表しているようでした。人と人とは繋がっていることを前提で見ていた主人公が誰にも依存しないながらも周りを受け入れる、そしてネットも現実も結局は固定観念に縛られているだけで自分の心の持ちようで変わってくるという、いい映画でした。
表面しか見れていない人に軽んじられているのが残念。
今作ではそもそも現代社会のインターネットの匿名性等の点から色々な部分を敢えて詳しく描写していない作品だというのは恐らく映画を観た方全員が分かっていると思います。
ただ口コミを見る限り映画のテーマを匿名性という部分だけに着目している表面でしか観ていない人にとっては滑稽に映るシーンがあったのかな?と感じます。
過去の母親の行動を理解出来なかった筈の主人公が実際に現実と仮想の世界での両方で起きて感じた出来事により名前も知らない筈の子供を守るというような母親、一人の大人としての行動を取っていく事でかつてのトラウマに囚われていた子供の自分から大人の自分へと成長を遂げていくという点ももう一つの今作のテーマであると思います。
そういう点を理解した上で各シーン・物語の展開・各キャラの物語上での役割・心情を観ていくのと、何も考えず素晴らしい映像と音に目を奪われ惰性で映画を観て本質的な部分に触れずに表面的なストーリーの解釈だけで理解しようとするのは物語の流れ的にも不自然に感じてしまう点も多くとても勿体無いと思います。
深く触れられてはいないもののUがどのようにして生まれたか?だったりUの中でのキャラの人格形成に関わる部分の仕組み等、作中で最初に説明がしっかりされているにも関わらずその点をストーリーに繋げて理解出来ていないのか見ていて???となる点を疑問として挙げてる人もちらほら…
自分の浅慮さに気付かずにそういった点やシーンを揶揄している事で作品の価値そのものを貶めているような口コミが多く見られることが自分にとっては非常に残念です。
DVの父親が逃げたシーン等も特に笑い物にされていますが、あのシーンは主人公が最初理解出来なかった自分の母親の行動と同じことを図らずもなぞるような行動を取ったことで初めて子供の側から大人へ…母親の側へと成長を遂げられたシーンだと思います。
DV父親もどのようにして暴力をするようになったのか直接描かれませんが妻を亡くして、かつ片方は何かハンデを抱えている子供を育て上げていく不安や重圧に負けてしまったというような現実的にはあり得なくもない無い境遇でしょう。
子供である竜が母親の愛に飢えBelleに甘えるような描写がありますし、あの父親は子供達を庇うまだ完全に大人とは言えない鈴の毅然とした態度に亡き自分の奥さん、子供達の母親の姿を重ねてしまい自分の"親"としての在り方過ちに気付き怖くなってしまったと考えれば自然かと思います。
そういう点で鈴の父親とあの父親とでは対比になっていると思います。
子供達の母親の写真であったり、既に大人な幼馴染の忍が見守る側としてまだ子供の鈴を過去から解放するために大人になるように仕向ける行動、発言であったりしっかりと意味のある描写もされていますし。
作品の受け取り方は人それぞれとは言え限度があると思います。
感じ方に玄人も素人もありませんが、今まで数ある素晴らしい作品を生み出してきた方が今回敢えて私達にも気付けるようなこういう展開のストーリーを描いているのに対し、物語の奥底の別のテーマに対して深く考えず表面上だけでしか見ていない捉え方で批評をするのもおかしいと思います。
見る人を選ぶ作品
伏線回収が最高!感情の読み取りも表現でできててわかりやすい!
好みは分かれますが映画館で見る意味がある
多くの人が言うように音楽と映像がとても良くて、曲と中村佳穂さんの歌声の素晴らしさによって、「主人公が一夜にして超有名人になる、作中の人々が感動して泣いている」という描写が違和感なく仕上がっていました。私も鑑賞後サントラを買いましたし、imaxでもう一度見ようと思っています。
そしてこれも多くの人が言うように脚本には違和感があるというか、やりたいことは分かるんだけど突っ込みどころが多くて正直完成度は低いかも、という気はします。
とはいえ大筋の流れや、誰かを助けることによって自らも救いを得る、という話が好きなので個人的には脚本も良かったです。
他の作品の名前を出すのはちょっとあれなんですが、「チェンソーマンが好きで鬼滅の刃は嫌い」というタイプの人には向かないと思います。
素晴らしい映像体験でした
もともとサマーウォーズのオズの世界観が好きで、細田監督の作品はそれ以外刺さらなかったのですが、今回はまた仮想世界の描写があるとゆうことで公開前から楽しみにしていました。思っていたとおり、Uの世界観が素敵すぎて深いため息が出てしまいました。特にBellのキャラデザがよすぎて。歌とか合唱で感動できる人とか、美しいものに感動できる人にはドツボだとおもう。けちょんけちょんのレビューを見かけてたからあんまりストーリーに期待してなかったけど、わたしは物語も好きでした。
でも、たしかにストーリー重視でワクワクしたい人には、伏線回収みたいのもないしあんまり刺さらないかもしれないです。そして、やっぱりサマーウォーズと比較すると、一人一人の個性やキャラ立ちは圧倒的にサマーウォーズ素晴らしいんだなと思いますねぇ。侘助おじさんとか、おばあちゃんみたいな力あるキャラクター、また出会いたいですねぇ。
でもでも、たくさんの人にBellに出会ってほしいです☻紡ぐ歌がほんっとうに素晴らしいです。
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